沖縄の暮らしを感じる、センスのいい手仕事の店。
Lifestyle 2022.12.25
約400年の歴史を持つやちむんや、紅型、首里織、ガラス工芸、木工。琉球文化と風土が生んだ民芸品は、いまもなお愛され続けている。日々の暮らしに温かみをもたらす沖縄の手仕事を伝える店へ。
沖縄を代表する、人気やちむん作家のギャラリーカフェ。
読谷村|クレイコーヒー&ギャラリー
人気やちむん作家・松田共司がプロデュースした店が、やちむんの里・北窯奥に登場。長年ギャラリーのオープンを夢見てきた松田だが、コーヒー好きの息子とのタッグでうつわギャラリー兼カフェが誕生した。大胆な絵付けが特徴の松田のうつわはぽってりと穏やかな佇まいで、和洋問わず料理を引き立ててくれる。ハンドドリップコーヒーやこだわりのカフェメニューは、ここで作陶されたうつわで提供される。
木とコンクリートのモダンな構造に、古い琉球赤瓦の屋根がしっくりとなじむ。開放感あふれる心地いい店には、テラス席も設置。
スパイスがほどよく効いたランチメニューのビーフカレーも評判。サラダ、ドリンク付きで¥1,550。コーヒーは自家焙煎の豆を8種ほどラインナップ。
日々の食卓で使える手頃なものから大作まで、幅広く松田の作品に触れられる。飯椀各¥2,200、Vカップ 各¥3,300、ティーポット¥7,700、大皿¥165,000
沖縄県中頭郡読谷村座喜味2648-7
tel:非公開
営)ギャラリー:11:00〜17:30 カフェ:11:00〜17:30L.O.
休)日、木
www.claycoffeeandgallery.com
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ヨーロッパ的意匠を取り入れた、モダンな表情のやちむん。
那覇市|イーサ
中世ヨーロッパのゴブレットやピッチャー、マグなど、壺屋焼窯元 育陶園がファンタジーの世界をイメージして焼き上げるやちむん、イーサシリーズを扱っている。古来の技法と釉薬をもとにジオメトリックなデザインで作陶するカマニーシリーズに続き、洋食器と並べて食卓に置いてもしっくりなじむラインナップ。老舗窯元ならではの画期的なデザインだ。うつわの展示販売のほか、毎週土曜日はナポリタンやピザトーストなど純喫茶風メニューが楽しめる週末喫茶も開催。
壺屋やちむん通り中ほどに位置する店。
人気のゴブレットで味わえる喫茶メニューのフロートは、コーヒー、コーラ、メロンソーダから選べる。「ザ・フロート」¥770
左から、エンブレムをタックワァーサー(貼り付け)したシリーズのE珈琲マグ 各¥4,950、Eピッチャー¥18,700、面取りシリーズのカップ¥5,500、ポット¥27,500、ゴブレット¥25,300
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空間デザイナーが提案する、ミニマルな沖縄のデザイン。
那覇市|ルフトショップ
沖縄を拠点に活動するデザイナー真喜志奈美が、2020年にオープンしたギャラリー兼ショップ。ヨーガンレール、ミナ ペルホネンなどの空間デザインでも知られる真喜志が、県内外のメーカーと手がけたプロダクトラインをはじめ、デザイン事務所ルフトのメンバーが沖縄の作り手と共同開発したガラス工芸、織物、木工家具やプロダクトを展示販売。沖縄のデザインをテーマにした企画展も秀逸。
沖縄の木を使った木工シリーズ¥1,650〜、エルデシリーズのプレートとボウル¥1,320〜。車のウィンドウを再生素材として、ガラス工房との協業でアップサイクルしたグラスシリーズも人気だ。
浮島通りに面したミニマルな空間。
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沖縄のものづくりが体感できる、島の暮らしや装いの数々。
豊見城市|島の装い。ストア
沖縄本島と離島のものづくりをテーマに、編集者セソコマサユキとプロジェクトチームアパートメントオキナワが共同運営するセレクトショップ。昨春に開催された『島の装い。展』が話題になり、その反響を受けて誕生した。伝統的な民芸品からモダンなクラフト、調味料や菓子、酒類などの食品まで、幅広い品揃えながら、セレクトは確かな目利きによるこだわりを感じる。ワークショップやトークイベントも随時開催。
本島と離島の作り手のものがズラリ。農園や酒造、陶芸家など、細やかに記載されたポップでひとつひとつを丁寧に紹介。幅広い品揃えで、沖縄土産選びに頼りになる一軒だ。
中城市で作陶するガラス工房ブンタロウの吹きガラス。丸みを帯びた小さな花器¥1,350〜、店限定のオリジナルグラス¥2,750
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地産のクラフトを華やかにアップデート。
那覇市|ティトゥティ オキナワン クラフト
紅型や織物、やちむんなど、さまざまな分野で活動する3名の作家やコーディネーターが共同運営するショップ。店名は、沖縄の方言で手と手を表す言葉だという。陶芸家の金城有美子、織物作家の長池朋子、紅型作家の田中紀子など、国内外で活躍する人気作家たちがコーディネーターのもと新しい試みに挑戦し、沖縄のクラフトをラグジュアリーな手仕事としてアップデートする。
左から、モダンなフォルムと繊細なロートン織を絶妙なバランスで融合した長池朋子による四角ポーチ¥6,600、田中紀子の紅型を表裏に染め抜いたミニバッグのがまぐちポーチ¥5,500、金城有美子のサンゴブルーシリーズのうつわ 各¥3,300〜、上の小皿はサンゴブループランツ¥3,080
鮮やかな手仕事が一挙に集合。
*「フィガロジャポン」2022年12月号より抜粋
photography: Wataru Oshiro (camenokostudio), Akemi Kurosaka (Stuh) text: Akari Matsuura