山下智久、モエ・エ・シャンドンのエスプリに触れる。
Gourmet 2023.12.20
幸福と成功を象徴する美しきシャンパン、モエ・エ・シャンドン。山下智久がその魅力を、最高醸造責任者のブノワ・ゴエズと語り合う。
「モエ・エ・シャンドン グラン・ヴィンテージ3部作 A Tale of Light(光の物語)」の3本のボトルを前に、シャンパンについて語り合う、ブノワ・ゴエズと山下智久。
1743年の創設以来、世界中で愛され続けているシャンパン、モエ・エ・シャンドン。メゾンの3代目ジャン・レミー・モエの「シャンパンの魔法を世界中に」という思いを受け継ぎ、今日にいたっている。フレッシュでフルーティ、誰からも愛される品格ある味わいはモエ・エ・シャンドンならではだ。
創業280年という記念すべき年に、俳優・歌手の山下智久がフレンズ オブ ザ ハウスに就任。2023年6月にエペルネに位置するメゾンを訪れ、その歴史とエスプリに触れた。
Benoît Gouez
大学卒業後、カリフォルニアやニュージーランド、オーストラリアなど世界各国のワイナリーで研鑽を積み、1999年にモエ・エ・シャンドンに入社。2005年に35歳の若さで最高醸造責任者に就任した。
Tomohisa Yamashita
1996年より芸能活動を開始。近年は海外の作品にも積極的に参加、ハリウッド映画『マン・フロム・トロント』(2022年)に出演するなどグローバルに活動。主演を務めた「神の雫/Drops Of God」がHuluで配信中。
── 山下さんをフレンズ オブ ザ ハウスに迎えたのは、どのような理由からだったのですか?
ゴエズ:まず、私たちはメゾンのパートナーとして迎えるには誰がふさわしいかを熟考しました。そして名前が挙がったのが山下智久さんでした。彼の世界的活躍は知っていましたが、何より彼の仕事に対する妥協なき姿勢と、内面から放たれる知性とエレガンスに惹かれました。
山下:ありがとうございます。僕自身シャンパンは大好きで、仕事の打ち上げなどでよく仲間と飲んでいましたが、実際にオファーをいただいた時は正直驚きました。自分はまだ深くシャンパンを知らない、自分でいいのだろうかと。でもモエ・エ・シャンドンは大好きでしたから、とても光栄でした。
メゾンを訪れた6月は、ブドウの葉が青々と茂り、実も付き始めた頃。「どこまでも続く壮大な畑の風景に肩の力が自然に抜け、癒やされました」
── 実際にメゾンを訪れていかがでしたか?
山下:全長が28キロメートルあるという地下カーヴの広大さに圧倒されました。また、当主のジャン・レミー・モエがナポレオンを迎えたという庭の槐(えんじゅ)の木の前に立ってみたり、ナポレオンの間に通していただいた時には、メゾンが歴史を語りかけてくれているようでとても感動しました。
ゴエズ:畑も見ていただきましたね。
山下:はい。広大な畑では、自然の中に溶け込むような感覚があり、「自分も自然の一部なんだ」と感じました。同時に、あの美しい味は、この土壌から生まれるのだな、と思いました。
── ご自身の生まれ年の「モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ1985」も飲まれたとか。
山下:素晴らしいサプライズでした! 酸がフレッシュで生き生きとして、「38年という熟成を経ても、こんなに美しいのか」と驚きました。
ゴエズ:85年ヴィンテージには、センセーショナルなほどの奥深さがあります。ドライフラワーのような香りを持ち、とてもエネルギッシュな印象ですね。
山下:ゴエズさんのコメントをお聞きして、いま、メモを取りながら飲みたいと思いました(笑)
ゴエズ:山下さんがモエ・エ・シャンドンを深く理解してくださって、本当にうれしいです。私たちのチームは、決して妥協しません。そして常に、さらなる高みを目指したいと願っています。それは山下さんの仕事への姿勢と共通していて、シンパシーを感じます。
「シャンパンで思い浮かぶのは、親しい友人とシェアする幸福な時間。これからも、何かうれしいことがあった時にはモエ・エ・シャンドンを開けると思います」と山下。今回、メゾンを訪れて強く感じたのは" 歴史が造り出す味" の奥深さで、エペルネへの旅は彼にとっての大きなエポックになったと言う。
──メゾンを訪問したことで、何か意識は変わりましたか?
山下:モエ・エ・シャンドンの深い魅力に触れ、もっとシャンパンを知りたい、勉強したいと思いました。僕の中でのシャンパンのイメージは、特別で楽しいひと時を過ごす日のご褒美のようなもの。そのひと時を仲間と分かち合うために、日々頑張ろうと思えます。"自分自身を鼓舞してくれるもの"という意識が強くなりました。
ゴエズ:そう思っていただけるのは、造り手冥利に尽きます。またぜひ、エペルネでお会いし、乾杯しましょう!
News
モエ・エ・シャンドングラン ヴィンテージ3部作とは?
最高醸造責任者が特定の年に収穫したブドウの個性を解釈、まばゆい光を感じた年の3ヴィンテージをセレクト。
山下智久とブノワ・ゴエズのインタビュー動画はこちらから>>
www.moet.com/ja-jp/mmm2023
text: Kimiko Anzai