【大人が心地いい韓国ソウル旅】 露瀣(ロヘ)Seoulにて、朝鮮王朝から続く茶文化を体験。
Lifestyle 2026.02.20
韓国における茶道の伝統を受け継ぐ血筋に生まれた店主が手がける、ソウルの露瀣Seoul。朝鮮王朝から続く茶文化を今に伝える本サロンは、時代を映す清らかな空間に仕立てられている。伝統を守り続ける美学とともに、贅沢な茶の体験をご紹介。
朝鮮王朝から続く茶の文化を伝える、清らかな空間。
露瀣Seoul
ロヘソウル/로해서울
[ 三成洞 ]
昔むかし朝鮮王朝の時代、高貴な身分の人物が旅に出た。果たして幸せに暮らすために大切なこととは? 自然と共鳴して生きること、心を無にすること――そんな気付きを旅で得た。この哲学と響き合ったのが「茶」の文化だった。朝鮮王朝の学者で小説家の金時習の子孫であり、韓国における茶道の伝統を受け継ぐ血筋に生まれたキム・ドンヒョン店主が開いたサロンでは、彼が淹れる茶を味わいながら茶文化の教養を愉しめる。
入って最初に目にするのはボンチャンと呼ばれる小さな窓やアースカラーの壁だ。内装は朝鮮王朝時代の市井の人々の家屋のイメージにしており、落ち着いた空間に仕上げることを目指したと言う。「慎ましい暮らしと茶文化の関係を表現するために、あえて白い壁にはしなかったのです。藻や麻を練り込み、壁の風合いを出しました」(キム店主)
家具やオブジェも、代々受け継がれてきた骨董や祖先が記した書物、祖父が手作りした木製の蝋燭立てなど、人の手の温もりと時が育んできたものばかり。そんな清らかな気が流れる場に客人は迎え入れられ、ゆるりとなじんでいく。
空間を堪能してから始まるティーセレモニーでは3種のお茶と、自家製の菓子が供される。シグネチャーの2種は茶の名所である河東(ハドン)で作ったチャクソル茶。日本の緑茶に似ているのが蘭のような華やかな香りが特徴だ。このチャクソル茶を茶葉の発酵状態や淹れ方を変えてサーブする。最初に出される茶は発酵させていない状態で、もうひとつは発酵させて苦味を抑えまろやかさを出して。
茶の知識を聞きながら目の前で淹れたばかりを味わう贅沢な時間。茶を淹れるキム店主のしなやかな動きもさることながら、アンティークの急須や火鉢、火種の炭までも韓国内で手配し、伝統の淹れ方を守る美学に驚く。全羅道(ルラド)の椿の木の炭を使うことも、あくまで茶にまつわるものへのこだわりを貫いているゆえ。3つ目は季節を感じさせるお茶。秋は金木犀の香りをつけた紅茶を、冬は柚子を煮て皮の中に茶葉を詰めて香りづけした柚子熟茶を。旬の食材をお膳に上げるように、茶も季節感を十全に堪能してほしいという思いからだそう。
店名の露瀣について「露はお茶を表し、瀣は活力を与えるという意味です」とキム店主が教えてくれた。これは店主のペンネームでもある。訪れた客も、ここで澄みきったエネルギーを得られるに違いない。
ロヘソウル
로해서울
서울시강남구영동대로129길20
20 Yeongdong-daero 129-gil,Gangnam-gu, Seoul
Ⓜ 清潭(729)2番出口
営)13:00〜17:00最終入店(木、金)10:00〜14:00最終入店(土)
休)日、月〜水、祝
●茶3種+ チョコレートのコース50,000ウォン
※茶 1種のみは 26,000 ウォン 要予約
@rohae.seoul
●100ウォン=約11円(2026年1月現在)
●日本から電話をかける場合、国番号82の後、掲載表記どおりにかけてください。韓国国内でかける場合は掲載表記どおりにかけてください。
●データ欄のⓂは地下鉄、Ⓐは空港鉄道AʼREXの駅を指します。駅名直後の(数字)は地下鉄の切符を購入する際に販売機に打ち込んで行先を示す番号です。
●商品・料理・サービスの価格は、表示価格とは別にサービスチャージがかかる場合があります。
●取材先の営業時間、定休日、料理や価格などは、取材時から変更になることがございます。ご了承ください。
●旧正月・旧盆は毎年日付が変動するため、店によって定休日が変動する可能性があります。事前に店舗にご確認ください。
●店名、施設名は韓国国内で伝わりやすい読み仮名で記載しています。
*「フィガロジャポン」2026年2月号より抜粋
photography: Maho Kurita, coordination: Ja-Kyung Jung, 協賛:韓国観光公社(@kto.japan)




