AIGLE 美しく暮らす土とエーグルの物語 Vol.1 ブランドのルーツに通ずる土に注目、エーグルによる支援とは?

Lifestyle 2023.04.28

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1853年フランスで生まれたエーグルは、創業当時から天然ゴム製のラバーブーツをハンドメイドで作り続け、自然に寄りそいながら独自のクラフトマンシップを育み、農家たちに愛され続けてきた。土で繋がるさまざまな自然のフィールドでの活動をサポートしてきたエーグルは、街と自然を繋ぎ寄りそう暮らしを提案し、近年では、より一層に環境へ配慮した製品作りや、さまざまな団体とパートナシップを結びながら、循環型経済と環境保全へのサポートを行っている。今回はエーグルが支援するふたつのパートナー、ビートアイスとモア・トゥリーズの取り組みを紹介する。


BEAT ICE

小さな棚田が人を繋ぎ、世界が広がる。

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ビートアイスの山口さんが棚田で長年愛用しているエーグルのラバーブーツ。足へのフィット感にすぐれているので動きやすい。

棚田とは、山の斜面や谷間の傾斜地に階段状に作られた稲作地のこと。作業の不便さと収穫量の低さから休耕田になっている場所も多いが、いっぽうで文化的景観価値や生物多様性などの観点から、各地で保全支援が進められている。

神奈川県葉山町の棚田に魅せられた夫婦が、収穫した米でヴィーガンアイスクリームを製作・販売する「ビートアイス」。売り上げの一部を棚田保全に活用し、2018年からは全国10地域の棚田と連携して各地の棚田米を使ったアイスクリームを展開している。

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江戸時代から続く葉山町の棚田。海と山に囲まれたのどかな風景は、「日本の里100選」にも選定されている。

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山と街を行き来しながらビートアイスを広めている山口夫妻。機能性とデザインを兼ね備えたエーグルの服は守備範囲が広いという。

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葉山の海から見える富士山の美しさに惹かれて、東京から移住した山口夫妻。たまたま出会った棚田に魅了され、週末ボランティアで農作業をするうちに、本格的に稲作に取り組むようになった。「この棚田ではもともと集落に暮らす人たちが共同作業することで、自分たちが食べる分の米を作ってきました。私たちは田んぼを核としたコミュティの繋がりに魅力を感じ、農作業をしながら先人の知恵を学ばせてもらっています」と山口さん。

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湧水を利用し、昔ながらの伝統農法を守り続けている棚田では、生物の多様性が保たれている。

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田んぼに水を張る前は「畔塗り」の作業が欠かせない。

山の斜面にいくつもの小さな田んぼが連なる棚田では、ほとんどの工程が手作業で行われる。「田んぼに水を張る前には毎年、畔塗りといって田んぼの淵から水が漏れないよう、周囲を土で塗り固めます。昔の人は厳しい自然との共存を目指し、懸命にこの作業を行い収穫していたことを想像すると、食への感謝の気持ちが生まれます」

山口夫妻が手伝っているのは、地元の農家が管理している棚田。十数枚の田んぼから収穫できる米は約400kgで、仲間と分けると1人あたりが年間約30kgだ。棚田の素晴らしさを多くの人に伝えるためにできることはないだろうか、とふたりは考えた。葉山には海という観光資源があるが、ビーチでアイスを売ったらどうだろう? そんな発想から生まれたのが「葉山アイス」だ。棚田米と米麹を原料にしたヴィーガンアイスは、健康意識の高い葉山の人々に受け入れられ、最近では地元小学校の給食にも採用された。

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クラウドファンディングのリターンTシャツを提供するなどして、エーグルもその活動を支援している。

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「30キロの米だけでは多くの人に届けられないけれど、アイスなら同じ量の米から3,000個の商品が作れる。棚田の危機を訴える前に、まずはこの場所から喜びや楽しみの輪を広げたいと思ったんです」

やがて山口夫妻のアイスは全国の棚田農家が集まる「棚田サミット」でも評判となり、いまでは10地域の棚田から届いた米を使って新製品を開発中だ。「葉山に移住してきたときは棚田の存在すら知らなかったのに、ビートアイスを作ったことで、地域の方や多くの棚田農家と繋がることができました。エーグルさんにもクラウドファンディングリターンのコラボTシャツ提供などを通じてサポートしていただいています」

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「棚田の風景はクール。ファッションの世界とも繋がれば、もっと多くの人にその魅力を発信できるはず」と山口さん。

一組の夫婦がゼロから始めた棚田の活動が、世代や場所を越えて広がりをみせている。山と海を繋ぎ、地域と地域を繋ぎ……小さな棚田から世界は無限に広がっていく。

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葉山の棚田米と米麹、ココナッツミルクなど植物由来の原料でつくった「葉山アイス」。口の中で、すーっと溶ける爽やかな後味が特徴。葉山アイス¥388

BEAT ICE
www.beatice.jp

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MORE TREES

土地に根ざした森づくりを行うモア・トゥリーズの挑戦。

私たちが毎日享受している空気や水、土は、森林の存在なくしては成り立たない。ところが世界では、熱帯雨林を中心に急速なスピードで森林が減少している。2007年、一般社団法人として設立した「モア・トゥリーズ」は、人間の文明社会を支える上で欠くことのできない森林の存在を見つめ直し、持続可能な付き合い方を模索している。

「国内18カ所、海外2カ所で森の保全活動を行い、多様性のある森づくりを目指しています。森を守るのはその土地に暮らす人々です。私たちはその土地に合った森林保全の提案をし、都市と森をつなぐお手伝いをしています」と話すのは事務局長の水谷伸吉さん。

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戦後日本の森は木材の経済性を優先し、スギとヒノキを中心とする偏った植林が推進されたため、日本古来の多様性が失われてきた。Photo by Takeshi MIYAMOTO

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森は、木材利用だけでなく、土砂災害へのリスクヘッジにもなる。そのためにも在来種を中心とした森づくりが必要。Photo by Takeshi MIYAMOTO

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この理念に共感したエーグルは、2018年よりモア・トゥリーズのパートナーとして、モア・トゥリーズへのチャリティを目的としたコラボコレクションを毎年販売し、その売り上げの一部を寄付したり、森林保全活動に携わる人々にラバーブーツや衣装を提供している。「さまざまなイベントを通して、都市部に暮らす人々に森林について身近に関心を抱いてもらえるようなアプローチを続けています。エーグルさんとの取り組みもそのひとつです」

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森へ植樹する苗木たち。Photo by Takeshi MIYAMOTO

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エーグルは、モア・トゥリーズの森がある奈良県天川村で地元の方々と一緒に採取したクロモジでオリジナルフレグランスのスプレーを製作。完成品は、22年のチャリティコレクションの特別ノベルティに。Photo by Takeshi MIYAMOTO

木材や植物を使ったオリジナルプロダクトも好評だ。建築家の隈研吾さんがスギの間伐材を使ってデザインした三角形の「つみき」や、エーグルのイベントでも好評という、木のスプーン作りなど、木の温もりや香りを通して森林への興味のきっかけづくりを行う。

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隈研吾デザインによる「つみき」。シンプルな形で組み方は無限大だ。FSC森林認証を取得した宮崎県諸塚村のスギからつくられている。

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日本は戦後、成長の早いスギやヒノキを全国に植林し、経済の効率化を図ってきた。しかし木材の価格が低下し始めると、森を維持する人が減少。伐採したまま植樹されず、禿山になっている場所が各地にあるという。「雑木(ざつぼく)と呼ばれているコナラなどの広葉樹も、昔は炭や薪の原料として里山で大切に育てられていました。広葉樹は成長して収穫できるまで100年かかるため、顧みられなかったのですが、持続可能な森林のためには在来種を復活し、多種多様な木を増やしておくことが必要なのです」

水谷さんたちは山と都市の交流を通して地域をエンパワーしたいと考える。「どんな過疎の村でも、森を守りたいという熱い志を持った人が必ずいます。われわれの役割はそういう人とつながり、サポートすることです。東京を拠点とする利点を活かし、さまざまな企業とパートナーシップを結んで資金を調達し、森に関心のなかった人たちに植樹体験やイベントなどを通して関心を持ってもらうこと。そのために走り続けます」

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代表であった音楽家・坂本龍一の志を受け継ぎ、国内外で森林保全に奔走する事務局長の水谷伸吉さん。森に出かけるときはエーグルのラバーブーツが欠かせない。Photo by Takeshi MIYAMOTO

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2018年からパートナーシップを結んでいるエーグルとは、チャリティを目的としたコラボコレクションの販売やイベントなどを通じて継続的に活動をともにしている。Photo by Takeshi MIYAMOTO

創立16年目を迎えるモア・トゥリーズの地道な活動は各地で実を結び、その種は海外にも広がっている。インドネシアではオラウータンの保護団体と協力して植樹活動を展開。「違法に捕獲されたオランウータンのリハビリのための森づくりをサポートしています。しかし近年は都市開発の波が押し寄せ、石炭の違法採掘が行われたりと問題は山積みです。専門家の知恵も借りながら、諦めずにできることから一歩ずつ前に進みたい」

志を同じくする仲間を各地で増やしながら、森林を守る方法を模索するモア・トゥリーズは、これからも地球の未来を照らし続ける。

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インドネシアではオラウータンの赤ちゃんの密輸が社会問題に。モア・トゥリーズはオランウータンの保護財団とともに、森林保全活動を行っている。

More Trees
www.more-trees.org

エーグル公式サイトへ

●問い合わせ先:
エーグル カスタマーサービス
0120-810-378(フリーダイヤル)

 

 

photography: Akemi Kurosaka(Beat Ice / Stuch) text: Junko Kubodera

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