寝たのに疲れている......専門家が指摘する4つの原因とは?
Lifestyle 2024.09.27
あなたは夜、きちんと眠れている? フランスの睡眠専門医、フィリップ・ボーリューによる、良質な眠りを得るためのアドバイス。
良い睡眠のための4つのアドバイス。photography: miniseries / Getty Images
いつも起きた時から疲れているから、寝だめのできる週末が待ち遠しい? でもそれは根本的な解決にならない。それより睡眠の質を高める方法を探した方がいい。あなたはぐっすり眠っているだろうか。寝ている間に人間の体は肉体的精神的に回復する。疲れが取れて昼間、元気に活動できるのならあなたの睡眠は良い睡眠だ。でも具体的にはどうすればそうなれるのだろうか。
睡眠時間は足りているか
疲労が回復するには、体が必要とする睡眠時間を確保することが不可欠だ。睡眠専門医のフィリップ・ボーリューは、「成人が必要とする睡眠時間は平均で7.5時間と言われています。ところがフランス人の睡眠時間は6.42時間しかありません。つまり、フランス人の睡眠時間は足りていないのです」と語る。ただし最適な睡眠時間には個人差がある。必要とする睡眠時間が確保できないと、寝ても疲労が回復せず、肉体的にも精神的にもダメージを受ける。
自分が必要とする睡眠時間を確認するには睡眠日誌をつけてみるといい。たとえばフランスで睡眠障害に関わる医療関係者ネットワーク、「モルフェ・ネットワーク」で提供しているような表だ。やり方はシンプルで、最低でも2週間、できれば1ヶ月間、週末も含めて毎日、就寝時間と入眠時間、起床時間を記録する。こうしてあなたの現在の平均睡眠時間や体内時計が眠りに入る時間がわかる。疲労回復のために必要な睡眠時間を知りたい場合は、就寝時と起床時、日中の体調も記録しよう。
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睡眠環境は整っているか
睡眠の質は環境にも左右される。寝室の温度、明るさ、騒音が3つの要因だ。「入眠時に身体温度は1.5℃下がります。だから24℃の部屋よりも17℃や18℃の部屋で眠る方が良いでしょう」とフィリップ・ボーリュー医師は語る。就寝時間が近づいたら照明も暗くした方がいい。光は一般に「睡眠ホルモン」として知られるメラトニンの生成を妨げるからだ。さらにできるだけ静かな環境が望ましい。騒音があると、たとえ目覚めなくても脳は覚醒し、睡眠による疲労回復を妨げる。
体内時計は狂っていないか
「脳内にある体内時計は体の生理機能のリズムを司っています」とフィリップ・ボーリュー医師は言う。ほとんどの人の体内時計は正しく機能している。だが時計が狂わないように適切なシグナルを与える必要がある。具体的には起床時間を守ることだ。そうすれば就寝時間もこれに伴って決まる。毎朝同じ時間に起きること。起きたら体を動かし、光を浴びて覚醒シグナルを強める。逆に夕方には光量も刺激も減らして体に眠る時間が近づいたことを知らせる。そうすれば体内時計は狂わない。
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眠れない時には
夜中に目が覚め、なかなか寝付けないと、色々な考えが頭に浮かぶ。「そのような状態になると気がたかぶって神経がぴりぴりしてきます。つまり、眠るのとは真逆の状態です。だからゆったりと構えて警戒心を緩めましょう」
具体的には、時計を見て睡眠時間が足りないと気をもんだりしない。それよりも読書でもしてみよう。そのうち眠くなってくるはずだ。もちろん、寝られない状態が常態化して生活に支障が出るレベルになったら、専門家に相談するべきだ。
text: Carla Buonavia (madame.lefigaro.fr)