SNS世代の子どもたちがサンタさんにお願いした「驚愕のプレゼント」とは?
Lifestyle 2024.11.30
デジタル時代の子どもたちがクリスマスに欲しがるプレゼントは、どうやら大人顔負けの内容のようだ。
ルイ・ヴィトンの財布、UGG(アグ)のショートブーツのクラシック ウルトラ ミニ(170ユーロ)、ボディやフェイス用のスキンケア製品各種。これはファッション・インフルエンサーが最近買ったものリスト?いやいや、8歳から14歳の子どもたちが2024年、サンタさんにお願いしているプレゼントリストだ。何週間も前からTikTokでは多くの母親たちが、12月25日の朝、クリスマスプレゼントとして子どもが何を欲しがっているかのリストをシェアしている。バービー人形でもリモコンカーでもない。今シーズン、子どもたちが欲しがっているのは大人向けの高級品だ。「今のローティーンときたら、30代みたい」と、ある母親は動画のコメントで嘆いた。
@yecatseht Replying to @Breanna original sound - Stacey
アメリカ女性のステイシーが11歳の娘のウィッシュリストを公開した動画は436,000回以上再生された。リストには、アメリカの人気ジュエリーブランド、ケンドラ・スコットのネックレス&ブレスレット&イヤリング、600ドルのダイソンのカールアイロン、マニキュアキットが含まれている。さらに110ドルのビルケンシュトックの靴、118ドルのルルレモンのスポーツジャケットも。「娘が欲しがっていたディオールのクラッチバッグの値段を、夫は200ドルだと思いこんでいた。実際は2,000ドルだった」と、動画のコメント欄に別な母親が書きこんでいる。
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お金の価値
「14歳の息子の欲しいものがスクイッシュマロウ(バークシャー・ハサウェイ社が販売している、TikTokで人気のぬいぐるみ)だったらと内心期待していたのですが、残念ながらアップルのコンピューターでした」とグチをこぼす母親もいた。こうした状況に苛立つ母親からのコメントもあった。「子どもたちにお金の大切さを教えるべきです。私自身は100ドル以上するものをねだったことはありません。仮に口にしたとしても、ちょっとしたプレゼントをもらえるだけだとわかってました。両親には子ども1人あたりの予算があることを知ってましたから」
@inkedmommy252 Not as bad as last year! #christmas #christmaslist #viral #christmastiktok #lululemon #sephora #ulta #uggslippers #kendrascott @UGG® @sephora @Ulta Beauty @Kendra Scott #kidsoftiktok #daughter #fyp ♬ ジングル・ベル・ロック - ボビー・ヘルムズ
米国出身のカーリーの状況も他の母親と変わりはない。8歳の娘はクリスマスにバービー人形とぬいぐるみに加えてスキンケア化粧品、ルルレモンのベルトバッグ、さらにはTikTokやインスタグラムのインフルエンサーの間で流行している、スタンレーのステンレス真空ボトルを欲しがっている。
iPadキッズ世代
こうした状況はデジタル時代ならではと言えよう。ペアレンタルコントロールソフトウェアメーカーのQustodioが、世界中の約40万世帯を対象に行った調査によるとSNSに関し、7歳から9歳の子どもの31%がXに、28%がRedditに、26%がFacebookにアクセスしているという。同調査によると2023年、世界の子どもたちがTikTokに費やした1日の時間は1時間52分に達している。イギリスでは2時間以上も費やしている。フランスで2023年に最も人気のあったSNSはTikTokで、利用者の50%は18歳未満だ。つまり、子どもたちはTikTokで絶え間なく流れてくる大小各種トレンドにひっきりなしにさらされ、影響を受けている。TikTokでルルレモンのスポーツウェアが着心地が良いということでインフルエンサーの人気を集めた結果、同ブランドは10年以上前から米国で大人気だ。そして2020年のコロナ禍以降はフランスでもじわじわと人気が高まっている。
子どもたちがクリスマスに高級ブランド品を欲しがるのもある意味当然だ。ほとんどのブランドがTikTokアカウントを持ち、ファッションショーの動画が数分間で世界中に拡散する時代なのだ。ウェブとSNSのモニタリング会社、Visibrainのデータによると、SNS上で高級ブランドに関するメッセージ発信は2022年に1億3,000万件、2023年には1億7,600万件以上あった。昨年、2023年の段階で子どもたちはすでにクリスマスプレゼントとしてグッチやエルメス、「お金をたくさん」欲しがるようになっていた。親としては、子どもがネットを見る時間を制限するか、あるいは......プレゼント費用をせっせと貯めるかしかないようだ。それも今からすぐに。
From madameFIGARO.fr
text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr)