浮気して救われる? カップルを続けるために浮気する女性たち。
Lifestyle 2023.06.28
浮気は時に自分の気持ちを確かめ、カップルを見つめ直すきっかけにもなる——アメリカの作家、スーザン・シャピロ・バラシュは、浮気をしたことのある女性たちを30年間取材し、そう結論づけた。5月16日にはポッドキャスト「Sex and Psychology(性と心理学)」にゲストスピーカーとして登場した。
浮気したことを後悔するよりもむしろ解放された気持ちになり、カップル生活が充実して幸せになったと感じる女性もいる。photography: David Lees/Getty Images
浮気がカップルの破局につながるとは限らない。その逆のケースもある。アメリカの作家、スーザン・シャピロ・バラシュは米国の女性たちに30年以上、浮気体験を取材した結果、そう結論づけた。多くの女性は浮気したことを後悔していない。むしろ解放された気持ちになり、カップル生活が充実して幸せになったと回答した。取材を一冊の本にまとめたのが2022年10月に米国のメリディアン出版社から出版された書籍『A passion for more: affair that make or break us(原題訳:貪欲な情熱、浮気で結びつくふたり、壊れるふたり)』だ。そして著者は5月16日、キンゼイ研究所の研究員で心理学者のジャスティン・レミラーがホストを務めるポッドキャスト「Sex and Psychology(性と心理学)」のゲストスピーカーとして登場し、通念とは異なる取材結果について語った。
後ろめたくなんかない。
著者スーザン・シャピロ・バラシュは、男性と女性の性差を専門に研究している。彼女によれば、いまや女性も男性並みに浮気をしている。そして取材した多くの女性たちの証言から判断すると、不倫を肯定する女性は増えている。「現代の女性は経済的にも社会的にも、パートナーにあまり依存していません。数十年前と比較して女性の浮気は増えています。浮気したことを肯定的にとらえ、オープンにしゃべる人も増えました。取材した女性の多くが、これでよかった、浮気は必要なことだったと罪悪感を持っていませんでした」と著者はポッドキャストで語った。
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ふたりの関係性をみつめなおすツール
浮気をしたらカップルはもうおしまい、と型どおりに考える女性ばかりではない。著者の取材に対し、浮気はふたりの関係性を見つめ直すツールと語った女性も一定数いた。
「女性は浮気を隠すことがとても上手です。パートナーに浮気を悟らせるのは、なにか相手に伝えたいことがあるからです」とスーザン・シャピロ・バラシュは言うと、「たとえば、“わたし、浮気をしたわ。そのことで自分に何が足りないのか分かった。あなたと一緒に足りないものを手に入れたいの”というようなメッセージです。そして最近の男性はこうしたアプローチに対し、だいぶ柔軟になっているようです」とつけ加えた。
カップルが安定する。
スーザン・シャピロ・バラシュの取材では、浮気のおかげで充実し、カップルが安定したと語る女性がかなりの割合でいた。「女性はそれぞれの相手から何かを得ます。満たされることにより、カップルの関係性も良好になります。カップルの内外ですべてのニーズに答えが見つかるからです」と著者は言う。
自分を害する関係からの脱却
その一方で浮気をきっかけに機能不全に陥っていたカップル関係を解消した女性もいる。「浮気をしてみて、それまでの自分に何が足りなかったかを自覚することもあります。この場合、浮気相手はこれまでの関係を終わらせるきっかけとなり、浮気相手との関係がその後も続くならば、新たな終着点ともなるのです」と著者は語った。
text: Louise Servans (madame.lefigaro.fr)