味とホスピタリティにこだわる街のケバブ店。

2016年に熊本県を中心とした九州各地に甚大な被害をもたらした熊本地震。6年が経過したいまも復興への取り組みは続いている。現在開催中の「阿蘇フェスティバケーション2022夏」では、熊本県の人気飲食店が集まった「阿蘇スカイレストラン」がオープン。食を通じて熊本の復興を目指す9つの参加飲食店のこだわりの一品、ぜひ味わってみて。

熊本の食の魅力を堪能できる「阿蘇スカイレストラン」参加店をチェック！

きめ細かいサービスで、地域に根付いたケバブ店。

DoI KebaB

平成から令和に変わった2019年、熊本市内に2店舗あったケバブの専門店「DoI KebaB」と「KebaB & Grill CAVE」が統合する形で誕生した「DoI KebaB」。店主の土井善順さんは、バレーボールの国体選手として活躍した経歴を持つ。バーテンダーとして働いた後、28歳の時にワーキングホリデーで渡豪。滞在先のオーストラリアでは、毎日朝からサーフィンを楽しみ、日本食の店とケバブ屋、寿司のデリバリーといろいろな仕事を3年半にわたって経験した。「さまざまな国の人達が来てくれたオーストラリアでの飲食店勤務の経験をもとに、帰国後、“世界中の人達が気軽に寄れる店”をテーマに、ケバブ店をオープンしました」

特徴は豊富なメニュー。ケバブは、ピタで挟んだサンドメニューとトルティーヤで巻いたラップメニューの2本柱で、それぞれ具材としてチキンケバブ、ビーフケバブ、シーフード、サイコロ角煮、フィッシュフライ、ファラフェルを用意。チリやテリヤキ、ヨーグルトなど、さまざまな辛さや甘さのオリジナルソースを10種類から選ぶことができる。

またバーテンダーの経験を生かしてお酒にもこだわり、お酒に合うシシケバブやケサディーヤといったメニューも充実。昼だけでなく夜も多くの人たちで賑わっており、「ケバブのお肉だけの『おつまみケバブ』をビールととも！」とオススメする。

店主の土井善順さん。

最も人気があるのは「チキンケバブ」で、オリジナルのタレに漬け込んだ鶏肉をじっくり焼いて仕上げている。ほかにもバケットで具材を挟んだ新メニュー「バケットケバブ」や、ひよこ豆のペーストである「フムス」も好評。牛肉を食べたい人にはアンガス牛のサーロインステーキがあるほか、2日間煮込んだこだわりの牛スジカレーにも定評がある。ケバブというとファストフードというイメージもあるが、ランチからディナーまでさまざまなシーンに対応できるため、客層は子どもから年配の方まで、幅広い人達に愛され、地域の店として愛されている。

チキンケバブ。

バケットケバブ。

フムス。

土井さんがこだわるのは一人ひとりに合わせた対応で、「なるべくお客様の様子を見て要望を汲み取るのがプロの仕事」と語る。「見て・気付いて・考えて・行動する」ことががスタッフへの教育理念だと考える。同じ商品だとしても、店内で食べるものとテイクアウトでは味付け、作る時間を変えるなどの工夫凝らす。こうした土井さんの気配りは一緒に働くスタッフにも向けられ、困ったことが起きてもさりげないフォローでスムーズなサービスを実現している。

熊本の魅力については、「都会でも田舎でもなく、ちょうどいいバランスの取れた街。阿蘇の大自然は世界に誇れるほど素晴らしいし、天草の海産物はイキが良くおいしいし。熊本城を中心とした街並みは風情があり、ちょうどいい要素が集まっている」と見ている。今回のフェスでは県外に向けて熊本のよさを伝えるために、自慢のケバブを一人でも多くの人に食べてほしいと願っている。