フランスで最も飲まれているワインTOP10とは?

Gourmet 2024.02.10

「山あり谷あり、うれしい驚きあり、得るところはおおいにあった」これが、フランスで最も飲まれているワインTOP10のテイスティングをした感想だ。皆さんにもぜひ試飲をお勧めする。(※編集部註:本記事はフランス「FIGARO VIN」の翻訳記事です。紹介するワインのうち、日本に流通していないものも含まれます。)

ワインスノッブにならないために

このランキングはフランス人の嗜好についてどんなことを物語っているのだろうか。それを知るために私たちは素直にテイスティングという崇高な行為に身を委ねた。その結果は予想以上に納得のいくものだった。確かに最高級のワインとは違う。だがブラインドテイスティングをすれば、もっと高いワインとも遜色のないものもあった。知ったかぶりの「ワインスノッブ」と言われないためにも、ワイン好きの人にはぜひ、これらのワインをテイスティングし、フラットな評価をすることをお勧めしたい。

調査方法:この記事で言及されている数字は、ワイン消費市場の調査と分析を専門とするロンドンのコンサルタント会社WIが実施した調査に基づいている。各ブランドのキュヴェの選択は、パリおよびフランス各地方のスーパーマーケットおよびハイパーマーケット・チェーン数社を対象とした調査による。
(※編集部註:日本円の表記は、編集部調べの国内流通価格です。)

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10位 ベルナール・マグレ - レ・ピエール・フェンドゥ 2021

編集部註:写真はヴィンテージ違い。2024年現在、日本未入荷。

産地:ラングドック・ルーション
価格:6.89ユーロ
2023年、ベルナール・マグレは見事、12.4%アップで順位を3つ上げ、トップ10入りを果たした。実のところどのキュヴェがこの急上昇の原因なのかの情報を正確に得ることができなかった。そこでIGPペイ・ドックのワインで、入門レベルのレ・ピエール・フェンドゥを取り上げることにした。メルローとシラーのしっかりしたブレンドで、その出自からすると驚くほど飲みやすく軽い。

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9位 JP シェネ - ペイ・ドック カベルネ・シラー 2022

産地:ラングドック・ルーション
価格:9ユーロ(※実勢価格¥1,600、編集部調べ)
1980年代半ばからグラン・シェ・ドゥ・フランスによって生産され、特徴的な傾斜ネックのボトルで知られるJPシェネは、4.8%のアップでトップ10に返り咲いた。テイスティングでは木樽熟成ばかりの中で、ステンレススチール熟成が、ほんのひととき、安らぎを与えてくれた。香りは黒い果実よりも甘草が優勢で、味わいはややドライ。もっと丸みがあるとうれしい。

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8位 バロン・ド・レスタック ボルドー2020

産地:ボルドー
価格:4.7ユーロ(※実勢価格¥1,300、編集部調べ)
数字を0.2%とわずかに下げただけでトップ5から外れ、3つも順位を下げてしまった。しかしながらボルドーワインとしてはスーパーマーケットで売上No.2を維持している。香りも味わいも、すすのように黒ずんだ色調のなかに、たっぷりとバニラ香があり、熟成に使われたアメリカン・オークの樽の力強さを反映している。さらに心地よいタンニンがこの手のワインファンを魅了する。

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7位 E.ギガル - コート・デュ・ローヌ 2020

編集部註:写真はヴィンテージ違い

産地:ローヌ渓谷
価格:9.50ユーロ(¥1,540)
ランキングで8.5%アップし、順位をひとつ上げた。ギガルは2023年、フランスワイン愛飲家のお気に入りのワインブランドのひとつとしての地位を確立し、トップ10におけるローヌの存在感をさらに強めた。シャプティエ同様、このコート・デュ・ローヌも注目に値する。力強いがバランスが取れており、堂々としているが、ある種のエレガンスもある。米国の著名な批評家たちの言葉を信じれば、このキュヴェの点は90/100点であってもおかしくないらしい。

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6位 セリエ・デ・ドーファン - コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ 2022

編集部註:写真はヴィンテージ違い。2024年現在、日本未入荷。

産地:ローヌ渓谷
価格:3.65ユーロ
フランス人が好む動物No.4、ドーファン(=イルカ)の名前が入ったブランド名だが、これはもともとドーフィネ地方のワインだった名残に過ぎない。第6位を保持しつつも、ほんのわずか、0.8%数字をアップさせた。テーブルワインのイメージにぴったりの素朴な赤で、しっかりとした木の香りが漂い、首の後ろをタップして挨拶してくれているような、フレンドリーなワインだ。

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5位 M. シャプティエ - コート・デュ・ローヌ 2022

編集部註:写真はヴィンテージ違い。2024年現在、日本未入荷。

産地:ローヌ渓谷
価格:6.95ユーロ

華々しくトップ5入りしたのはローヌ地方の巨人、シャプティエの入門キュヴェ。同社のプレスティージュ・キュヴェはオークション市場で大人気だが、こちらはグルナッシュとムールヴェードルのクラシックなブレンドで、度数は14.5%。もちろん、高貴なヴィンテージワインとは比べられないが、このランクでは最も美味しいワインのひとつだろう。豊満なブラックベリーと樹皮のアロマ、華やかで説得力のある味わい、若さにもかかわらずしなやかなタンニン等。確かな価値のワインだ。

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4位 リステル - グラン・ド・グリ

産地:ラングドック・ルーション
価格:3.79ユーロ(¥1,727)
第4位になってようやくロゼの登場だ。第一印象として、味わいも色調も予想通り。淡いサーモンピンクにピーチ・メルバやアイシングシュガーのアロマ、口に含めばイチゴとフルーツキャンディーのどこかで飲んだことがあるような味。要はあまりパッとしないのだが、夏の観光客にはまだ根強い人気がある。少し値上げをしたことで、2023年にはトップ3の座から落ちてしまった。

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3位 ヴュー・パープ

産地;ローヌ渓谷
価格:2.59ユーロ(実勢価格¥900)
このワインをいそいそと買う人も、恐る恐る買う人もいるだろうが、いずれにせよ最も入手しやすいワインのひとつであることに変わりはない。適度なアルコール度数(12%)のテーブルワインで、色調はルビー、アロマは鹿のシチューから果実味のアクセントが加わる。口に含むと力強い酸味、カシスのノート、そして角の取れたタンニンを持つ。

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2位 ロシュ・マゼ カベルネ・ソーヴィニヨン

産地:ラングドック・ルーション
価格:2.63ユーロ(実勢価格¥1,300)
ある人にとっては学生の頃、近所のミニスーパーに夜、買いに走り、朝になると紫に染まった唇に後悔しきりだったおぼろげな記憶と結びついていたり、またある人にとっては、実家での日曜日の昼食に持っていくべき1本だったりする。主観的な感想としては明確な素朴さ、肉食系アロマ、ごくわずかにフルーティーな、荒々しい味わい。デキャンタで楽しむのが良いように思う。

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1位 バロン・フィリップ・ド・ロートシルト - ムートン・カデ 2021

産地:ボルドー
価格:10.95ユーロ(¥1,100)

ボルドー愛好家の間では有名なクラシックワインだが、Z世代にはあまり知られていない。赤ワインの"黒い羊"は、メルロ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンの三巨頭の伝統的なブレンドで、歌姫の如きルビーレッドの色調、ブラックチェリーとオークの力強いアロマ。ブラックベリーの土っぽい香りをほのめかすタンニンが口中に広がり、最後にたっぷり胡椒の風味が加わる。

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text : Alicia Dorey (lefigaro.fr)

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