あなたは言えてる? 精神的に強い人が「困難な時」に言い聞かせる5つのフレーズ。
Lifestyle 2025.12.30

人生には浮き沈みがつきもの。だが、逆風のなかで頑張り続けるのもなかなかしんどかったりする。もうダメだとマイナス感情が先走ってしまうかもしれない。そんな場合にも冷静に自制心を保つにはどうしたらいいのだろう。

『The Mentally Strong Leader(メンタルが強いリーダー)』の著者で講演者やトレーナーとしても活躍するスコット・マウツによれば、メンタルが強くなるにはいくつかのキーワードが効果的なのだそうだ。photography: Getty Images
困難に直面してすぐに諦めてしまう人と、なんとか頑張ろうと踏ん張る人がいる。その違いはメンタル、精神力にある。『The Mentally Strong Leader(メンタルが強いリーダー)』の著者で講演者やトレーナーとしても活躍するスコット・マウツによれば、困った状況に陥ったときにどう対処するかにより、人生を幸せに過ごせるかどうかの差がつくそうだ。自分の感情や思考を暴走させず、ささやかな幸せを敏感に感じ取り、冷静な決断を下し、どんな時にも「くじけずに頑張る」ことができればいいのだが、そうなるには一体どうしたらいいのだろう。ニュース専門放送局CNBCの取材に応じた著者スコット・マウツは、ネガティブな感情に立ち向かう力を育むには、次の5つのフレーズを心に留めておくべしと語った。
完璧な人なんていやしない
実際、日々の生活や人間関係において、私たちは常に不完全な存在ではなかろうか。日本的な「侘び寂び」の世界では不完全さや儚さこそが大切と説く。この考えに感銘を受けた著者は自分の欠点や不安な気持ち、これまでの人生の失敗をまずは受け入れようと説く。「こんなはずじゃなかったという思いを捨て、いまの人生を肯定することで気持ちが前向きになります」と言う。人生の回り道をしても、そこから学んだことが逆境を乗り越える力を与えてくれる。そういえば「完璧は善の敵」なんて格言もあった(訳注:フランスの哲学者、ヴォルテールの言葉)。
悪いことはたまたま起きただけ
「大切なのは、悪いことが起きても自分の人生が終わりであるかのように悲観しないことです」と著者は言う。認知行動療法のABC理論(人生の出来事をどう受け止めるかによって人の行動や感情は変化するという理論)に基づくと、困難な状況だけが人を不幸にするのではなく、他の要因も影響してくる。悪いことが起きても気持ちを切り替えればその後の人生に影響しないケースは意外に多い。
ないものを嘆くより、あるものに目を向けよう
楽観主義は学び、育むことができる。まずは現状に感謝の気持ちを持つことだ。著者によれば、自分に足りないもの、なくしたものを嘆くよりも今あるものに気持ちを向けることがプラスに働くというハーバード大学の研究結果があるそうだ。苦しい時でも感謝の気持ちを忘れないことが幸福感を増し、ストレスを軽減する。
時にはあるがままに任せる
積極的な行動をおこさないことで脳を休め、感情を解放し、エネルギーを充電することができる。注意すべきはこれが決して諦めたり放棄、降参することを意味しないということだ。自分の感情を受け入れ、認めつつも、感情に流されないようにすること。「あるがままに任せる」ことで、自分の問題点を認識しながら、建設的な姿勢を持ち続けることだ。
物事は俯瞰せよ、しかし歩みは着実に
この言葉は、2つの意味を含んでいる。まず、問題に対処するには一歩引いて見ることが重要だ。プロジェクトを立ち上げて、資金面の不安を感じているとしよう。確かに不安だろう。だが長期的な視点に立ち、最終目標と成功した結果を想像してみよう。俯瞰して見ることで、どう障害を乗り越えられるかわかってくる。一方で、日々の努力を積み重ねることも大切だ。そうすることで少しずつ前進し、目標に到達できるだろう。
From madameFIGARO.fr
text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)






