喜びをシェアしたい、稲垣吾郎の真ごころ。

Gourmet 2019.09.20

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スーツ¥615,600、シャツ¥88,560、タイ¥21,600、タイピン(参考商品)/以上ドルチェ&ガッバーナ(ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)

2019年10月4日、ビストロ J_OとJ_Oカフェが銀座2丁目にオープンする。ディレクターは稲垣吾郎さん。フィガロジャポン(本誌2019年11月号・9月20日発売)では、この食のエンターテインメント空間で稲垣さんを取材させていただいた。TVドラマ「ソムリエ」出演以来、ワインの魅力にハマったそう。「ワイン通」というよりも「ワイン好き」と表現されることを好む謙虚なアティチュードに、取材原稿の校正時にもじーんときた。ここでは、本誌では伝えきれなかった取材時の稲垣さんの魅力についてお伝えしたいと思う。

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8月末のある日。パラリンピックのイベントを終えて、稲垣さんは銀座に駆けつけてくれた。レストランに到着するやいなや、最初にしたのは控室のブラインドを開けること。窓は大きくて、稲垣さんの姿を向かいのビルにいる人が発見できてしまうくらい。稲垣さんは、このレストランからの銀座の眺望を確認したかったように見えた。

ここは食のエンターテインメント空間。稲垣さんがセレクトに参加されたスペシャルなワイン、わいわい大人数で楽しむもよし、おひとりさまでもコース料理を楽しむもよし、な極上の料理(ちなみにおひとりさま席は銀座の街を眺められる窓際シートがある)、おいしいコーヒーが味わえるカフェ、オリジナル商品も多く取り揃えたKIOSKなど、インテリアもアーティスティックでおしゃれな場所なのだ。ディレクションしている稲垣さんとしては、「訪れた方々が心の底から満足できて楽しめる場」として仕上げようと、熱意をもって取り組んでいることを感じた。
取材当日は、まだここは完成しきってはいなかった。でも、取材のために急ピッチで間に合わせてくださった。取材前の2日間で什器を搬入、稲垣さんを撮影する背景を造ってくれた。

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フィガロジャポンに初めて稲垣さんが登場した2018年5月号でも稲垣さんを撮影したTISCHが今回もカメラマンとして登板。彼はその後も何度か稲垣さんを撮る機会を得て、とても今回の取材&撮影を喜んでいた。撮影がスタートする時、稲垣さんとTISCHは、パリの写真家ブラッサイについて話していた。ブラッサイは1930年代にパリの夜を美しいモノクロームで表現した写真家。稲垣さんは、やはり洗練されたヨーロッパの薫りがするものに興味を持たれる。

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コート¥410,400、シャツ¥113,400、中に着たタートルニット¥54,000、ブレスレット¥64,800、パンツ¥73,440、ベルト¥48,600/以上サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス)

フィガロジャポンのファッションページでもレディスウエアが頻繁に掲載される、フランスやイタリアのハイメゾンのメンズを稲垣さんには纏っていただいた。編集担当が個人的にすごく素敵だと感じたのは、サンローランの黒を基調にしたルックの時だ。赤ワインの色、抑えた照明、立ったままグラスを回して、香りから味わう稲垣さんが、愛するワインの世界に陶酔していたように見えた。シャープな細身のボトムと、肩に引っ掛けたコートですっとレストランの個室の壁を背景に立つ姿はすこぶるクールだった。そしてディオールのメンズのコートのカラーが、この場所のハーフトーンと素晴らしくマッチした1枚も色彩のマジックのようだった。
稲垣さんは「この服をどんなふうに着るか」をスタイリストときちんと相談して、カメラの前に立ってくださる。今回、3ルックくらいでも、と思っていたところ、5ルックも着てくれた。グッチ、ドルチェ&ガッバーナ、プラダも、場所の雰囲気と合わせ、カメラマンの演出に寄り添いながら、とてもスマートに着こなしてくれた。プラダのニットのパープルがヤンチェ_オンテンバールのテーマカラーに沿った素敵な偶然も起きたり。

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ニット¥459,000(予定価格)、中に着たシャツ(参考商品)/ともにプラダ(プラダ クライアントサービス)

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今回の稲垣さんへのフィガロからのリクエストは、「ワインと合う映画」を挙げてください、だった。難しいな、と稲垣さんはおっしゃいながら、観た作品を振り返ってくれた。インタビュー中、「過去に別の媒体でも触れてしまったけれどいいだろうか」「過去に何度もおすすめした映画だけれどいいだろうか」と気にかけてくれたのがありがたかった。最終的にヨーロッパの映画をメインに「ワインとのペアリング」を提案してくれた。

ワインについて語られる時の、瞳の輝きがすごい!と思った。こんなに、ワインという文化にときめき、欠点も含めて愛し、情熱を注げることって素晴らしい、とインタビュー中に話される様子を見て感じた。本誌にも書いてあるが、ワインが稲垣さんにくれるときめきは「恋」のようなものだそう。そこまで言われたら、ビストロ J_Oでは、稲垣さんが選ばれたワインを堪能するしかない! ワインとの出合いで得た感動を、この空間に訪れる方々と共有したいという稲垣さんの気持ちが、ここにはそのまま表れている。

この取材は、いわば稲垣さんにとっての「ホーム」にフィガロがお邪魔した形になったわけだ。つまり撮影スタジオに入っていただいて、撮了後に稲垣さんをお見送りするのではなく、取材撮影チームが先に稲垣さんの「ホーム」から失礼することになる。しかし、この撮影が終わった後も、ほぼ夜に近い時間帯だったが、稲垣さんはビストロ J_OとJ_Oカフェのクリエイションスタッフの方々とのミーティングを続行なさっていた。

心を込めて創られた場所、ビストロ J_O & J_Oカフェ。10月4日に晴れてオープンしたら、ぜひここを訪れてほしい。

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コート¥410,400、シャツ¥113,400、中に着たタートルニット¥54,000、ブレスレット¥64,800 /以上サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス)

ビストロ J_O & J_Oカフェ
東京都中央区銀座2-4-6 銀座ベルビア館9F Tel:050-3627-5556(予約専用)
営) レストラン:11時30分~15時L.O.、17時30分~21時L.O. カフェ:11時~21時 不定休
https://friendshop.tokyo
●問い合わせ先:
サンローラン クライアントサービス
(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ)
www.ysl.com/jp

ドルチェ&ガッバーナ ジャパン(ドルチェ&ガッバーナ)
https://store.dolcegabbana.com/ja

プラダ クライアントサービス(プラダ)
https://store.prada.com/ja

photos : TISCH (UM), stylisme : AKINO KUROSAWA, coiffure et maquillage : JUNKO KANEDA

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