ヨーロッパの可愛い伝統菓子。#02 女王陛下に捧げられたスポンジケーキ。
Gourmet 2019.04.20
エリザベス女王のために考案されたというイギリスのケーキや、魚の形をしたチェコのスパイス入りクッキー。世界の多彩なお菓子をご紹介。
女王陛下のケーキをどうぞ。
1:ヴィクトリアスポンジ
スコーンと並ぶ、英国式アフタヌーンティーの定番。卵とバターと砂糖を同分量で配合したイギリス式のきめ細かなスポンジ生地に、赤いジャムが挟まれている。誕生したのは1860年代と古く、アルバート公に先立たれて失意の底にあったヴィクトリア女王を慰めるため、お付きの従者が考えたと伝わっている。密閉容器で2、3日保存可。1ピース¥480/レイジーデイジーベーカリー
中世のおまじない焼き菓子。
2:シードケーキ
イギリスの「シードケーキ」は、昔から盗難防止のおまじないとして使われてきた香辛料、キャラウェイシードを練り込んだ焼き菓子。中世の頃はビスケットのようなものだったが、ヴィクトリア朝時代に卵が使われるようになり、現在の形に。1861年のレシピをもとに作るこちらの「シードケーキ」は、オレンジピールとレモンピール入りで爽やかな香り。1ピース¥480/レイジーデイジーベーカリー
Lazy Daisy Bakery
東京都文京区湯島2-5-17
tel:090-5084-6439
営)12時~19時
休)日、月、火
www.facebook.com/lazydaisybakery
魚の形はクリスマスのアイコン。
3:ペルニーチュキ
星や魚などの型で抜いたスパイス入りクッキー「ペルニーチュキ」は、チェコのクリスマス菓子「ツックロヴィー」の一種。チェコではクリスマスにコイを食べるため、魚もクリスマスのアイコンだ。レシピはさまざまだが、油分は控えめでハチミツが使われる。焦がすと病気になる、上手に焼くと翌年健康で過ごせるというような古い言い伝えもある。3個入り¥250/チェコのお菓子屋ツックル
日曜には家族みんなで囲んで。
4:バーボフカ
卵の風味が生きた生地でマーブルに仕上げるのが一般的。家族が集まる日曜日におばあちゃんが焼くような、チェコの代表的な家庭菓子。チェコはオーストリアと同じく、かつてハプスブルク家の統治下にあったため、ウィーンの宮廷菓子「クグロフ」の型が広まった。こちらは、受注生産やケータリング、毎月都内に出店するマルシェで購入可。1ピース¥200/チェコのお菓子屋ツックル
*『フィガロジャポン』2019年4月号より抜粋
photos : AKEMI KUROSAKA, stylisme : NAOKO HORIE, KAORI MAEDA, réalisation : MEGUMI KOMATSU