ヨーロッパの可愛い伝統菓子。#03 ワッフルの原型や最古のパイ菓子を味わってみませんか?
Gourmet 2019.04.21
伝統や祝祭と密接に結びついたイタリアのお菓子の数々に、フランス・スペインにまたがる地域で生まれ、日本でもよく知られるガトーバスク。長く愛されてきた伝統菓子を召し上がれ!
婚礼で振る舞われる縁起もの。
1:チャルダ
ワッフルの原型といわれる「チャルダ」はクリスピーな食感と芳醇なバターの香りがやみつき。14世紀以前から伝わるイタリア・トスカーナ地方の焼き菓子だ。型にぴったり挟んで焼く製法に、結びつきを固くするという願いをかけて婚礼の引き菓子とされることも多く、メディチ家の結婚式で振る舞われた記録も。「チーズチャルダ」はパルメザンチーズ入り。プレーン、チーズ S 1枚¥190/ラ・チャルダ
チーズのクリームがたっぷり。
2:カンノーリ
シチリア島で謝肉祭の時期に食べられていたが、現在はイタリア全土で愛される揚げ菓子。「カンノーリ」の語源は、サトウキビなどの管状のものを指す「カンナ」で、昔は揚げる際にサトウキビの茎に巻いていた。生地に特産のマルサーラやシナモンパウダーを混ぜて茶色く仕上げ、中に柑橘のピールやチョコチップを混ぜたリコッタクリームを詰めるのが基本。1個¥648/ラトリエ モトゾー
L'Atelier Motozo
東京都目黒区東山3-1-4
tel:03-6451-2389
営)12時~19時(火~土) 12時~18時(日)
休)月、第1・3火
http://motozo.tokyo
5000年前から伝わるマンマの味。
3:セアダス
セモリナ粉の薄い生地に、ペコリーノ(羊)チーズを包んで揚げたイタリア・サルデーニャ島の「セアダス」は、5000年前に登場したといわれるヨーロッパ最古のパイ菓子。こちらでは、マンマ直伝のレシピで作った8種類をイートインで楽しめる。ハチミツをたっぷりかけた生地にナイフを入れると、中から熱々のチーズがとろけ出す。オレンジハチミツ味¥1,080/セアダスフラワーカッフェ
Seadas Flower Caffé
東京都目黒区自由が丘2-16-11
tel:03-6459-5987
営)11時~20時
休)月、第2火曜
http://centoapi.co.jp
美食の街を代表する焼き菓子を。
4:ガトーバスク
フランスとスペインの国境に位置し、独自の文化を持つバスク地方は、ヨーロッパ有数の美食の地。17世紀に誕生した「ガトーバスク」は、外側はさっくりと香ばしく、中はしっとりとした焼き菓子で、フランスでもスペインでも作られ、愛されている。このようにブラックチェリーのコンフィチュールを入れて焼くようになったのは、19世紀のフランス領のバスク地方から。1個¥486/メゾン・ダーニ
*『フィガロジャポン』2019年4月号より抜粋
photos : AKEMI KUROSAKA, stylisme : NAOKO HORIE, KAORI MAEDA, réalisation : MEGUMI KOMATSU