「大丈夫」「元気を出して」はNG? 相手を励ましたい時に、避けるべき10の言葉とは?
Lifestyle 2025.02.18
落ち込んでいたり、悪い状況にある人を慰めることは簡単ではない。状況を悪化させないためには、言わないほうが良い言葉もある。
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「大丈夫だよ」、「わかるよ」......。苦しんでいる人を元気づけるような言葉を見つけるのは、難しいこと。2月5日付の「サイコロジー・トゥデイ」誌で、医療政策・経営を専門にする米国人教授ブルース・Y・リーは、「共感し、励ますことに定型の決まり文句はない」と強調する。こうした表現は、ときに相手に「わかってもらえない」と捉えられたり、不快感を与えたりする。失敗を防ぐために、誰かを慰めたい時には注意して「避けるべき」10のフレーズを紹介しよう。
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「元気を出して」
困難な状況にある人をこのフレーズで励まそうとしていたら、それは間違いかもしれない。「この言葉は、現実的な支えにはなりません」とリーは言う。それどころか「立ち上がれ」、「目を覚ませ」といった命令のように受け取られ、相手が弱っていることを暗に指摘するだけだ。そうではなく、具体的なサポートの姿勢を見せよう。
「大丈夫、うまくいくよ」
善意と楽観主義に満ちたこの言葉は、より良い未来への希望を抱かせ、安心させるために口に出す。だが、誰も未来を予測することはできないのも事実。「うまくいく」と断言することは、「偽りの希望と保証」になるだけだとリーは指摘する。もっと現実的な、事実に基づいた態度をとるほうが良いだろう。
「すべてのことには理由がある」
これを言ってしまうと、まるで「自業自得」と言っているようなものだ。苦しんでいる人に罪悪感を抱かせないためには、「いまは苦しくても、いつか良かったと思えるかもしれない」と思い出させ、少し距離をとるようアドバイスするのが良いだろう。
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「気にしないで、楽しくいこうよ」
この言葉は、悩んでいる人に「自分は幸せだ、楽しい」と思い込ませ、本当の感情をカモフラージュさせる。リーは、常に物事の良い面ばかり見ることは「感情を否定すること」だと指摘する。「元気を出してよ」と言う代わりに、その人が本当に幸せな気持ちになったり、気分が良くなるような行動をとったり、本人に何がしたいかを聞こう。
「その気持ち、わかるよ」
これもまた、断言はできないことだ。「人生は人それぞれ違う。同じような状況であっても、結果が同じとは限らない」とリーは説明する。もし、同じような経験をした人を慰めたいのであれば、自分の見解を述べつつも、「その影響や感情は違うかもしれないけれど」と前置きすべきだ。
「誰々も同じような経験をしてたよ」
これもまた、実際に悩んでいる人の気持ちを押しつぶす言葉だ。「逆効果になり、状況をありふれたものにしてしまう可能性があります」
「数日(数週間、数カ月)で終わるよ」
誰も将来起こることは予言できない。この言葉は相手に偽りの希望を与え、「その期間までに問題を解決しなくてはならないというプレッシャー」も与えることになる。これを避けるためには、「いつまでも変わらないものはない」ことを強調すべきだ。状況は時とともに変化するものだ。
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「もっと大変な人もいるんだから」
これでは、慰めるべき人の苦労を勝手に小さくしていることになる。「誰かに希望を感じさせ、楽観視させることは、その人に他人と比較させることとは違うことです」とリーは指摘する。
「あなたは繊細すぎる」
この言い方は、「ガスライティング」の典型的な例だろう。ガスライティングとは「人に、自分の現実に疑問を抱かせるもの」だという。「その人の感情や経験を、大したことないものだと最小化し、遠ざけることは、すべてガスライティングとみなされます」。その代わり、あなたの親しい人が経験した気持ちを認め、理解しようと努めるほうが良い。話を聞くだけで痛みが和らぐこともよくある。
「あなたはこうすべき」
「〜すべき」という言葉は、アドバイスというより命令のように聞こえる。これを避けるためには、「参考になるかわからないけど」というような言い回しにしてみよう。悩んでいる人は、必ずしもアドバイスを必要としているわけではなく、ただ話を聞いてほしいだけのこともある。そういう人たちを力づけるためには、その場にいて話を聞くだけで充分だ。そしてただ、こう聞けばいい。「私にできることはある?」と。
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この記事は、madameFIGARO.frで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
text: Shapnam Mougammadou (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa