世界のフーディーが注目する、「JAPANESE SEAFOOD」の魅力とは?

Gourmet 2024.03.15

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「Sushi(寿司)」「wasabi(わさび)」「sake(酒)」......。いまや世界のどこへ行ってもそのままで通用するようになった日本の食。各国の主要都市には必ずと言っていいほど行列のできる日本食レストランがあり、世界トップクラスのレストランには、日本産の食材を愛して止まないシェフも多いという。そんな世界の食に精通したフーディーたちが、いま注目しているのがホタテ、ぶり、タイをはじめとした日本産水産物。

日本の豊かな海洋環境が生み出す品質の高い水産物の魅力を探った。


ホタテ、ぶり、タイ......日本の海の恵を世界へ

2024年3月5日から8日の4日間、東京ビッグサイトで開催されたのは、アジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN2024」だ。その初日となる3月5日、会場内のプラチナビジターラウンジでは、農林水産省主催のネットワーキングレセプションが催されていた。

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レセプションの会場となった東京ビッグサイト内の特設会場(プラチナビジターラウンジ)。

今回どのような背景で日本産水産物にフォーカスしたレセプションの開催が決まったのだろうか?

日本産水産物は、その品質の高さに加え、鮮度を保つための伝統的な手法など、日本独自の高い技術も相まって海外でも非常に高く評価されてきた。

しかし、昨年8月のALPS処理水放出以降の一部の国・地域による日本産水産物に関する輸入規制の強化の影響で、日本の水産事業者は苦境を強いられている。そこで、今回のレセプションは、日本産水産物のさらなる輸出拡大や輸出先の多角化に向けて、日本国内の水産事業者と海外バイヤーが試食を楽しみながら直接交流できる、ビジネスマッチングの機会を設けることを目指し、開催が決まったのだ。

会場には、世界の食を知り尽くしたバイヤーたちだけでなく、フード業界で有名なインフルエンサーやフードライター、メディアなどの姿も。

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海外バイヤーや国内事業者など、多くの参加者で賑わう会場。

レセプションには、アメリカ、カナダ、スペインなどの欧米諸国や、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポールなどの東南アジア、さらにはUAE及びインドなど、幅広い国・地域からバイヤーが招待された。世界各国の日本産水産物への高い注目度がうかがえる。

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展示スペースで自社の商品をプレゼンする国内事業者と海外バイヤー。

国内事業者と海外バイヤーの貴重なビジネスマッチングの機会とあって、会場内は賑わいを見せていた。

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品質の高さ、キーポイントは"技"

そもそもなぜ、日本産水産物は品質が高いと言われているのだろうか?

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その答えの一つが、水産物の生み出される環境。ご存知の通り、日本は国土をぐるりと海に囲まれた島国だ。そのため各地で漁業文化が根付き、それぞれの地域の地形や海洋環境、気候などの特徴により、水揚げされる水産物も種類豊富だ。

環境の違いにより、同じ品目でも見た目や味わいが異なる。それぞれの地域で水揚げが盛んな水産物を使用した、魅力ある郷土料理も数多くあり、何度も日本を訪れているフーディーでも、そのバラエティの豊かさには驚くはずだ。

また品質についても、日本ならではの技術がある。大昔から海とともに暮らしてきた日本人は、漁法や使う道具、保存技術なども、長い歴史の中で最適なものを見出してきた。昔ながらの伝統的な保存方法は、漁師たちの間で伝承され、受け継がれてきた。

例えば、魚の鮮度を保つ手法である「活け締め(神経締め)」もその一つだろう。

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レセプションの中では、現場で活躍する漁業関係者によるトークセッションも行われた。写真は、活け締めについて説明する石川県輪島市の漁師の田井太也(たい たかなり)氏(中央)と、同市で鮮魚店を営む中小路武士(なかしょうじ たけし)氏(左)。

活け締め(神経締め)とは、生きた状態の魚をすばやく処理して鮮度を保つ手法のこと。特殊なワイヤー状の器具を使って、魚の中骨上部に沿って走る神経を破壊することで、鮮度が保たれるのだ。

ゲストとして登場した卸のプロ川口利之(かわぐち としゆき)氏も、穴子の鮮度を保つため活け締めをすると同時に、マイナス40度に瞬間冷凍していると語った。

「美味しい穴子は見た目が白く、赤い斑点が魚の表面にあるのが特徴。これが鮮度の良い証拠です」

日本産水産物の品質を支えているのは、伝統の技と日々進化する保存技術。それらも含めて、日本産水産物の魅力はもっと海外へも発信していくべきだろう。

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日本産水産物から広がるユニークな料理

この日会場では、シェフによる調理デモンストレーションも開催。元公邸料理人のシェフ工藤永良氏が登場し、会場に設けられた特設ステージ上のキッチンで新鮮な北海道産ホタテ、石川県能登半島産のぶり及びタイなどを使った料理を華麗に披露した。

提供された料理は全6品。新鮮な日本産水産物に一手間を加え、味噌や柑橘類など日本産の食材とのマッチングも計算されている。その一部を紹介しよう。

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「ホタテのグリル 味噌ガーリックバターソース」
肉厚で味わい深い北海道産ホタテの貝柱に塩コショウをしてシンプルに焼き上げた逸品。ガーリックバターに日本の伝統的な発酵食品である味噌と醤油、さらに香り豊かな味醂、柚子果汁、レモン果汁を加えた香ばしいソースとともにいただく。

「刺身でも食せるほど鮮度の良いホタテは、あまり火を入れすぎないのがポイント。両面に少し焼き色がつくぐらいのレアでぜひお召し上がりください。ソースに使用している味噌は和食だけでなく、フレンチやイタリアンとも合います」

工藤シェフが語る通り、王道の和食としてだけでなくホタテはワールドワイドな料理とも相性がいい。フレンチやイタリアンなど洋食として、さらにはスパイスの効いたアジアの料理ともマッチする。そこにほんの少しエッセンスとして、味噌や醤油といった日本の調味料を加えたアレンジをすれば、ユニークな一皿が完成する。

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「真鯛のカルパッチョ 梅紫蘇ドレッシング」
やはり鮮度の良い水産物ならば、刺身で味わいたい。新鮮な鯛をカルパッチョ仕立てて、梅肉、大葉、フルーツトマト、ポン酢、オリーブオイルを合わせた特製ドレッシングでさっぱりと。彩りに熊本県産の柑橘類 晩白柚、キンカンが添えられている。さっぱりとして臭みのない真鯛は、柑橘類のフレッシュな香りと相性がいい。冷えた白ワインやスパークリング日本酒などとのマリアージュが楽しめそうだ。

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「焼きブリ大根 照り焼きソース柚子風味」
日本の冬のシグネチャー的な一皿といえばぶり大根だ。石川県能登半島産のぶりは脂がのっていて、口に入れた瞬間に旨みが広がる。素材本来の味を楽しむために、塩こうじでマリネしてふっくらと焼き上げられた美しいぶりと、一番出汁でじっくりと煮込んだ大根は口の中でとろける。甘辛い照り焼きソースと爽やかな柚子の香りに食欲もそそられる。ぜひ日本酒と合わせたい。

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日本産ホタテの魅力やアレンジの方法を語る元公邸料理人の工藤シェフ

工藤英良
公邸料理人として、10年に渡り、カナダ、中国、フランスにおいて世界各国の賓客に和食をふるまってきた。2020年より「出張料理人」としての活動を開始し、1日1組限定特別コース料理の提供、レシピの開発、講演活動など、幅広く活躍。

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工藤シェフのプレゼンテーションとともに来場者も試食を行った。

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インフルエンサーもSNSを活用して日本産水産物の魅力を発信。

会場で試食を行ったバイヤー達からは、感動の声が。日本産食材や調味料との組み合わせで、日本産水産物の可能性はさらに広がる。

また、当日会場にいたインフルエンサーの中には、試食風景をライブ配信する姿も。いままでにない日本産水産物の楽しみ方や感動をリアルなの言葉で世界へ向け発信していた。

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日本酒、日本ワインとのマリアージュも

この日は、料理に合わせて酒類も振る舞われた。会場中央のバーカウンターには、日本各地から取り寄せられた日本酒に日本ワイン、そして日本産果実を使用したジュースやお茶などが並ぶ。

料理とのペアリングを考慮してこの日厳選された日本酒は、酒どころとして有名な石川、富山、福島などの酒蔵で製造されたもの。また、乾杯酒には、海外でも近年知名度を上げているスパークリング日本酒「AWA SAKE」も振る舞われた。

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厳選された日本酒はどれも新鮮な水産物と相性の良いものばかり。

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石川県能登半島のワイナリーで生産された日本ワイン。能登半島地震の被災地の復興への願いも込めて提供された。

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味の特徴を見ながら料理とのペアリングを楽しんだ。

水産物とのマリアージュを堪能したフーディからは、味わいの違いやボトルのデザインに「ユニークな酒」「これが日本酒?」という驚きの声も聞こえてきた。

国産の酒類や飲料も日々進化を遂げている。ユニークな味わいや食事とのペアリング、デザイン性の高さなど特色も幅広い。日本産水産物とともに、今後海外から注目されるものの一つだろう。

海外バイヤーたちフーディーの満足げな表情から、今回のレセプションの満足度が高かったことがうかがえる。この機会を通して新たな日本産水産物の可能性とともに、自国のレストランや食品関連企業へ紹介できる魅力を持ち帰ったことだろう。日本産水産物が今後さらに海外へ渡り、「JAPANESE SEAFOODO」として、「TEMPRA」「RAMEN」などと並ぶ海外スタンダードな食材となる日は、そう遠くないかもしれない。

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