クラウディー ベイ誕生40年、ブドウ畑と大自然の饗宴。
Gourmet 2025.05.20
世界が認める個性と味わいを持つ、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン。その立役者であるクラウディー ベイの誕生から40年、世界から40名のゲストが駆けつけた。
ブドウ畑にロングテーブルを設えたロングランチを実施。ゲスト同士、ワインや料理について楽しく意見を交換。
ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの歴史は、醸造家デヴィッド・ホーネンが1980年代初頭、マールボロで造られたソーヴィニヨン・ブランのワインを飲み、そのポテンシャルを確信したことに始まる。1985年にワイナリー、クラウディー ベイを創業。そのファーストヴィンテージは後に「世界が白に目覚めた一本」と称賛され、ニュージーランドはソーヴィニヨン・ブランの銘醸地としての名声を確立した。そして2025年、ワイナリーは誕生40周年を迎えることとなった。創業者ホーネンをはじめ世界を代表するレストランオーナーやソムリエ、ワインジャーナリストたち40名がマールボロを訪れ、その節目を盛大に祝う3日間のイベントが行われた。
数々の名門ワイナリーを手がけてきた醸造家デヴィッド・ホーネン。
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ブドウ畑から眺めた山の稜線が、ラベルデザインに反映されている。
ゲストたちはマールボロに点在する畑を訪問。品種ごとの栽培責任者の解説を聞きながら収穫直前のブドウ畑を歩いて回り、土壌や傾斜、気候を確かめながらワインを試飲していく。海抜の低い土地の畑はソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、冷涼な高地ではシャルドネ、ピノ・ノワールを栽培。区画ごとに日照量や土壌が異なるため、ブドウの個性も変わる。
樹勢をコントロールし、果実の熟成度、酸度を適正に保っている。
ソーヴィニヨン・ブランの場合、80もの区画でブドウを育て、それぞれワインを造り、そこから最良のものだけをブレンドしている。セミナーの時間では、ゲストも畑ごとのワインを試飲し、ブレンドの過程を追体験した。
テイスティングセミナーは熟成庫を会場に行われた。
畑ごとに醸造された天然酵母使用の上位キュヴェ「テココ」を試飲、ブレンドしていく。
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栽培、醸造の両方を指揮するテクニカルディレクターのジム・ホワイトは、同社の哲学と「ソーヴィニヨン ブラン 2024」についてこう語る。
「1985年から『最良のものだけをボトリングする』という姿勢は一貫しています。ソーヴィニヨン・ブランはアロマティックで酸味があり、食事に合わせやすい。ワインをよく知らない人でも親しみやすいし、愛好家にとっては香りの多様性、余韻の変化に発見がある品種。40年記念リリースとなった24年は特に素晴らしいヴィンテージです。いま飲むとフレッシュですが、10年熟成させてもそれをキープしたまま、複雑さが現れるポテンシャルがあります」
ワイナリー名の由来となった、マールボロ東部にある入り江クラウディーベイをクルーザーで航行。
ワイナリーのランチでは、新鮮な貝を前菜に爽やかで酸味あふれる「ソーヴィニヨン ブラン 2024」を口いっぱいに堪能。夕方にはクルーザーに乗って南十字星の輝く浅瀬に出かけ、ジュラ期から生えているという巨大なシダの木陰でバーベキューとともにマグナムボトルで10年熟成されたピノ・ノワールのなめらかな果実味を味わう。翌日、畑で行われたロングランチでは少量生産のスパークリング「ペロリュス ロゼ」、マグナムで熟成された「ペロ リュス ヴィンテージ 2009」の提供で気分は最高潮に......。ニュージーランドの大自然から生まれた素材を生かした料理、圧倒的な景観、そして毎日ワインを愉しんで意見を交わし合った世界中の友人たち。クラウディー ベイを最高に味わうための空間が結実する。最終日、パーティの後でグラスを手に笑顔でホワイトは語った。
日本未発売の「ペロリュス ロゼ」をクープグラスでタワーに! ワイナリー誕生40周年を祝う。
「10年前、私は栽培責任者として30周年を祝いました。この10年で変わったのは、素晴らしいスタッフたちが増えたこと! 栽培面も、醸造面も、マーケティングも......サステナビリティを大切に、デヴィッドが始めたことを次世代に引き継いでいきます」
クラウディー ベイ
ソーヴィニヨン ブラン 2024
750ml ¥5,170/MHD モエ ヘネシー ディアジオ
柑橘、アプリコット、オレンジの花の深みある香り。パッションフルーツ、白桃、ライム、ピンクペッパー、ピンクグレープフルーツなどの味わいが溶け込み、口いっぱいに広がる。爽やかな塩味と酸味があり、長い余韻が続く。