マンマの味から本格派まで、イタリア料理を気軽に提供。

2016年に熊本県を中心とした九州各地に甚大な被害をもたらした熊本地震。6年が経過したいまも復興への取り組みは続いている。現在開催中の「阿蘇フェスティバケーション2022夏」では、熊本県の人気飲食店が集まった「阿蘇スカイレストラン」がオープン。食を通じて熊本の復興を目指す9つの参加飲食店のこだわりの一品、ぜひ味わってみて。

熊本の食の魅力を堪能できる「阿蘇スカイレストラン」参加店をチェック！

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マンマの味から本格派まで、イタリア料理を気軽に提供。

Keita

2019年に熊本市内の住宅街にオープンした「Keita」。イタリアのウンブリア地方を中心に7年間の修行経験のある井本慶太さんがオーナーシェフを務めている。井本さんは南阿蘇村でイタリア料理店「Trattoria  Keita」を経営していた実績があり、イタリア料理の惣菜店として再オープンさせたのが「Keita」だ。できるだけ熊本の食材を使い、修業時代に感じたマンマの味を再現した総菜を販売。オープン当初はテイクアウトのみだったが、現在はカウンター5席と小さなテーブルがひとつあり、イートインも楽しめるようになった。

オーナーシェフの井本慶太さん。

出張料理やケータリングサービス、料理教室にも力を入れており、月に1回程度、マルシェなどにも出店している。さまざまな形態で本格的なイタリア料理を堪能できることが、コロナ禍においても大きな強みになっている。「おかげさまで出張料理のサービスが好評で、店を留守にするにことが多くなりました。6月よりテイクアウト、イートインともに予約制で対応しています」という通り、多くの人達に利用される店へと成長している。

冷蔵ケースには十数種類の総菜が並び、パスタはオーダーを受けてから作り始める本格派。例えば「フレッシュトマトのパスタ」は熊本県産のフレッシュなトマトをふんだんに使い、生パスタは契約製麺所に依頼し、テイクアウト可能な生パスタを選定。爽やかなトマトソースが、小麦の風味が香る弾力のある生パスタに絡み合う。オードブルの定番であるライスコロッケ「アランチーナ」は、熊本県産のお米とチーズを使い、素朴な味わいに仕上げている。そして、家庭では作るのが難しい「ラザニア」は、いつでも気軽に食べられるようにとの配慮から、冷凍でも用意している。

フレッシュトマトのパスタ。

アランチーナ。

ラザニア。

出張サービスなどで多忙を極める井本さんだが、「これからは県外の人にも食べてもらえるように、出張範囲を広げていきたい。熊本には阿蘇や天草など、いいところがいっぱいあり、食材も豊富です。ぜひ熊本の宝の地を知ってほしい」と、意欲を燃やす。

最近ではアクアパッツァやイカ墨パスタが人気で、間もなくイカ墨カレーが完成するなど、料理の開発にも力を入れている。さまざまな場所で出会った多くの人たちの笑顔を糧に、今後はますます精力的に活動する井本さんの姿が見られるに違いない。