ステビア、アスパルテーム、蜂蜜...砂糖代替品の身体への影響は?

Gourmet 2023.08.21

白砂糖の代替品にはいまや多くの選択肢がある。実際には、これらの代替品には何が含まれているのだろうか? 砂糖より健康にいいのだろうか? 専門家とともに解説しよう。

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アスパルテーム、蜂蜜……。砂糖の代替品はいまやよりどりみどり。photography: RUSS ROHDE / Getty Images

カロリーが多すぎ、精製されすぎ、健康によくない……。健康を気にするなら、砂糖を排除するのは最優先事項。そのため、砂糖を使わずにお菓子やヨーグルトやコーヒーに甘さを加える方法はよりどりみどり。代替品のほうがよりナチュラルで、カロリー控えめで、健康にもよいとされているが、実際のところどうなのだろう? 主要な甘味料についてまとめておこう。

ステビア

アマゾンの先住民が「甘い葉っぱ」と呼ぶ植物、ステビア(学名はステビア・レバウディアナ)。糖度が砂糖の200倍という甘味成分ステビオシドが含まれていながら、カロリーはゼロ。だがカンゾウに似た独特の風味があり、とくに料理に使うときなどはさじ加減が難しい。

100%天然由来の食品のように謳われているが、「市販のスティックやキューブ状の製品に含まれるステビアはわずか1%。残りの成分は、栄養ドリンクに使用されるマルトデキストリンのような化学物質や食品添加物です」と栄養士のサラ・ジョゼは言う。摂取量は控えめを心がたほうがいいが、家庭でステビアを育てるのは悪くないアイデア。紅茶に甘みを加えるには新鮮な葉が1枚あれば十分だ。

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蜂蜜

紅茶やタルティーヌ、プレーンヨーグルトに、あるいはお菓子作りに。蜂蜜は精製された砂糖の代替品としてとても使いやすい食品だ。「GI値が低めで、抗酸化作用や抗炎症作用もあります。菩提樹の蜂蜜のように、睡眠改善効果のあるものも」と栄養士は利点を挙げる。ただし、糖分が少ないわけではない。「カロリーはグラニュー糖とほとんど変わりません。また、蜂蜜には果糖も多く含まれています。果糖は単糖類の一種で、大量に摂取すると肝臓に蓄積されます」というから、過剰摂取には注意が必要だ。

蜂蜜には多くの効能があるが、「インスリン抵抗性や、体脂肪の蓄積、中性脂肪(血中に溶け込んでいる脂肪の一種)値の上昇など、砂糖と同じように健康上の問題を引き起こす」可能性もあると栄養士は注意を促す。

メープルシロップ

パンケーキや北アメリカの朝食に欠かせないメープルシロップも調味料として砂糖の代わりになる。GI値がほかの砂糖代替品にくらべて低いだけでなく、抗酸化物質やミネラルを多く含んでいる。「血管の炎症を抑制し、糖尿病予防にも効果がある」と栄養士のジョゼは強調する。ただ、風味がやや強いため、苦手な人もいる。

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アガベシロップ

アステカ人が「蜜水」と名付けたアガベシロップは南米に自生するサボテンの芯から抽出される。天然アガベシロップ大匙2杯でグラニュー糖100gに相当する。カロリーでは顕著な差はない(アガベシロップ100gで350kcalに対し、白砂糖やブラウンシュガーは同400kcal)ものの、アガベシロップのGI値は砂糖に比べてかなり低い。「白砂糖のGI値は60、アガベシロップは15です。体脂肪の蓄積に繋がるインスリンの分泌量が抑えられ、血糖値が上がりにくい」と専門家は説明する。ただし果糖が多く含まれるため、大量に摂取すると体重増加を招く恐れがある。

アスパルテーム

「ライト」を謳った食品のほぼすべてに使われているアスパルテームは、低カロリーながら砂糖の200倍の甘みがあるため広く利用されている。しかし近年、アスパルテームは論議の的になっている。「2015年にフランスの国立食品衛生安全庁(Anses)が刊行した報告書のなかで、アスパルテームは健康に悪影響をもたらす食品添加物として明確に指定されてはいません。しかし、肥満防止に効果があるという点を疑問視する研究もあります」とジョゼは言う。アスパルテームには発がん性も指摘されているが、「実際に健康に害を及ぼすリスクがあるという証拠はありませんが、害がないという保証もない」と栄養士は断言を避ける。摂取については慎重になったほうがよさそうだ。

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ココナッツシュガー

身体に必要な栄養素が一切含まれず無駄にカロリーだけを摂取することになる白砂糖とは逆に、ココナッツシュガーには「ビタミン、ミネラルが含まれ、カリウムも豊富」とジョゼは言う。ただし、カロリーは白砂糖と大差ない。さらにココナッツシュガーは甘みが弱いため、「砂糖と同じ味を求めようとすると、たくさん加えたくなってしまう。結果的に白砂糖と同じリスクを招く可能性がある」と専門家は注意を促す。

白樺シュガー

正式名称はキシリトール。「白砂糖より40%少ない」とジョゼも言うように、低カロリーが白樺シュガーの最大の強みだ。GI値も低く、糖尿病の人も砂糖の代わりに利用することができる。白樺シュガーは虫歯予防にも効果があるため、チューイングガムにも使われている。とはいえ「緩下作用があるので、摂取量は1日50gを超えないように」と栄養士は忠告する。

いずれにせよ、どの甘味料も砂糖の代替品である以上、余分な糖分の摂取に繋がることに変わりない。「少量をときどき摂取する程度にすべき」とジョセは念を押す。となると、甘い味から離れるように心がけるのが肝要ということだろうか?

text: Raïnat Aliloiffa (madame.lefigaro.fr)

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