カナダ国内でも超希少! 上質なカナダ産ワインに開眼。
Gourmet 2018.10.10
近年、ワインカントリーとして新たな注目を集めているのが、カナダ。オンタリオ州南部のナイアガラ半島とブリティッシュコロンビア州南部のオカナガン・ヴァレーを中心に、ノヴァスコシア州やケベック州に良質なワインを生み出すワインメーカーが集まっている。そんなカナダ産ワインだけを揃える専門店が、ヘブンリー・バインズ。30以上のワイナリーから200種を超える銘柄を取り揃えるが、これはカナダ国外では世界最大規模のコレクションなのだとか。
そもそもカナダでは小規模な家族経営の生産者が多く、そうした生産者の多くが手作業にこだわっているため生産量が非常に少ない。それゆえ、ほとんどがカナダ国内で消費されてしまっていた。
自身もオンタリオ州出身という店主のジェイミーさん。
カナダ産ワインに造詣が深い店主のジェイミーさんによれば、カナダ産ワインの魅力は「コストパフォーマンスのよさと真摯な造り手の存在」という。
「カナダのワインメーカーの90パーセント以上が小規模かつインディペンデント。カナダ産ワインは、そうした小規模なワインメーカーにより、昔ながらの手作業で造られています。テロワールを重視し、その土地の個性をワインに表現したいと、手間暇を惜しまずワイン造りを行っています。また、環境やサステイナビリティに配慮した造り手が多いのも特徴ですね」
PECのワインメーカーのパイオニア的存在、クロッソン・チェイス・ヴィンヤーズ。
なかでもジェイミーさんが注目する産地が、オンタリオ州のプリンス・エドワード・カウンティ(PEC)。カナダ有数のグルメエリアとして近年、料理人やシェフ、フードライターに人気のある田園地帯だ。ミネラル分が多い水はけのいい石灰岩の土壌と冷涼な気候がブルゴーニュ地方とよく似ており、主にブルゴーニュ品種であるシャルドネやピノ・ノワールが栽培されている。時にマイナス30度を下回るという厳しい冬の寒さのため、この地の生産者はワインの木を1本ずつ土に埋めて越冬させるという。このようにブドウ栽培には手間のかかる風土なのだが、土壌のよさに惹かれて移住してくる生産者が跡を絶たない。
ジェイミーさんに、産地ごとにおすすめのボトルを選んでもらった。
さて、ジェイミーさんに代表的な産地からおすすめを選んでもらった。左から、フルーティで複雑な味わいと完成度の高さを楽しめる、オカナガン・ヴァレーの「バロウイング アウル エステート ワイナリー/メルロー2013」¥5,200。ナイアガラにてバイオダイナミック製法で作られたオーガニックワイン、「トーズ ワイナリー/ランドリー・ヴィンヤード カベルネフラン2013」¥5,400。PECを代表する生産者がナイアガラにある畑で手がける「クロッソン チェース ヴィンヤーズ/K.J.ワトソンヴィンヤード ピノ・ノワール2014」¥4,500。シャンパーニュの伝統製法で作られる、カナダ最高峰のスパークリングワイン、「ベンジャミン・ブリッジ/ロゼ 2013 メソッド クラシック」¥6,200。
そんなジェイミーさんとのワイントークを楽しめるのも、ヘブンリー・バインズの魅力。好みや希望をジェイミーさんに伝えれば、お気に入りの銘柄を見つけることができるはずだ。
東京都渋谷区恵比寿南2-29-5
tel:03-5773-5033
営)15時〜20時(火〜金)、14時〜20時(土、日、祝)
休)月
www.heavenlyvines.com
photos : KENICHI KATSUKAWA, réalisation : RYOKO KURAISHI