ワンランク上の家庭料理を提供するアメリカンダイナー。

2016年に熊本県を中心とした九州各地に甚大な被害をもたらした熊本地震。6年が経過したいまも復興への取り組みは続いている。現在開催中の「阿蘇フェスティバケーション2022夏」では、熊本県の人気飲食店が集まった「阿蘇スカイレストラン」がオープン。食を通じて熊本の復興を目指す9つの参加飲食店のこだわりの一品、ぜひ味わってみて。

熊本の食の魅力を堪能できる「阿蘇スカイレストラン」参加店をチェック！

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ワンランク上の家庭料理を提供するアメリカンダイナー。

RESTAURANT Tiger Man

1950年代のアメリカンダイナーを彷彿とさせる一軒家の「RESTAURANT Tiger Man」は、オーナーシェフの黒木研史さんが古き良きアメリカの豊かな時代をイメージしてつくったレストランだ。アメリカの家庭料理をベースとしているものの、熊本の小さな生産者から食材を黒木さん自ら仕入れ、黒木さんのフィルターを通した料理を特徴とする。「アメリカという重心から大きく外れないように、創造性を取り入れながらいまの時代にマッチした料理を心掛けている」といい、時代に合わせて提供するメニューは変化していく。

店をつくる際に参考にしたのは米軍基地のある沖縄。基地のある町には50年代のスタイルでデザインされた飲食店が多数残っていて、「どうせやるなら本場と同じ雰囲気を実現させたい」と、リアリティにこだわった。

現在は本場アメリカでもダイナーのあり方自体が変わっているといい、「例えばルートビアを手づくりするダイナーが増え、クラフトビールのような文化も生まれている。変わらない部分と変わっていく部分があり、そんな部分も尊重していきたい」と、懐古趣味に陥らないように時代の変化を意識している。

オーナーシェフの黒木研史さん。

オープンは2005年だが、2015年に約400ｍ離れた現在の場所の移転。その1年後に熊本地震の被害に遭った。「将来を考えて自宅の前に店を建てたのですが、両方とも傾いてしましました。穴を掘って杭を入れて対応したものの、建物を杭で支えているため、小さな地震でも大きく揺れてしまいます」と思いのほか大きかった被害を振り返る。「できることといえば料理をつくること。フェスに出店することで、熊本は料理がおいしいところなんだな、行ってみようかなと思ってもらえるようにしたい」と、被災者としての思いを語った。

店を代表するメニューとしては、「コーンブレッド」や「野菜と豆のスープ」、「ローストチキン」などが挙げられる。中でも豚肉と豆を使ったトマト風味のアメリカの家庭料理「ポーク＆ビーンズ」は、素朴な味わいでありながら食べ応えのある料理に仕上がっている。「家庭料理らしく身近にある食材を使っていることがポイント。豚は阿蘇の近くで育てた三元豚で、希少なブランド豚ではありませんが、とてもおいしい豚肉です。Tiger Manらしくアレンジを加えたものがお客様に喜んでもらえたらうれしいです」

ポーク＆ビーンズ。

今年６月には敷地内に姉妹店のアイスキャンディー店「AandR ICEPOP」をオープンさせた。熊本をはじめとした九州の食材を使い、楽しく安心して食べられる手づくりのアイスキャンディーがテーマで、シボレーのバンで売り歩きもしているという。ジューシーオレンジ＆シャルドネ、マンダリンオレンジ&ラズベリー、クラシックパンプキンパイ、チョコレートナッツなど、バリエーションは豊富で、随時新しい味も登場する。秋以降は食べ物やビールなども提供する予定で、アメリカの文化を感じさせる世界観はこれからも広がっていく。

 

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