パリのビストロオーナーが伝授!レストランの良し悪しを見分けるポイント。

Lifestyle 2024.03.03

無個性なメニュー、だらしないスタッフ、汚れた窓ガラス......中に入らなくても、どんなレストランなのか想像がつくというもの。パリのビストロのオーナーシェフがレストランの良し悪しを見分けるポイントを伝授!

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店もスタッフもだらしない感じだったら避けた方が賢明。photography : Nikada / Getty Images

旅先でたまたま入ったレストランが美味しくて、雰囲気も良ければ最高だ。でも期待外れでがっかりということも。そこでちゃんとしたレストランを見分けるポイントを、フランスレストラン経営者協会(AFMR)(1)会長でパリのビストロ、「ル・メチュレ」(2)のオーナーシェフ、アラン・フォンテーヌに教わった。

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レストランのジャンル

「看板に"サンドイッチ・カフェ・レストラン"などと幅広いジャンルを掲げている場合、用心した方がいい。そうした店はなんでも出すが、美味しくないことが多い」とアランは言う。ブラッスリーなのかビストロなのか、イタリア料理なのか日本料理なのか。ジャンルは明確な方が安心だ。

料理の値段が妥当かどうかもポイントだ。「庶民的なビストロやオーベルジュなのに、ひと皿30ユーロ(おおよそ4,500円)と、店の雰囲気に似つかわしくない値段の料理があるのは良くない兆候だ。客の期待と店が提供する内容が合っていない」とアラン。

店の外観

どんな店なのかが明確になったところで店の外観を眺めてみよう。「看板の照明が切れていたり、窓ガラスが汚れていたり、壊れた備品があったりしないかだろうか。こうした要素は店を評価する指標となる」とアランは言う。さらに表のメニューボードもチェックするといい。「紙に書いたメニューがプラスチック版にはさまれて置かれているだけ、という場合、季節はおかまいなしに、常時同じメニューが提供されている可能性が高い」とのこと。ではどんなものであればいいのだろう?「清潔で手入れがいきとどいた」黒板スタンドをアランは推奨した。

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メニューの内容

思い切って店に入る前に、表に置いてあるメニューの内容も吟味しよう。「あまりにもメニューが多い場合、厨房でちゃんと料理を作っておらず、"袋の封を切る"作業だけをしている可能性がある。本来ならば手間暇かかる伝統料理をたくさん並べている場合は特に要注意だ」とアラン。もうひとつ、「どこにでもあるような定番メニューばかり並んでいるのも、料理に創意工夫がない証拠とも言える」ので、あまり期待できない店ということになる。

サービススタッフ

「サービススタッフはとても重要な要素だ。ゆったりと食事をする際、彼らが立役者となるからだ」とアラン。スタッフの態度や服装は多くを物語る。「汚れた手、疲れた表情、シミのついた靴などは直ちにチェックすべき」だ。もっとも、混同してはならないのは「ジーンズにタトゥーやピアス、髭のスタッフであっても、プロ意識のない、だめなスタッフかどうかとは別問題」という点だ。料理について質問をしても「わかりません」としか答えないスタッフの方が要注意だ。

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メニューブック

入店後、出てくるメニューブックが清潔かどうかもチェックポイントだ。「メニューというのは小説のようなもの。ひとつのストーリーを語り、そのレストランの雰囲気に入りこませる役割を担う。革のメニューホルダーに何枚かの紙がぞんざいに放りこまれているだけというのはあまり良い兆候ではないし、汚れや破れがあったら」最悪だ。

汚いトイレ

言うまでもないが、汚い店は悪い兆候でしかない。「テーブルは清潔か、きちんとテーブルセッティングされているかはひと目でわかるはず」とアラン。食器に石灰分の跡が残っていたり、グラスに口紅がついていたり、塩入れに胡椒が紛れこんでいたり。さらに「トイレが清潔かも大きなポイント」とのこと。

これからはこうした点をじっくり吟味してからお店に入ろう。

Association française des maîtres restaurateurs
フランスレストラン経営者協会(AFMR)
5 rue du Chevalier de Saint-George, 75008 Paris.
tel:+33-(0)1-73-04-99-98
https://www.maitresrestaurateurs.fr/
Le Mesturet
ル・メチュレ
77 rue de Richelieu, 75002 Paris.
tel:+33-(0)1-42-97-40-68
https://www.lemesturet.com/

text : Alexandra Marchand (madame.lefigaro.fr)

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