ヌーディストビーチはどんなところ?「15分もいれば自分も周りも全裸なのを忘れる」
Lifestyle 2025.03.29
ナチュリスト(ヌーディスト)は、全裸のまま服を着ているのと同じように過ごす裸体主義を実践している人々を指す。20世紀初頭からヨーロッパの国々を中心に広まったこの運動は、現在も多くの実践者を擁している。欧米には専用ビーチなどナチュリスト施設が数多く存在し、夏の休暇を中心に、多くの人々が裸体でのバカンスを楽しんでいる。
少し古い記事であるが、2014年の英テレグラフによると、ナチュリスト施設に最も行ったことがあるのはドイツ人とオーストリア人で、なんと28%もの人々が経験者だという。以下ノルウェー人(18%)、スペイン人(17%)、オーストラリア人(17%)、ニュージーランド人(16 %) と続くが、日本人はわずか2%と最下位だ。日本人には馴染みのない、ナチュリスト専用施設とは一体どんな場所なのか? 英デイリーメールがフランスのナチュリストリゾートの体験レポートからご紹介する。
太陽と海のナチュリスト天国
記事で取り上げられたのは、フランス南西部メドック地方、北大西洋に面したヴァンデ=モンタリヴェにあるCHMモンタリヴェというリゾート施設だ。ワインで有名なボルドーから車で1時間ほどの場所にあり、200ヘクタールの敷地面積を誇る。CHMは「Centre Hélio-Marin」の略で、太陽と海の中心という意味になる。世界初のナチュリスト向けリゾートとして1950年に設立された歴史ある施設だ。
その一番の特徴はもちろん、天候が許す限り、共用施設では裸になることが義務付けられていることだ。敷地内にはよく整備されたキャンプ場や宿泊施設、レストランやバーに美容室、焼きたてのパンや地元産のワインとチーズなどを購入できるマーケット、そしてもちろんプールやビーチもあり、多くのナチュリストが全裸の開放感を楽しんでいる。レポーターのアンドリュー・ウェルチによると、CHMモンタリヴェでは「どこでも服を着る必要はない」という。裸で仕事をしているスタッフまでいたというから驚きだ。
しかし、いつでもどこでも全裸でいる必要はなく、たとえばディナーの時にはドレスアップを楽しんでも良い。ここには初心者でも服を脱ぎやすい雰囲気があるといい、「15分もいれば、自分が裸であることも、周りの人が裸であることも忘れてしまうだろう」とアンドリューは述べる。
※CHMモンタリヴェは2025/4/4にリニューアルオープン予定
ナチュリストの守るべきルール
ナチュリストにもルールがあり、当たり前のことだが、他人の体(特に胸や局部など)をジロジロ見てはいけない。話す時は相手の顔を見て、敬意を払って接しなければならない。裸体は自然でごく当たり前のものと考えるのがナチュリストだ。
他人の全裸を見放題、セックスし放題と勘違いしてナチュリストコミュニティに入り込む不届者も多いという。だが、その多くは不審な言動で周囲から浮いてしまい、すぐに排除されるという。他人から不愉快な視線を送られている状態ではリラックスなどありえない。欧米に多くの女性ナチュリストがいるのは、不審者を排除できる厳格なルールが徹底されているからなのだろう。
アンドリューは「ナチュリストの休暇は、最も平和でリラックスできるもののひとつ」だと述べている。多くの人々がここでの経験の後、ナチュリストの道を進むようになったという。残念ながら日本国内にナチュリスト向けの施設はないが、欧米には数多くの施設がある。興味があれば、一歩足を踏み出してみるのも一興だろう。
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CHMモンタリヴェの様子
text: Izuki Yoshii