ちゃんと睡眠が取れていない時に起きる「8つの兆候」とは?
Lifestyle 2024.01.06
私たちの体は、私たちの夜の睡眠の質について多くのことを教えてくれる。睡眠専門医と生体学者が、体に現れる症状から、私たちの夜は再生するのが難しいことを証明する。
私たちの体は夜の睡眠の質について多くのことを教えてくれる。photography: Maskot / Getty Images/Maskot
私たちの睡眠に何が起こっているのだろうか? 2019年に公表されたフランスの国家公衆衛生庁の調査によれば、フランス人の3分の1が毎晩6時間未満しか寝ていない。「100年の間に、私たちの夜は著しく短くなっている」と、パリのアンリ=モンドール病院の睡眠専門医であるフィリップ・ボリュー医師は指摘する。また、睡眠時間が短いと、疲労回復効果も低くなるため、気づかないうちに睡眠負債が蓄積し、健康に悪影響を及ぼす人もいる。睡眠の質が良いか悪いかは、どうやって見分けるのだろうか? フィリップ・ボリュー医師と生体学者のクレール・ルコント氏が、身体が発するアラーム信号を見分ける方法を教えてくれる。
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全身の動きがゆっくりに感じる
「気持ちよく朝起きることはとても重要。」フィリップ・ボリュー医師によれば、朝目覚めた瞬間に自分が完全に回復した感覚を感じることが大切だという。「通常、少しの眠気はすぐに消え去ります。活動してみればよく眠れたかどうかがわかります」と説明する。それでも眠気がある場合、夜の睡眠の質がおそらく良くなかった可能性があり、その影響をすぐに感じるだろう。生体学者のクレール・ルコント氏は、「全身の動きがゆっくりに感じます。特に身体的な面で、歩くのが難しくなったり、階段を上るのが難しくなったりします」と述べる。
お湯が必要
布団から出るのが難しいとき、シャワーは怠け気分の一番の対策のように思える。しかし、一度シャワーに入ると、温かいお湯がとても気持ちよく感じられ、ついつい長居してしまう。「私たちの体内時計は、目覚めると体温が上昇するようにできています。眠りの質が悪い状態が続くと、朝は体温の上昇が遅くなり、再び体温を上げるために温かいお湯が必要になるのです」と、生体学者のクレール・ルコント氏は説明する。
日中に眠気が出る
午前9時半、すでにあくびをしてしまう。「あくびは、退屈、空腹、睡眠といった環境に応じて反応する脳の作用・反作用メカニズムです」と、生体学者のクレール・ルコントは指摘する。食事中や会議中は別として、1日に何度もあくびをしている人は要注意だ。体は激しい疲労に対応している。睡眠の専門家はこれを「日中の過度の眠気」と呼んでいる。
「質の悪い睡眠を積み重ねると、身体は肉体的にも精神的にも回復しなくなります」とフィリップ・ボリュー医師は言う。「その結果、日中起きていることが難しくなり、電車での移動、会議への出席、映画館に行くなど、刺激的なことをしていないと完全に眠ってしまう睡眠発作を起こすこともあります」。
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脂肪と砂糖を欲する
(眠気覚ましの)コーヒーブレイクの際にチョコなど甘いものを楽しむことはどうだろうか。「睡眠が乱れると、食欲をコントロールするホルモンの分泌バランスが崩れる」とフィリップ・ボリュー医師は言う。サラダや野菜なら言うことなしだが、残念ながら、脂肪と砂糖が私たちを誘惑する。「砂糖は注意力を高めます。それが唯一の利点ですが、その効果は短期間で、最終的にはII型糖尿病などの病気を促進します」と、生物学者のクレール・ルコント氏は言う。「アメリカの研究では、アメリカにおける肥満の蔓延は、ジャンクフードだけでなく、生体リズムの乱れが原因であることが明らかになっています」と医師は強調する。
頭痛がする
「睡眠不足は脳内の神経やニューロンを興奮させ、厄介な頭痛を引き起こします」と生物学者のクレール・ルコント氏は指摘する。これを改善するために、研究者は光から離れた静かな場所で10分間休むことを勧めている。
筋肉痛が起こる
最後にジョギングをしてから1週間が経つが、ハムストリングスの感覚が違う。バスに乗るための短いジョギングで痛みを感じる。「全身は夜、組織を再生するために休息します。一方、筋肉がリラックスしなければ、前夜の筋肉の緊張が翌日まで続くのは避けられません」とフィリップ・ボリュー医師は言う。
「不安を感じる人々には、この筋肉痛がまれに眼瞼痙攣、つまり繰り返し無意識にまぶたが収縮する状態を引き起こすことがあります」と生体学者のクレール・ルコント氏は補足する。
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頭がぼんやりする
「毎日、私たちの脳は何千もの情報を記憶しています。夜になっても脳は活動していないわけではなく、むしろその逆で、わずかな記憶でも選択し、分類するのです。しかし、蓄積された疲労は、このうまく機能するメカニズムにブレーキをかけてしまいます。睡眠障害は集中力に悪影響を及ぼします」とフィリップ・ボリュー医師は指摘する。「集中力を持続させなければ、読んだり聞いたりしたことを簡単に忘れてしまうのです」。
イライラする
夕食のおかわりをすべきではなかったかもしれない。しかし、夜の間に消化されるのはその日食べたカルボナーラだけではない。「夢は、レム睡眠中に私たちの無意識を排出するための重要なバルブです」と生体リズム学者のクレール・ルコントは説明する。眠りの最中、この消化作業は大きく妨げられる可能性がある。「感情の自己制御は私たちの健康な状態に依存しています」とクレール・ルコント氏は断言する。「睡眠から得られる健康な状態がないと、感受性も攻撃性もすべてが過剰になります。」
(1) フィリップ・ボリュー医師は、オリヴィエ・パランカ博士との共著『Dormir sans médocs ni tisanes (Marabout刊)』(192ページ、19.90ユーロ)の著者である。
text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi