ビールで太るってほんと? 気をつけるべき3点!

Gourmet 2023.09.23

昨日の夜もなにも考えずに飲んでしまった生ビール。本当は気にした方がいいの?ビールが下腹に与える影響をふるいにかけてみた。

230919-beer-getfat-01.jpgビールで太るってほんと?答えはそう単純ではないようだ。photography: Sebastian Ramirez Morales/Getty Images

栄養面から見て、多くの人にとってビールはNGだろう。身体に与える影響を“ビール腹”と称するくらいなのだから。飲んだ瞬間は軽快にのどを潤してくれるが、後から下腹に不要なプレゼントを残していくビール。でも、ビールで太るってほんと?土曜の夜に飲む確率が高いこの飲料の真相を明かしてみよう。

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犯人はアルコール度数

実は、答えはそう単純ではないようだ。確かにビールには太らせる可能性がある。理由は二つ。まず一つ目に、何であれ、口に運ぶものを大量に摂取すれば体はストックしようとするから。ジョッキを持ち上げる頻度が高ければ体重が増えるのは当然のことだ。
二つ目の理由は、ビールにはアルコールが含まれているから。「すなわち、エタノールという、わりと高カロリーな分子が入っているということです。例えば、1グラムの砂糖は4カロリーですが、エタノールは1グラムで7カロリー。ビールには更に糖質も含まれています」と栄養士のフラヴィー・ギュスマンさんは説明する。ビールのアルコール度数が高ければ高いほど高カロリーということだ。

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最もカロリーの低いアルコール

230919-beer-getfat-02.jpg「ビールは最もカロリーの低いお酒です」と栄養士で医師のコリーヌ・シシュポルティッシュ=アヤッシュさんは説明する。Photo Fotolia

アルコール度数が極端に高いビールでなく、飲む頻度がそこまで高くなければ、あまり危惧することはない。栄養士で医師のコリーヌ・シシュポルティッシュ=アヤッシュさんによれば、ビールは「最もカロリーの低いお酒」だそう。
ビールの文化と歴史の専門家であるフランス人のエリザベツ・ピエールさん(1)は2015年のインタビューでこの発酵飲料の効用についてこう語っている。ビールは栄養素もそれなりにあり、「大体90~95%が水、シリアル、糖質、ミネラル、ビタミンとアルコール」で構成されているそうだ。
コリーヌ・シシュポルティッシュ=アヤッシュさんも同意している。「酵母、ホップ、大麦にはビタミンB群、特にベジタリアンが積極的に摂りたいB12や、心臓血管病のリスクを減らしてくれるB9(葉酸)が含まれています。大麦には消化や、コレステロールや血中糖度を調整するためにも良い水溶性食物繊維が含まれています。科学的な証明は完ぺきではないものの、ホップには気持ちを落ち着かせる抗ストレス作用があるようです。」同専門家は、体の正常な働きのために必要なケイ素、カリウム、マグネシウムなどのミネラルもビールに含まれていると付け足した。

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つまみに注意

ビールは確かにたくさん飲めばその爪痕を残していくが、犯人は他にもいる。「ビールは味が薄いのでたくさん飲めてしまいます。更にセットでよく食べられているピーナッツやポテトチップスは質の悪いものであることが多く、塩分が高いので喉が渇くのです」と栄養士のフラヴィー・ギュスマンさんは指摘する。

被害を最小限に留めるためには、理性を保ちアルコールの量を監視することが必要だ。ノンアルコールビールを選べば、よりカロリーを抑えることができる。「穀類から来る糖質は含まれていますが、アルコールが無い分、低カロリーです。アルコール度数が5%のビールと比べると、ノンアルコールビールは30%から40%カロリーが減ります」と2017年のあるインタビューでエリザベツ・ピエールさんは答えている。製造者によっては砂糖やぶどう糖を追加していることもあるので注意が必要だ。

気を付けるべき落とし穴は2つ。低カロリーをうたっているビールは「糖質は減りますが、低アルコールではありません」とコリーヌ・シシュポルティッシュ=アヤッシュさん指摘する。フレーバー付きのビールは「大抵は砂糖が追加されているので要注意」とフラヴィー・ギュスマンさんは付け足す。そして、小ジョッキを自ら選択できるということも忘れないでおきたい。

(1)フラヴィー・ギュスマンさんは「Jus, smoothies, soupes & bouillons détox」Éditions Marie Claire, 5, 95 €の共著者である。
(2)エリザベツ・ピエールさんは「Choisir et acheter sa bière en 7 secondes」 Éd. Hachette pratique, 12, 90 €の著者。

Ophélie Ostermann (madame.lefigaro.fr) translation: Hana Okazaki

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