気分を新たにするソファと照明 ジュエリーのように輝く最新照明案内。
Interiors 2018.12.19
ただ部屋を明るくするのではなく、夜を美しく演出することも照明器具に与えられた役割のひとつだ。今年発売された照明器具から特にデザイン性の高い新作6点を紹介する。
ミニマムに進化した現代のシャンデリア。
フロス「アレンジメンツ」
ラウンドとラインをつなげた「Arrangements」¥201,960~(写真のタイプは¥304,560)
ラウンド、スクエア、ドロップ、ラインという4種のモジュールをジュエリーのように組み合わせ、そこからさまざまな形を生むのがフロスの「Arrangements(アレンジメンツ)」だ。天井から吊り下げる照明をペンダントと呼ぶが、デザイナーのマイケル・アナスタシアデスはアクセサリーでも同じ言葉が用いられることから両者を結びつけつつ、幾何学的なシャンデリアをデザインしていったという。フロスはパーツをつなぐ仕組みを新たに開発し、エレメントの形や順序、数量を自由に組合せることを可能にした。同社のウェブサイトで「Make your Arrangements」と名付けられたツールを入手すれば、空間のサイズやエレメントの組み合わせを検証することができる。
サークルはサイズも豊かに揃う。同じモチーフを重ねても美しい。
こちらはドロップとラインを接続させたもの。
フロス スペース
東京都港区東麻布1-23-5 PMCビル 8F
tel:03-3582-1468
営)11:00~17:00(完全予約制)
休)土・日・祝
http://japan.flos.com
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繊細な細工から生まれるレースのような光。
モーイ「メッシュマティックスシャンデリア」
逆さになったクラゲが浮遊しているような「メッシュマティックスシャンデリア」¥518,400
1986年生まれの若きオランダ人デザイナー、リック・テグラーがデザインした「メッシュマティックスシャンデリア」は、サイズの異なる半球状のメッシュを三層に重ね、レースのように繊細な表情を描くモダンなシャンデリアだ。薄くて柔らかいワイヤーを職人が手で引き延ばすことで絶妙なムラをもつ間隔を生み出しているといい、これによってワイヤーを三層に重ねると絶妙なモアレの表情が生まれる。光を灯すことで生まれる繊細な表情はもちろん、光を灯さずとも彫刻的で美しい。
三層の重なりがモアレを生み、昼間に光を灯さなくとも美しい表情をもっている。
繊細で細いワイヤーで作られた、軽やかなメッシュの表情。
モーイ・トーヨーキッチンスタイル
東京都港区南青山6-11-1 スリーエフ南青山ビル
tel:03-3400-1040
営)11:00~19:00
休)水
https://moooi.co.jp
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ふたつの光をもつデザインLED電球。
プルーメン「プルーメン003」
光の真下にある本はしっかりと白い光で照らし、周辺は温かな光を拡散する「プルーメン003」¥24,840
光源そのものをデザインすることで、従来の電球型蛍光灯を大きく変化させたランプシリーズ「Plumen(プルーメン)」。2010年に001を発表して以来、これまでにふたつの電球を発表してきた。そんな彼らが5年の開発を経て発表したのが、新作LED電球「プルーメン003」。真っ直ぐな光を放つLEDの特徴を生かし、直下方向には白みの強いダイレクトな光を、水平方向にはリフレクターを使って柔らかく赤みを帯びた光を拡散するという電球だ。ガラスカプセル内に封入されたリフレクターの開発にはジュエリーデザイナーが加わり、素材やフォルム、仕上げにも細やかな検討が行われたという。慎ましくも美しい光は、電球そのものだけで穏やかに夜を演出する。
ジュエリーデザイナーも参加したというガラス内のリフレクター。複雑なカットが光を増幅し、周辺に拡散する。
電球そのものがデザインされた「プルーメン003」はシェードいらず。茶のケーブルのペンダントは付属する。
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若いデザイナーが挑んだ北欧の名作照明。
レ・クリント「アーク」「 ラメラ」
左からテーブル(¥73,440)、ウォール(日本未展開)、ペンダント(¥70,200)、フロアタイプ(¥105,840)の「アーク」。
1枚のプラスチックシートを手作業で折曲げたシェードで知られるデンマークの老舗照明ブランド、レ・クリント。数多くの名作を持つ同社が創業75年目を迎え、北欧の若いデザイナーたちを起用した照明を続けて発表している。デンマークの女性デザインデュオ、Manér Studioを起用した「ARC(アーク)」は、伝統的なプリーツの技法をいかしたホワイトのシェードに美しい曲線を描く黒のオーク材を合わせたもの。これまでにありそうでなかった白と黒のコンビネーションはエレガントでクラシックな印象が新鮮だ。一方、きのこの傘の裏側に広がるプリーツをモチーフにした「LAMELLA(ラメラ)」は、ノルウェーとアメリカの男性デュオ、Takagi & Homstvedtを起用したもの。こちらはプリーツを表現するために、同社のアーカイブから頂点を作らずに湾曲させる「プリッカ」という製法を復刻させたとか。上下左右からまんべんなく光を透過させる球形の照明はどんなシーンにも使いやすく、サイズ違いを合わせて楽しむのがよさそう。
「アーク」のテーブルランプ。クラシックな印象で、モダンな家具との相性も抜群。
「ラメラ1」(φ46×33cm)¥95,040、「ラメラ2」(φ30×52cm)¥84,240、「ラメラ3」(φ32×30cm)¥81,000の3サイズを展開し、パーツのカラーはゴールドとシルバーの2色。
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食卓を演出する小さな宝石。
アンビエンテック「クリスタル アクルクス コッパーリミテッド エディション」
ザ・コンランショップとカッシーナ・イクスシーで限定発売中の「クリスタル アクルクス コッパー リミテッド エディション」¥22,680
宝石のようにカットされたソリッドガラスのLEDコードレスランプ「XTAL(クリスタル)」。その限定色であるコッパーが現在、ザ・コンランショップとカッシーナ・イクスシーで発売されている。コードレス仕様のため、テーブルにいくつもおけばキャンドルのように活躍する。職人が一つひとつカットするというガラスから漏れる光は幻想的で、放射状に広がる柔らかな光は、グラスや食器、カトラリーと共鳴して食のシーンをより美しく変えてくれることだろう。また3段階調光も備えており、就寝時のベッドサイドにも最適。防水仕様のため、バスルームでのんびりと過ごす時間やテラスでの時間にも活躍しそう。小さくて美しい、万能な照明器具だ。
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ぬいぐるみは難しくてもテーブルライトなら。
カルテル「トイ モスキーノ バイ ジェレミー・コット」
Tシャツが光る「トイ モスキーノ バイ ジェレミー・スコット」¥35,532。ベッドサイドなどにもおすすめ。
2013年にジェレミー・スコットがクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、ポップな世界観で人気を集めるミラノのメゾン、モスキーノ。同ブランドでジェレミーの世界観を象徴的する存在がテディベアだ。”This is Not a Moschino Toy”と書かれたTシャツを着たテディベアはこれまでも、スマートフォンのケースやぬいぐるみ型の香水ボトルとなって登場してきた。今回は同じくミラノを代表する家具メーカー、カルテルからテーブルランプとして登場。両者のカラフルで遊び心あふれるデザインは確かに好相性。テーブルの上にぬいぐるみを置いておくのは難しくても、かわいいテディならありかも。
2018年のミラノ・サローネで、カルテルやモスキーノのショップをジャックして話題を呼んだ。
ジェレミーが手がけるさまざまアイテムに使われるアイコンのテディベア。
カルテル 東京
東京都港区南青山5-5-4 CURIO554 ビル
tel:03-6419-1040
営)11:00~19:00
休)水
https://kartell.co.jp
réalisation : YOSHINAO YAMADA