ヨーロッパの可愛い伝統菓子。#04 イベリア半島の甘党に愛されてきた、素朴な焼き菓子。
Gourmet 2019.04.22
温暖な気候と交易で栄えた地域らしく、豊富な食材を駆使した独自の食文化を持つスぺインとポルトガル。ここで生まれた素朴な伝統菓子をぜひ試してみて。
16世紀誕生の素朴なおやつ。
1:マンテカード
スペイン・アンダルシア地方で16世紀頃に生まれた「マンテカード」の由来は、マンテカ (動物の油脂)でできた、という言葉。基本の材料は、ラードと小麦粉、砂糖、シナモンなどの香料。こちらでは、アーモンド、ヘーゼルナッツ、チョコレート、ラードの代わりにオリーブオイルを使ったオリーブオイル味の4種を用意。アンダルシア菓子味比べセット 18個入り ¥3,150/スペイン菓子工房ドゥルセ・ミーナ
ほろほろの食感にうっとり。
2:ポルボロン
「ポルボロン」は、スペイン・アンダルシア地方のクリスマスに欠かせないひと口サイズの焼き菓子。「マンテカード」から派生したもので、主原料は小麦粉とラード、砂糖だ。食べた時にほろほろと崩れる食感が持ち味だが、ポロポロとして食べにくい時は、紙の上からギュッと握って少し固めると食べやすくなる。アンダルシア菓子味比べセット 18個入り ¥3,150/スペイン菓子工房ドゥルセ・ミーナ
Dulce Mina
茨城県守谷市ひがし野3-11-2
tel:0297-45-2740
営)10時~18時
休)水
※オンライン通販可能
https://dulcemina.jp
リス川の麓の修道院生まれ。
3:リス川のそよ風
ポルトガルの修道院生まれの伝統菓子は、卵黄と砂糖をふんだんに使うのが特徴。「リス川のそよ風」も、まさにそんな伝統菓子だ。発祥は、リス川が流れるポルトガル中部の街レイリアの修道院。しっとり、もっちりとした生地は、卵の黄身で作った羊羹のようで、ざらりとした砂糖の食感がアクセント。ポルトガル人留学生が、レシピを教えてくれたのだという。1個¥270/ドース イスピーガ
オレンジが香る、しっとり生地。
4:ミモーゾ
ポルトガルの郷土菓子にはアーモンドやオレンジが使われることが多く、南部アルガルヴェの焼き菓子「ミモーゾ」はその典型。「ミモーゾ」とは、“華奢な”や“優美な”という意味。しっとりとした生地には、ソウメンカボチャが使われている。こちらで販売される時期は、ソウメンカボチャが手に入る夏から冬まで。店内には立食のイートインスペースも用意。1個¥310/ドース イスピーガ
Doce Espiga
東京都千代田区神田小川町3-2-5
tel:非公開
営)7時~18時(月~金) 8時~15時30分(土、祝)
休)日、毎月1、11、21、31日
*『フィガロジャポン』2019年4月号より抜粋
photos : AKEMI KUROSAKA, stylisme : NAOKO HORIE, KAORI MAEDA, réalisation : MEGUMI KOMATSU