ひと口で幸せになれるチョコレート。その理由は......。
伊勢丹「サロン・デュ・ショコラ」で解明!
Gourmet 2009.01.29
毎年、大人気のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が1月21日から26日まで、伊勢丹新宿店で開催された。
ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマのシェフ、土屋公二氏も会場内を飛び回っていた。
本館6階には、世界中から16カ国65ブランドのショコラティエの作品が集結。毎朝開店とともに、すでに大賑わいだった。みな店頭に立つお目当てのショコラティエを目指して、サインを頼んだり会話を交わしたり。ショコラティエ同士も仲良く立ち話。会場内はまるで、文化祭のような和やかな雰囲気だ。
世界各地から集まったショコラティエたち。みんな仲良し。右から2人目が、2003年にショコラティエM.O.F.を取得し、初来日となるフランク・ケストナー氏。
行列をなしていたのは「ショコラバー」。31種類のボンボンショコラから3個を選んでドリンクが付くセットを基本に、さらに3個を追加できたり、ワインをプラスしたり。ここでテイスティングした後、気に入ったブースへ向かう人、ひとつひとつ味比べをしながら研究する人など、甘く奥深いチョコレートの世界に魅入られた人たちの熱気に満ちていた。
クリスティーヌ・フェルベール氏が手がけたアートをテーマにしたショコラ。宝石と名づけられたショコラは、実際に見ると本当に繊細で美しい。
ショコラバーでボンボンショコラセット¥1,050を。31種類の中から、フィリップ・ベル、ベルナシオン、メゾン・フェルベールの3個をチョイス。
来日したショコラティエやパティシエたちのセミナー&デモンストレーションも行われた。初来日で、フランス国内でも18人しかいないM.O.F(フランス国家最高職人)ショコラティエのひとり、フィリップ・ベル氏は、カカオの実からチョコレートになるまでのプロセスをレクチャー。フランスの小さな町、モンブリゾンに店を構えるベル氏は、自ら豆を仕入れ、クーベルチュールから作る職人だ。実際のカカオ豆、カカオバター、カカオマスをセミナー参加者に配りながら、「アフリカや中南米、カリブ海諸島などカカオの生産者の苦労は並大抵ではないうえに、最も貧しい。この現状をみなさんにも知っておいて欲しい」と語った。
誠実な人柄がうかがえるフィリップ・ベル氏。自分で手がけていないものはいっさい売らない、という信条の持ち主。
ベル氏がセミナーで配ってくれた、カカオバターや数種類のカカオマス、そしてカカオ分66パーセントのチョコレート。
フィガロ ジャポン読者限定のイベントも開催された。アルザスに「メゾン・フェルベール」という店を持つ、クリスティーヌ・フェルベールさんによるデモンストレーションだ。目の前で、最後に試食することになるデザートを手際よく作りながら、「パン屋だった父はいちばんおいしいケーキは母のだと語っていたわ」、「庭には100本のバラの木があり、6月になると毎朝、母と叔母が花びらを摘み、これをジャムに。完全なるオーガニックよ」、「父から教えてもらったベラ・ベッカを、45年来の友人のピエール・エルメは世界で5本の指に入る味と誉めてくれるの。彼のお父さんもパン屋だったけれど、作り方を教わらなかったそうよ」と絶えず笑顔で語る。参加者たちはその間も、熱心にレシピをメモしたり、写真を撮ったりしていた。
クリスティーヌさんがデモンストレーション中に完成させたデザート。フルーツサラダと焼きあがったばかりのパン・デ・ピス。
レシピとともに、故郷のアルザスについて、歴史とお菓子を結びつけた話は興味深い。「根っこを大切にしたい。そして、手仕事も」
ローズやミント、タイムのガナッシュや数種類のパン・デ・ピスが配られた後、最後にクリスティーヌさん自らの手でデザートが白い皿に盛り付けられると歓声が。フィガロ ジャポン編集長とクリスティーヌさんによる抽選で10名にプレゼントが手渡され、閉会した。
フィガロ ジャポン編集長の塚本香とクリスティーヌ・フェルベールさん。
「サロン・デュ・ショコラ」はこの後、1月28日から2月15日までのジェイアール京都伊勢丹(京都)をはじめ、静岡伊勢丹(静岡)、岩田屋本店(福岡)ほかでも開催予定。
●問い合わせ先:ジェイアール京都伊勢丹 tel 075・352・1111
静岡伊勢丹 tel 054・251・2211
岩田屋本店 tel 092・721・1111