言葉を手放す「1DAYサイレンス」に挑戦しよう。【心と思考をリセットする、大人のためのホームワーク vol.2】
Lifestyle 2025.09.05
猛暑から解放され、ひと息つけそうな秋の始まり。何も予定を入れない時間をあえて作って、心や思考をリセットする「大人のホームワーク」にトライしてみませんか?
第2回は、意識的に静かな時間をつくる「1DAYサイレンス」の過ごし方を紹介。
デジタルデバイスはオフに、心と頭を整理する。
情報過多の現代は、朝起きてから寝る直前までスマホとにらめっこして、ニュースやSNSを追いかけたり、動画を視聴したりと、目も脳も常にフル稼働!
「そんな生活習慣や思考をリセットしたいと感じたなら、まずは"サイレンス"を味わう日を過ごしてみませんか?」とすすめてくれたのは、メイクアップアーティストで、瞑想やヨガの学びを深めているMichiruさん。
「習慣を変えることはなかなか難しい。本格的に取り組むならば、日常と切り離された自然の中に身を置くのがおすすめですが、まずは1日だけでもデバイスをオフにし、いったん言葉を手放すだけでも、頭の中が整理され、必要なものを選び取る力が高まるはずです」
外の情報に注意散漫にならず、自分だけに集中する"意識的な沈黙"を行うことは、思考の整理や感情の浄化、ストレス軽減に繋がり、自律神経を整える一助にも。夏の疲れた心と身体のために、休日の"1DAYサイレンス"でリセットしましょう。

渡仏・渡米を経て、ファッション誌や広告、女優などのメイクを手がけ、化粧品の開発などにも携わる。フィガロジャポンのボーテスターとしても活躍し、セルフイメージを変えるメイクレッスンや、インナービューティを体現するライフスタイルも注目の的。ヨガ、瞑想への造詣も深く、RYT300を学び中。
<1DAYサイレンスのルール>
「何かをする」のではなく、「何もしない時間に委ねる」ことがサイレンスの本質です。
・スマホ、PC、TV、音楽はすべてOFFに(アラーム利用はOK)
・言葉を発さない、文章を書かない(必要なら筆談かメモのみ)
・外からの刺激をなるべく受けない場所で行う
※初めて行う時に不安や退屈を感じるのは自然な反応であると理解しましょう。
※家族やほかの誰かがいる場所で行う場合は、前もってルールを伝えておきましょう。
<Michiruさんの1DAYサイレンスの過ごし方>
▶7:00 起床
音のない静かな部屋で目を覚まし、白湯をゆっくり味わいます。洗顔、歯磨きなどは静かに丁寧に。自分の行動に意識を向けて。
▶7:30〜8:30 軽いヨガ・ストレッチ、呼吸法
ヨガの太陽礼拝など、やさしい動きを呼吸とともに行い、ナディショーダナ(片鼻呼吸)やウジャイ呼吸(喉を締める呼吸法)で、心を鎮めます。
▶8:30〜9:00 瞑想
呼吸に意識を向け、思考が浮かんだら、ただ流していきましょう。
▶9:00〜10:00 朝食
お粥や蒸し野菜、果物など、手作りの身体にやさしい食事をよく噛み、香りや温かさに気付きながらいただきます。
▶10:00〜11:00 ジャーナリング(沈黙中の自己観察)
感じること、思考、気付きなど浮かんできたワードを手書きで記録。
▶11:00〜12:00 庭や自然での散歩(ウォーキング・メディテーション)
一歩一歩を丁寧に、周囲の音や風、匂いに注意を向けます。
▶12:00〜13:00 昼食
温野菜、スープなど消化にやさしいものをとる。
▶13:00〜14:00 ヨガニードラ or 仰向けでの休息
身体の感覚を観察しながら深いリラックスへ。
▶14:00〜16:00 読書(内面に向かう本) or 自由時間
手に取るのは、思考への刺激が少ない哲学書、詩、スピリチュアルな書籍など。もしくはボーッと窓の外を眺めたり、何もしない時間を味わいます。
▶16:00〜17:00 再びジャーナリング
ハーブティーをいれ、午後の心の変化や気付きを自由にメモ。
▶17:00〜18:00 瞑想
1日の沈黙に感謝し、心に浮かぶものをそのまま感じる。
▶18:00以降 夕食をとり静かに過ごす
明るい照明はつけずに、キャンドルの光や間接照明で、夜はより内省モードに。就寝前は無理に何かをせず、自然に眠りへと向かいます。
---fadeinpager---
日常生活にサイレンスタイムを。
丸一日をサイレンスで過ごすことが難しい人は、一日のうち何度かサイレンスタイムを設けるのもひとつの方法。スマホを手元から遠ざけて、声を出さない時間を味わって。
・朝のサイレンスタイム(5〜30分)
起床後すぐには話さず、スマホも見ずに、静かな時間を過ごしましょう。
白湯を飲む、ヨガや呼吸法、瞑想をするのにも最適な時間です。
意識的に「音」から自分を遠ざけることがポイント。
・食事中のマインドフルイーティング
話をせずに食事することで、食べ物への感謝、味や香りへの気付きが深まります。
よく噛む、香りを楽しむ、五感で味わうことで内なる満足感が広がります。
過食、ストレス食いの悪循環をストップさせる効果も。
・寝る前のサイレンスタイム
21時以降は言葉を使わず、ノートに書くかジェスチャーで過ごす時間にする。
頭に浮かんだ思考をノートに書き出す「沈黙ジャーナリング」もおすすめ。
現代は常に音、言葉、情報であふれているため、サイレンスは「意識的な余白」や「心の空間」を生み出す行為。それが結果的に集中力、創造性、回復力などさまざまな力を高めてくれます。
習慣化してきたら、山や海など自然に囲まれた場所でのサイレンスリトリートにもぜひ挑戦を!