女のためのTOKYOバー案内。 #02 専門店でこそ、真髄がわかるお酒がある。
Gourmet 2016.06.29
ワインや日本酒、ベルギービールなど、専門店ならではのこだわりのセレクションと、そのお酒に合う料理のマリアージュを楽しんで。
恵比寿「ジェム・バイ・モト」
【日本酒】
飲みごろを見極めた出合いの盃が、蔵元とゲストを結ぶ。
やわらかな印象の店内は「気軽に訪れてほしい」という店長、千葉麻里絵さんの想いゆえ。「ゲストと日本酒との最高の出合いを作りたい。ここでの1杯が、その人の人生を変えるかもしれないから」と全身全霊で理想の日本酒バー作りに挑む。蔵元と真摯に向き合って選んだ日本酒は、飲食店では随一の-5℃の氷温庫で300種ほど管理。千葉さんが提供する時機を見極めた日本酒は、造り手でさえ知らなかった魅力を引き出す。店オリジナルの酒が誕生したのも、その信頼関係あってこそ。蔵元と飲み手の両者を、見事につないでくれる。
左から、シェリー樽で熟成させた「木戸泉 2011 アフルージュ マ・シェリ」1杯¥1,300、艶っぽい甘さの「新政 生成(エクリュ)2014」1杯¥750、岩手は遠野の「どぶろく 水もと」¥700
手前から、「桜エビとフキノトウのかき揚げ」¥800、黒オリーブが利いた「初ガツオのタルタル」¥800。日本酒は1杯¥600~¥3,500まで用意する。
冷蔵庫には4合瓶がずらりと並ぶ。秋田の新政酒造や仙禽など、現在25の蔵から仕入れる。
千葉さんこだわりのカウンターはコの字に。
東京都渋谷区恵比寿1-30-9 1F
Tel.03-6455-6998
営)17時~23時30分L.O.(火~金) 13時~20時30分(土、日、祝)
休)月
13席
*『フィガロジャポン』2016年6月号より抜粋
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ワインや日本酒、ベルギービールなど、専門店ならではのこだわりのセレクションと、そのお酒に合う料理のマリアージュを楽しんで。
銀座「ラ・リュシオール」
【ワイン】
炭火肉とブルゴーニュを味わう、大人の隠れ家。
とある銀座のビルの2階。看板もない、非常扉のようなドアを開けた先に「ラ・リュシオール」はある。この特別な空間では「美食の最終地点」のコンセプトのもと、ブルゴーニュとシャンパーニュをメインに据える。その繊細な味わいゆえ、難易度の高いマリアージュを実現してくれるのがソムリエの小林園恵さんと松本恵伊知シェフをはじめとするスタッフ。休ませつつ、絶妙な加減で炭火で焼く和牛は、ほどよい香ばしさを纏い、ワインにしっとり寄り添う。
200種以上のワインを揃える中、9割をブルゴーニュが占める。
溶けるような食感とフォアグラの風味がたまらない「馬肉とフォアグラのカルパッチョ」¥2,160。合わせるワインは「シャブリ・プルミエ・クリュ」グラス¥1,620。丸みがあるやわらかな飲み心地のため、スルスルと飲み切ってしまいそう。
結城美栄子さんのオブジェが独特の雰囲気を作り出す。
東京都中央区銀座5-11-13 幸田ビル2F
Tel.03-5565-5686
営)18時~23時L.O.
休)土、日、祝
23席
http://laluciole.jp
*『フィガロジャポン』2016年6月号より抜粋
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ワインや日本酒、ベルギービールなど、専門店ならではのこだわりのセレクションと、そのお酒に合う料理のマリアージュを楽しんで。
三田「コム・ラ・グーズ」
【ビール】
飲み方にも注目! ベルギービールの味わい方。
野生酵母で自然発酵させたランビックビールにサクランボを漬け込んだ「モール・シュビット・クリーク」375㎖¥2,160。ボトル下部は酵母がたまって濃厚だが、上部は澄んだ味のため、グラスを分けて提供する。
ベルギービールは右3本の330㎖が標準サイズ。大容量タイプは品質保持のために紙で巻かれているものも。中央の「レフ・ネクター」はハチミツのような香りの修道院ビール。
豚肩ロースのひき肉をグーズビールに漬けて腸詰めにした「自家製グーズソーセージ」¥1296。ビールはホップの苦みとモルトの甘みのバランスがよい「ポプリングス・ホメル」250㎖¥1026
ワインのような酸味を持つ「ランビック」や、モルトの味がしっかりとある「トラピスト」、小麦を多く配合して醸造する「ホワイト」など、さまざまなタイプを80種類以上揃えるベルギービール専門店。2~3年熟成させたビールと若いビールを合わせて造るランビックの1種「グーズ」を店名に用いたオーナーは、「このビールのように新旧混合の味わいのある店を作りたい」と微笑む。料理はベルギーの定番「フリッツ」のほか、「クジラの竜田揚げ」など、ビールに合うものが国籍不問で豊富。
東京都港区芝5-24-16 御守ビル2F
Tel.03-6435-2463
営)17時~23時30分L.O.
無休
20席
*『フィガロジャポン』2016年6月号より抜粋
photos : AKEMI KUROSAKA, HIROYUKI ONO, texte : MEGUMI KOMATSU