そこは自分のための小さな美術館 やわらかなトーンのアートが、ロマンティックな空間に溶け込む。
Lifestyle 2022.10.04
敷居が高いと思われがちなアートはいま、より身近に、親しみやすい存在になってきた。アートを買う場所から方法、楽しみ方までもどんどん広がっている。早津純は、ロマンティックでフェミニンなインテリアの中で、やわらかなトーンのアート作品たちと暮らしている。
早津純 ヘアメイクアップアーティスト、ヘアサロンOFFオーナー
自宅のリビングルーム。ブルーの油絵は、フランスのリサイクルショップで昔買ったという初めてのアート作品。
代官山のマンションの最上階に位置するヘアサロンOFFには、つい足を留めて見入ってしまうようなアートが飾られている。「繋がりのある人の作品を買うことが多いです。ご本人の作品だったり、紹介してもらった人だったり」。サロンを共同経営しているパートナーと暮らす自宅にも、オザワキヨエや三ツ谷想の写真から、アトリエ・エスティーキャットで出合った絵画、ヴィンテージショップのシロヤマで見つけたオブジェまで、どこかで“繋がった”作品たちが並ぶ。
ダイニングテーブルの奥には過去にOFFでも個展を開催したオザワキヨエ、三ツ谷想の写真から、アトリエ・エスティーキャットで購入したFu Kishiの水彩画までが仲良く並ぶ。
シロヤマで一目惚れした作者不明のバレリーナの絵。オブジェはあちこちから連れ帰ってきたもの。
寝室には斉藤思帆の作品、その名も『ベッドルーム』を。
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先日は顧客からデンマークに住んでいるおばあちゃんのインスタグラムのアカウントを教えてもらい、彼女が描いた絵画を共同購入したとか。「組み合わせて飾ることが多いので、購入する時は、あの作品と合うかなと想像することが多いです」。自宅のリビングルームの壁には、さまざまなアーティストの作品がパッチワークのように並んでいる。しかし、それらが喧嘩することなく、気持ちよく調和しているのが印象的だ。「いまは壁が足りないのが悩みです」
経営するサロンにも三ツ谷想の写真を飾っている。自宅とサロンをアート作品が行き来することもあるとか。
陶芸家の鈴木隆による作品。その娘さんがOFFに通っていた縁で出合った。
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アトリエ・エスティーキャット
ジュエリーショップの中に、「花と飾りたいアート」をコンセプトに掲げ、アートギャラリーを併設。ファッションを楽しむようにアートにも興味を持ってもらいたいとの思いから、1万円前後の作品を中心に、インテリアとして楽しめる若手アーティストたちを多く紹介している。
Atelier ST, CAT
東京都港区南青山2-9-18 1F
tel:非公開
@atelierstcat
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シロヤマ
高崎市にある隠れ家のような住所非公開のヴィンテージショップは、「高崎に住んでいる友人に、最初は連れていってもらって」。アメリカや日本などで買い付けたという1960年代から90年代を中心にしたフラワーベース、ランプ、リトグラフ、オブジェなどが揃う。
Shiroyama
住所、電話番号は非公開。
現在は秋の移転リニューアルに向け準備中。
@_shiroyama__
*「フィガロジャポン」2022年9月号より抜粋
photography: Wataru Kakuta