世界のチョコ愛! チョコレートで巡る世界一周の旅へ。

Gourmet 2022.01.21

From Newsweek Japan

文/メーガン・ガン

世界各地には古くから愛されてきたチョコレートを使った菓子や料理があり、さらには伝統文化と結びついた行事や観光名所も数多く存在する。人類とチョコレートのつながりは深く、その歴史は古代オルメカ文明やマヤ文明の時代のアメリカ大陸中部(今のメキシコ辺り)にまでさかのぼる。かつては薬用の苦い飲み物で、神聖な儀式にも用いられたが、その後さまざまな文化との接触を通じて甘みを増し、味わいを深めてきた。憧れのチョコ・スパ体験からバレンタインデーの定番まで、いざ、チョコレートで巡る世界一周の旅へ。

220111P57_MAP_02v3-thumb-720xauto-338331.jpegフィリピンのチャンポラード。 photo: DEZZY MISSIONーEYEEM/GETTY IMAGES

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01. バレンタインデーのキス

アメリカ・ペンシルベニア州

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photo: RICK SAUSE/iStock

1907年にチョコレート職人のミルトン・ハーシーが滴形のミルクチョコレート「キスチョコレート」を発売。製造過程で出る機械の音がキスの音に似ているのが名前の由来とされる。大量生産によって手頃な価格が実現し、今ではバレンタインデーの定番に。

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02. 神様のおぼしめし

メキシコ

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photo: GREG VAUGHNーVW PICSーUNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES

スピリチュアル・ツーリズムで人気の「カカオ・セレモニー」は、メキシコ先住民の聖なる儀式が起源とされる。古代マヤ族はカカオの神を崇拝していたし、この地域では古くからチョコレートの薬効が信じられていた。今のメキシコ人の食生活にもチョコレートは不可欠で、煮込み料理のモレや、ポソレのようなスープに使われている。

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03. チョコレートの館

ニカラグア

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photo: DIMARIK/iStock

中米最大のカカオ輸出国であるニカラグア。色彩豊かなグラナダの町にあるのが有名なホテル「メゾン・ドゥ・ショコラ」。ホテルのスパでは地元産カカオを使ったチョコレートのフェイシャルやマッサージが受けられる。

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04. ブリガデイロ

ブラジル

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photo: MARCELOKRELLING/iStock

コンデンスミルク、ココアパウダーとバターで作ったひと口サイズのチョコレート菓子を、さらにチョコレートスプリンクルでコーティングしてある。ブリガデイロはポルトガル語で空軍「少将」の意。1946年のブラジル大統領選で初めて参政権を行使できることになった女性たちが、左派候補エドゥアルド・ゴメス少将の選挙資金を集めるため、これを手作りして売り歩いたと伝えられる。

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05. チョコレートとチュロス

スペイン

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photo: NEVODKA/iStock

地元で人気のこのお菓子は、何世紀も前から街のカフェなどで提供されてきた。外側はカリカリ、中はフワフワな揚げ菓子を、濃厚なホットチョコレートにディップするのだから、食べ始めたら止まらない。朝食としても、夜遅くまでクラブで踊りまくって小腹がすいたときの軽食としても大人気だ。

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06. 文字形チョコレート

オランダ

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photo: KRUWT/iStock

サンタクロースではなく聖ニコラスがやって来るオランダの冬。この聖ニコラス祭に当たって、家族や友人に名前の頭文字のチョコ(ショコラーデレターと呼ばれる)を贈るのが習慣だ。中世には学校で、文字形に焼いたパンで生徒に文字を教えたとされる。

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07. チョコレート列車の旅

スイス

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photo: CATALIN DANIEL CIOLCA/iStock/span>

スイスの人は平均して1年に約9キロものチョコレートを食べるとされる。またチョコレート目当ての外国人観光客も多く、とりわけ人気を集めているのがモントルーとグリュイエールを結ぶチョコレート列車だ。鉄道で旅をしながらチョコレート工場を訪れたり、チョコレート作りの歴史を学んだり。もちろん、試食も!

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08. バブカ

東欧

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photo: FLAVIA NOVAIS/iStock

編み込み状のケーキ。ダークチョコ(シナモン味もある)が何層にも折り込まれ、カリカリの生地をトッピングしたものが多い。バブカは「おばあちゃん」の意。昔のおばあちゃんが着ていたプリーツたっぷりのスカートに形が似ていることが名称の由来。

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09. チャンポラード

フィリピン

220111P57_MAP_02v3.jpegphoto: DEZZY MISSIONーEYEEM/GETTY IMAGES

フィリピンのチャンポラードは甘いチョコレート粥。朝食の定番で、もち米の粥とタブレア(発酵させたココア)が合体しており、上にコンデンスミルクと砂糖をかけてある。ホットでもコールドでもよく、塩漬けした魚の干物を添えることも多い(干物の塩味がチョコの甘さを一段と引き立てる)。

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10. ティムタム・スラム

オーストラリア

220111P57_MAP_06v2.jpegphoto: THE ARNOTT’S GROUP

楕円形のチョコ味ビスケット2枚にチョコレートクリームを挟んだのがティムタム。その両端を少しかじって温かい飲み物に浸して、中のクリームが溶け落ちるのを待ち、残ったビスケットをストロー代わりにして飲み物を吸い上げる。これを「ティムタム・スラム」と言う。

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11. カカオ豆輸出国の意地

ガーナ

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photo: GENEVIEVE LELOUP

西アフリカは世界のカカオ生産の約3分の2を占めるが、地元産のチョコは少ない。そこでキンバリーとプリシラのアディソン姉妹は豆の調達から加工までを一貫して手掛ける会社「’57チョコレート」を立ち上げ、さまざまなフレーバーの製品を提供している。

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