赤ちゃんはニンジンが好きでケールが苦手? 4Dエコーで胎児の驚くべき表情が!

Lifestyle 2023.01.13

2022年9月21日(木)に『Psychological Science』誌に発表された仏英合同の調査は、今まであまり見たことのない胎児の様子を明らかにした。使用された4Dエコーのおかげで、なんと母親が食べている食材によって反応が変わることが分かったのだ。

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母親が人参を食べると胎児は“笑顔”になり、ケールを食べた場合は“涙を浮かべた”。最近行われた研究でその様な結果が。 photography: Getty Images

好き嫌いを押し通す子どもは実に多い。驚くことに子どもの味覚の学習は、哺乳瓶や離乳食のずっと前、なんと母親のお腹の中ですでに始まっているのだ。9月21日(木)に『Psychological Science』誌に発表されたイギリスのダラム大学とフランスのブルゴーニュ大学が共同で行った研究がそれを明らかにした。イギリスの18歳から40歳までの妊娠32週~36週の妊婦100名を対象に行なった研究で、4Dエコー技術により、母親が食事をしている間の胎児の顔の表情を観察することができた。

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オレンジのピル? 緑のピル?

この調査を行うに当たって、研究員は参加する女性に2つのカプセルを渡した。一つにはニンジンベースのパウダー、もう一つにはケールキャベツのパウダーが入っている。最初のグループは平均的サイズのニンジン1本分、もう一つのグループは100gのケールを摂取したことになる。20分後に出た結果では、参加者全員の結果が一致していた。ニンジンにさらされた胎児は“笑顔”で、ヘルシーフード愛好家に好まれる緑野菜にさらされた胎児は“涙ぐんだ表情”になったと研究員は報告。ニンジンもケールも摂取しなかったグループには同様の反応は見られなかった。

以前にも、羊水や母乳を経由してニンジンの味にさらされた乳児の反応を観察した研究はあったが、今回の研究で摂取された食品と胎児の表情の関係が初めて明らかになった。

「エコーの画像には子どもや大人と似たような表情が現れています。しかし胎児が実際に喜びや嫌悪を感じているのかは分かりません」と研究の共同著者であり、ダラム大学の胎児・新生児研究室長ナジャ・レイスランドさんがNBS Newsの記事で答えている。彼女によると、ケール摂取で現れるしかめ面は「苦味に反応した筋肉の動き」の可能性もあるとのことだ。

良い食事習慣は幼い時期から始まる

この研究結果に科学界は期待を寄せている。胎児の動作が観察できたことは「味覚・嗅覚の受容体の発達に対する理解や、それと関係する知覚や記憶を理解する上で大きな役割を果たす可能性があります」と共同著者であるブルゴーニュ大学国家科学研究所のブノア・シャアールさんは言う。

もっと広い視野で見れば、これらの結果は妊娠中の母親に健康的な食生活について説明するのに役に立つだろうと当研究者たちは言う。胎児の時からケールの味になじんでいれば、離乳食が始まってからもこの味に耐えられる、否、もっと言えば好むかもしれない……という考えは、大人たちを大喜びさせるだろう(実験台になった子どもたちには迷惑かもしれないが)。恐れるなかれ、子どもたちよ、ブロッコリーのロビイングはすでに始まっているぞ!

text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Hana Okazaki, Hide Okazaki

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