気になる保護犬、素朴なギモン。

「犬を家族に迎えたい！」となったら、選択肢に加えてほしい “保護犬”たちの存在。さまざまな理由で放棄され、保護された犬たちと、どうしたら家族になれるのか？　動物保護団体 肉球レンジャーが運営する299（ニクキュー）カフェ店長に話を聞いた。

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Q1 保護犬ってどんな犬のこと？

保護犬とは何らかの理由があって、動物保護施設や団体に引き取られた犬のことで、野犬から多頭飼育崩壊、ブリーダー崩壊から個人放棄までさまざまな境遇の犬がいます。いわゆるペットショップで販売する場合は、人間が設定した厳しい基準があり、それに少しでも満たない犬たちは日々、放棄されます。僕たち肉球レンジャーの場合は、人間の都合で放棄され日陰に追いやられた子、特に生まれつきの障害や疾患があり、治療に長い時間を要する犬を保護、治療し、里親を探しています。

カフェの店頭には、保護された犬たちの犬種や放棄理由を明記した資料がある。

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Q2 里親になるにはどうしたらいいの？

多くの動物保護団体が譲渡会といわれる犬とのお見合いの場を設けたり、常時、保護犬と触れ合えるカフェなども併設していたりします。そのような場所に出向き、実際に保護犬たちと会ってみるのもいいですし、日本全国の保護犬情報が掲載された、犬と里親を結ぶマッチングサイトを覗いてみるのもいいです。家族に迎えたい犬と出会ったら、各保護団体が定めた審査を受け、それに通過することで里親となれます。

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Q3 保護団体はどのように選べばいいの？

保護団体によって、大型犬がメインのところや、うちのように小型犬が多い、等々の違いはあります。そのため、まずは自分がどんな犬と一緒に暮らしたいかを明確にしてから、訪ねる保護施設を絞るのもいいですね。各団体については、活動内容が可視化できることが見極めのポイントに。どんな環境で犬たちをお世話しているのか。そして日々、どのようなケアをしているのかを、ウェブ上などを通して現在進行形で細かく公開している保護団体なら安心です。

爪を切るなど、まめに犬たちの身体に触れ、体調をチェックすることも重要な仕事。

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Q4 里親になりたくてもなれない場合、力になれることはある？

犬と暮らすために適した生活環境であるか、責任能力は保証できるのか、など里親として犬を迎える上でいくつかのハードルがあるのは確かです。何らかの理由で里親になれない方は、保護団体が募集しているボランティア活動に参加されてみては？　肉球レンジャーでも、犬のシャンプーや施設の掃除、さらには散歩までさまざまなお仕事をボランティアの人にサポートしてもらっています。また、支援物資などを送ってくれる方もいます。

同施設を卒業した保護犬、チワワのボッジが里親と一緒に散歩ボランティアに参加。

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Q5 私たち人間に求められることとは？

僕が話した内容はすべて人間の立場からのもの。本来、犬にとっては保護犬だろうとなかろうと、みんな幸せになるべきです。なかでも保護犬たちは人間都合で放棄された経験を持ち、障害や病気を持っている場合もある。動物保護団体は、それらを加味しつつ、里親を探します。なので、里親になる方も「自分が犬を選ぶ」という視点ではなく、「自分がこの子に選ばれた！」と考えてもらえればいいなと。団体側も里親も「命を救いたい」という気持ちを共有できたなら、犬たちにとっても幸せだと思います。

左： ペットシーツを替えるなど、こまめに掃除。　右： 食が細い子には少しずつ給餌。これも手がかかる作業と原田店長は言う。

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◼️ 保護犬インフォメーション

＊「フィガロジャポン」2023年7月号より抜粋