【フィガロジャポン35周年企画】 チョコレートとワインの物語を堪能する「ご褒美ペアリングコース」イベントを開催。
Gourmet 2026.01.22
2025年3月、創刊35周年を迎えたフィガロジャポンでは、「アールドゥヴィーヴルへの招待」をテーマに読者の皆様にさまざまな体験の場を提供しています。
2025年12月22日には、ルシェルブラン表参道にて「チョコレートとワインのご褒美ペアリングコース」を開催。東京・中目黒に本店を構えるグリーン ビーン トゥ バー チョコレートと、フィガロワインクラブによる、特別なペアリングコースの一夜をレポートします。

会場では、本日提供されるワインのボトルがお出迎え。
今回のイベントは、映画『The Taste of Nature II 幻のカカオを探して』の特別上映とともに、シングルオリジンのカカオにこだわったグリーン ビーン トゥ バー チョコレートのクリエイションに、ワイン&フードジャーナリストの浅妻千映子さんが選んだワインをペアリングして、コースとして味わっていただく特別な一夜だ。
ウェルカムドリンクとして用意されたのは、南アフリカの「グラハム・ベック ロゼ」。来場した参加者たちは、きめ細かな泡立ちのスパークリングを楽しみながら、開演までのひとときを思い思いに過ごす。

ウェルカムドリンクとして提供されたグラハム・ベック・ロゼ。メニュー表では、カカオやワインの産地、品種などをご紹介。
全員が着席したところで、映画『The Taste of Nature II 幻のカカオを探して』の上映がスタート。グリーン ビーン トゥ バー チョコレートオーナーの安達建之さんが、幻のカカオを求めて世界中を旅するドキュメンタリーだ。
『The Taste of Nature II 幻のカカオを探して』は、Prime Videoでも配信中。
最高級のカカオと称されながら、約100年前に絶滅した幻の品種「ナショナル」。2007年にペルーで発見されたナショナルと全く同じDNAを持つカカオを巡って、ストーリーは展開していく。ペルーからボリビア、そしてアフリカへとカカオを追う旅の過程で、カカオ農家が直面する貧困や市場構造の問題についても丹念に描かれる。

雄大な自然とカカオに携わる人々の営みが綴られる。
上映中のテーブルには、映画にも登場した「フォートゥナート NO.4」、「カミリ」など4種類のチョコレートをご用意。ペアリングは「ドンナフガータ ヴェッサライ」。チョコレートと同じ香りを持つ、フルーティでエレガントなシチリア産の赤ワインだ。

左から、幻のカカオを用いた「フォートゥナート NO.4」、北米最大のチョコレートの祭典で金賞を受賞した「カミリ」、クリスマスシーズン限定のボンボンショコラ「イチゴ」と「ピスタチオ」。

参加者たちは、ベリーや野いちご、バラを思わせるワインの香りとチョコレートとのマリアージュを楽しみながら、映像に引き込まれていた。
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上映終了後は、監督、出演者である安達建之さんと、ワイン&フードジャーナリストの浅妻千映子さんによるトークイベントの時間に。

本誌でも活躍するワイン&フードジャーナリストの浅妻千映子さん(写真左)と、グリーン ビーン トゥ バー チョコレートのオーナーで、映画監督、写真家の安達建之さん。
秘蔵の写真とともに、撮影時の逸話を披露する安達さん。「幻のカカオが発見されたペルーのマラノンキャニオンでは、カカオの木にシトラスやバナナの木が絡みつくように自生しているんです。こういう環境がカカオの風味に影響するんだと、実際に見て感動を覚えました」

「なるべく多くの方に、実際に触れた"一次情報"を届けたい」という安達さん。
実はチョコレートとワインには共通点が多いというお2人。「豆自体の力、栽培する土地の気候、発酵の過程、この3つがチョコレートの50%を決めます」という安達さんに、「ワインと同じですね」と頷く浅妻さん。カカオもブドウも、産地や農園、収穫時期によって全く味わいが異なるという話に、参加者たちも興味深く聞き入っていた。
トークショー中のテーブルには、グリーン ビーン トゥ バーを代表する「ザ・エクレア」に合わせ、ブラジルの芳醇な赤ワイン「クラシック タナ」をご用意。

塩キャラメルソースを忍ばせた土台に、繊細なカカオのクリームをあしらった「ザ・エクレア」。

国の大きなブラジルは、カカオとワインが両方できる世界でも珍しい国。ワインは国の南部で生産されている。
「タナという品種は、タンニンの語源になったほど本来は重めなんです。今回選んだ1本はエレガントで、ベリーや樽由来のバニラの香りにチョコレートと通じるものがある。繊細なエクレアと相性が良いと思いました」(浅妻さん)

「いろいろ試してもいいし、1本を深掘りするのも面白い。ぜひワインをいろいろな角度から楽しんでいただけたら」という浅妻さん。
「味の相性だけで選んだわけではない」というペアリングした3本について、それぞれワイナリーの歴史や作り手の想いを、丁寧な言葉で語る浅妻さん。背景にあるストーリーを知ることで、参加者もより味わいが深まったはず。
トークイベント終了後の会場には、グリーン ビーン トゥ バー チョコレートで実際に使われているカカオの展示や、映画に登場した「幻のカカオ」を用いたチョコレートの販売も。

「フォートゥナート NO.4」、「カミリ」のギフトボックス。現地の風景にインスパイアされて生まれた手作りの包装紙も美しい。
自ら販売コーナーに立ち、製品について説明する安達さん。「今日はたくさんの方にお会いできてよかった。チョコレートや映画を通して、世界の現状を少しでも知っていただけたらと思います」(安達さん)

参加者とともに、会場内は終始和やかなムードにあふれていた。
ワインとチョコレートのペアリングを通して、その背景にあるストーリーまでも五感で味わう特別なイベント。ほんのり上気して会場をあとにした参加者にとって、記憶に残る体験だったことを願いたい。

photography: Mari Hamada text: Namiko Uno
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