グルメ班のおいしいこぼれ話 Vol.7 フィガログルメ班を唸らせた、ニュースな新店3選。
Gourmet 2023.09.08
フィガロのグルメ班が、足を使ってかき集めたおいしいネタを座談トーク! 最新ニュースから推しグルメまで、食いしん坊なら押さえておきたい耳寄り情報をテーマ別にお届け。第7回は、おいしいワインと一緒にかぶりつきたい絶品肉料理とあのショコラメゾンの新形態について、本誌グルメ担当のまりモグとFIGARO.jpグルメ担当のYKが語り尽くします。
女子会におすすめ⁉ モンゴル料理店で、ナチュールと羊三昧!
まりモグ(以下M) 今回は、最近行って面白かったお店をご紹介しようと思います。まずは肉の話題から。グルメライターの森脇慶子さんに、神楽坂におもしろいモンゴル料理屋があると聞いて、他誌の女性編集者メンバーで行ってきました。「草原の料理 スヨリト」というお店なんですが、なんとメニューの9割(※まりモグ調べ)が羊料理! 丸焼きがあれば、ショルダーを使った羊の串、羊の肝臓とかいろんな部位がありましたね。
結果的に羊を1/2匹ぐらいは食べたような。それをご飯ものや焼きもので提供するという。モンゴル民族のシェフがモンゴルの味を、ということで、ちょうど昨年末にオープンしたのかな? 満席だったんですけど、半分は中国語をしゃべってる人だったので、日本在住の中国の方が多いのかなっていう印象でした。ワインは自分で冷蔵庫からボトルを出すスタイルですが、ボトルに値段が書いてあって、全部ナチュール。このシステムをなんか見たことあるな……と思ったら、やっぱり「味坊」で働いていたシェフでした。ナチュールと羊の串が有名ですけど、実際にその味坊で5年以上、羊担当をやられていたという方なんです。すごく食べるメンバーで行ったのですが、羊のあらゆる部位を食べて、最後にご飯とスープまで食べて、ひとり7000円くらいだったので、お手頃かなと。普通の人だったら、もしかしたら5000円ぐらいでおさまるかなって気もしますが。この暑い時期に気軽に行くのがいいかなと思います。
YK(以下Y) 僕は臭みがある部分とか結構好きなんですけど、臭いはどうでした?
M 臭いは結構ありましたよ。特にスープ。私、昔モンゴルに行ったことがあるんですけど、そのときの何とも言えない草の臭いっていうか、脂と草の臭いが混じったようなのをすごく思い出しまして。当時まだ小学生だったから、本当に何も食べれなくて。カップラーメンをパオ(テント)で食べてましたね。でも大人になると、そういう臭みとかも含めてクセになっちゃう。ラム肉がダメな人は絶対に行っちゃいけない店だと思います笑。でも臭みがある方が好きっていう人、実は結構多いですよね。
Y 僕はハナマサとかで、ラム肉を塊で買ってきて自宅で焼いたりしてますね。ちなみにどこ産のラムを使っているのでしょう?
M アイルランドだったかな。最初、「オーストラリアかニュージーランドですか?」って聞いたら、そっちも使うとはおっしゃってましたが。
Y 最近アイルランド政府が食肉の輸出にすごく力を入れていて、ラムと牛肉の輸出量が増えている……って聞いたので、そういうことなのかな。ちなみにこのお店の情報を見たところ、丸焼きの塊肉は2日前まで、丸焼きは1週間前までに予約が必要なんですね。
M 1階から3階まであって、1階がカウンター席でひとりで来ている客もいましたが、私たちは2階のグループ席へ。1階から3階に何かが運ばれていくのを見たんですけど、それが羊の丸焼きでした。ふたりがかりで神輿みたいに運んでいて。
Y それはすごい。
M 10人前くらいでしょうか。編集部の打ち上げとかにどうですかね。
Y 個人的にはすごく興味ありますけど。
M 参加しない人もいるかも笑。だけどやっぱり女子が多く訪れている印象。食べている料理が気になってとなりのお客さんに聞き込みしましたが、中国系の女子が最も多かったかな。カップルらしき人もいたけど、女子同士でナチュールと羊を楽しむイメージですかね。生ビールはよなよなエールとか3種類ぐらいあって、選べるのもいいなあと。
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「焼肉うしごろ」が池袋に進出。狙うべきは、池袋店限定のレアメニュー!
Y うしごろさんの新店開業は必ず伺っている感じになっていますが、「焼肉うしごろ」が新しく、池袋のサンシャインのちょっと裏手の方にできました。前回は中目黒と銀座のホルモンメインのお店でしたが、今回はまた純粋に焼肉の新店舗ができましたというご案内をいただいて。池袋の限定メニューをいただきましたが、池袋店も銀座店と同じく結構ハイクラスな感じになってました。
M 店が入っているビル自体が新しいのですが、そのビルからして迫力があったというか。
Y 1階に個室が5部屋、上の階にはテーブル席がかなり多く配置されてましたね。
M ボックスシートみたいな感じになってて、わりとシックな佇まいで。
Y 池袋店だけのオリジナルメニューがいくつかあるのですが、見た目が可愛いやつが多く。スライダーのハンバーガーの上にヒレカツを乗っけて、その上に目の前でトリュフをかけてくれるっていう。
M 演出でもちょっと楽しませてくれるっていう感じはありましたよね。
Y ザブトンも限定メニューで用意されてました。かなり薄切りにしたザブトンを、生卵と和えて、ちょっとすき焼きみたいなスタイルでいただくっていう。
M 限定品だと石焼炒飯とか、キャビアが乗ったユッケとかも印象的でした。
Y 高級感があって、目でもすごく楽しめる感じでしたね。
M メニューは豪華ですごく華やかなんだけど、値段は割と押さえてあるなという印象です。昼限定だけど、ビビン麺は1200円ですし、きれいめな映えるランチが食べられるっていうのは、学生さんでも行きやすいかなと思ったんですけど。
Y ですよね。あの辺は立教大学もありますし。あと、乗り継ぎされるお仕事の方も多いでしょうし。
M 会社も学校も多いし、池袋を頻繁に利用する人たちには、新しいランチスポットにもなるし、ディナースポットにもなる。
Y あと、ソムリエさんがしっかりご提案してくれる感じでした。
M めちゃめちゃおもしろかったですよね、提案が。聞くと色々教えてもらえるから、メニューから選ぶというより、まず聞いた方が良いんじゃないっていう。私たちが飲んだのは南アフリカのシュナン・ブランだったんですけど、なんというか意外でした。
Y 甘みもあって、お肉に合うだろうって感じの白ワインでしたね。
M 赤ワインが来るつもりで「おすすめは?」って聞いたら、白が来たからちょっとびっくりしましたが、悪くなかったです! 夜に飲んで食べたら、大体ひとり1万数千円……といった価格帯でしょうか。
Y 池袋も夜ご飯の店が多いですけど、ちょっとクセが強いお店が多い気がしています。それも結構尖った中華系が多いという印象が。
M うなぎの串焼きの専門店とかもありますよね。
Y 攻めたお店も多いですが、みんなが大好きな焼肉をおいしいワインと一緒に、というのを池袋の夜にいかがでしょうか。
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ゴディバ初のベーカリーでは、懐かしい系パンが洗練されて登場!
M かの有名なゴディバの初のベーカリー「GODIVA Bakery ゴディパン 本店」が、有楽町駅前の交通会館にできて、オープン直後は3時間待ちの行列ができたとか。私も行ってきたんですけど、メニューはすべて、チョコレートかカカオを使ったもので、いちばんわかりやすいのがチョココロネ。普通のパン屋さんでは常温で置いてあるのがほとんどだと思うんですけど、ここでは冷蔵ケースに入ってて、テクスチャーは生っぽいというか、クリームがたっぷりで、さらにダークチョコレートのバーというかタブレットが入っていて、板チョコを食べてるみたいな感じがしました。チョコレート好きだったら絶対チョココロネがマストと思うんですけど、気になるのあります?
Y カレーパンがめちゃくちゃ気になってます。
M カレーパン、結構衝撃でしたね。トップが茶色くなってて、ここが甘いのかなと思ったら、中の具に、がっつりカレーとチョコレートの両方が入ってて。甘くてちょっとスパイシーみたいな? 何とも言えない味でおもしろかったですよ。カレーパンだけど揚げてなくてベイクドなんですけど、パン生地はふわふわ食感で。普通のカレーパンだと思って食べると、ちょっとびっくりするでしょうね。
あと、ちょっと珍しいなあと思うのが、カカオフルーツのクリームパン。見た目は本当に普通のクリームパンなんですけど、中に入ってるクリーム、カカオフルーツのジュースを練りこんでいるんです。すごくフルーティで、ライチのような香りがするんです。それがちょっと変化球が効いてるなって感じで。カカオフルーツ2.7%使用だそうです。
Y 大きさはどんな感じですか? 普通のパン屋さんに出てくるクリームパンと同じくらい?
M そうですね。いわゆる町のパン屋さんで売っているのと同じような大きさで。店内に入ると、本当、日本っぽい感じのラインナップが目に入るんですよ。チョココロネとかクリームパンとかちぎりパンとか、懐かしい感じの。
Y ああ、なんか昔コンビニとかで買ったような。
M ステッキのやつとか、昔からの日本のパン屋に慣れ親しんできた人もほっとする感じというか。こういったパンが、いつか本国ベルギーに逆輸入されたりするのかなぁとか思いながら眺めてました。
Y 値段はどんな感じですか?
M 意外にお安く、ベーシックなパンだと200円代であるし、リッチ系は冷蔵ケースに並んでるんですが、600~700円代でした。でも3時間並ぶ元気はないですね……。
Y 暑い日だとしんどいですが、涼しくなってきたら試してみたいです。
www.instagram.com/suyaolitu
www.godiva.co.jp/godipan/
YK/大学時代、元週刊プレイボーイ編集長で現在はエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏の「書生」としてカバン持ちを経験、グルメの洗礼を浴びる。ホテルの配膳のバイト→和牛を扱う飲食店に就職した後、いろいろあって編集部バイトから編集者に。好きなものはオーセンティックバーとトラットリア。目前に迫るワインエキスパートの二次試験(テイスティング)に向け、ワインに溺れる毎日。
text: Eri Arimoto