お部屋作りに役立つ素敵なインテリアショップへ!
Interiors 2021.01.17
古今東西のインテリアを独自のセンスで調和させた美しいギャラリーショップがいま増えている。スタイリング術や細部に行き渡る美意識から、部屋づくりのインスピレーションを得て。
モダンなオリジナル家具を中心に、
テイストミックスされた洒脱な空間。
イン・ア・ステーション
ザ ノット東京新宿ホテルの家具監修をはじめ、家具業界で経験を積んだ3社が2020年9月に始めた店。注目は、西海岸のレッドウッド古材に真鍮の脚を付けたテーブルなど、自然素材を生かしたモダンなオリジナル家具。「テイストミックスがしゃれた抜け感を作る」と、北欧や西海岸の家具からカール・ハンセンやイサム・ノグチまで、さまざまな時代やスタイルの家具をミックスする感性をマイルームにも取り入れたい。
ガラス張りで陽光が差し込む店内。トゥエルブブックス選書のアートブックを販売するほか、定期開催する現代作家の展示も注目。
メープル材オリジナルシェルフ¥623,700。並べたのは、竹内俊太郎の動物の作品¥52,800、メキシコのポット¥7,700など。
イサム・ノグチの照明やトルコのラグなど、あえて異なるテイストのもので決めすぎないほうがほどよい抜け感が生まれる。オリジナルソファ¥363,000、テーブル¥478,500
ジャズやラテンなど、ヴィンテージレコードも豊富に揃う。オリジナルの木製レコードスタンドも手がける。
---fadeinpager---
ヴィンテージのデザイン家具と、
現代アートが美しく寄り添う。
エス クォート
浅草から近い場所に、2020年夏オープンしたギャラリー。雑居ビルのような建物に足を踏み入れると、約100㎡の2フロアからなる美しい空間に圧倒される。「ヴィンテージと現代アートの調和を提案したい」と、20世紀デザイン家具や世界中の現代作家のアートをセレクト。シャルロット・ペリアンやピエール・シャポなど貴重なラインナップはもちろん、オーナー自ら監修した空間の細部まで行き渡る美意識に刺激を受けて。
中央にある武骨な質感が魅力の椅子はロシアの工房ソハのもので受注生産品。手縫い&天然染料のキルト(参考商品)は、日本のブルー・チップ・アトリエによるもの。オーストラリアの工房によるダチョウの卵の照明器具¥616,000
ルイ14世の時代に王家により設立されたフランス最古の企業として知られるブルターニュのアンリオ・カンペールの陶器など、手作業で絵付けされたヴィンテージも揃う。¥25,000~
ドイツのバウハウス出身のマルセル・ブロイヤーの照明もバリエーション豊富に扱っている。¥280,000~
18世紀フランス製テーブルにセットしたのは、チャールズ・デュドイのチェア各¥154,000
2階は100年以上前に造られた家具が中心。「カテゴライズよりミックスすることが洗練の鍵。ヴィンテージチェアを一点置くだけで空間が変わるはず」と、オーナー。
---fadeinpager---
古道具を扱う人気店に併設された
食堂の仕立てや飾り方が参考に。
カシカ
民藝品や古道具に息を吹き込み、モダンな空間で見せる人気店。2020年夏に併設された乾物屋&食堂アルケー・アポセカリー&キッチンは、薬膳やアーユルヴェーダをベースにオリジナルグラノーラや乾物を販売、カフェでは身体に優しい定食メニューを提供する。乾物を整然と並べた美しい棚作りや民藝と作家もののうつわで供される料理など、食卓周りのスタイリングヒントを得られるのがおもしろい。
日本の古道具や民藝品をスタイリッシュに見せるセンスはお手のもの。奥は、作家の展示をするギャラリースペース。
すぐに完売してしまう人気商品のアフリカのブルキナファソのカゴ¥4,180~
古い棚に乾物が並ぶ一角も新設。暮らしを整えるヒントを、食をはじめ暮らしの道具など幅広いジャンルで提案している。オリジナルグラノーラ¥1,620~
東京都江東区新木場1-4-6
tel:ショップ:03-6457-0826 キッチン:03-6457-0827
営)ショップ:11時~18時 キッチン:11時~17時30分L.O.
休)月
https://casica.tokyo
---fadeinpager---
南青山の中心にオープン、誰でも休める地下公園。
スクワット/パーク
空き家物件を再構築するスクワットが南青山のコンプレックスビルに着手。5月、2階にトゥエルブブックスを、2020年10月には1階にルメール、地下にパークをオープンさせた。なかでも、誰でも自由に休憩できるパークは、ダイケイ・ミルズの中村圭佑が手がけた内装の美しさも見どころ。イサム・ノグチの照明からソファまで家具はすべて購入可能で、安価なものと高額のものを等しく並べて価値を問う試みもユニークだ。
夜の公園をイメージした空間の中央では、定期的に作家の展示会を開催。現在は田中義久の本棚展。
ドイツ人デザイナーのソファ¥275,000から古い腰かけ椅子¥1,000まで、さまざま。日本では珍しいイサム・ノグチの照明は¥16,200~。新旧のものが共存することで、研ぎ澄まされた空間ながら不思議な居心地のよさを醸す。
世界のお菓子やドリンクを購入できるキオスクも設置。
---fadeinpager---
ロマンティックな空間で、ヴィンテージ食器を発掘。
ストゥープ
デザイン事務所や古着店マルテを経営するオーナーが手がける。フランコ・アルビニなど、1950~60年代ミッドセンチュリー家具からタイやペルーの土器まで、世界中の古道具を集め、元印刷工場の木造家屋を4つのコーナーごとに趣向を変えてレイアウト。静謐でロマンティックな空間は鑑賞するだけでも楽しめるが、ヨーロッパのヴィンテージ食器が比較的リーズナブルな価格で揃っているのもうれしい。
昨年オープンした店。現代作家の展示も定期的に開催。1920年代ベルギー製テーブル¥286,000、デンマークのチェア各¥63,800、1950年代スティルノボの照明(参考商品)
一見難しそうな土器も並ぶが、「ファッションと同じ感覚で、空間スタイリングにも古いものを交えてみて」と、オーナー。
フランスやベルギー、北欧のヴィンテージのうつわが揃う。¥1,650~
---fadeinpager---
エスニックでも空間になじみやすい、
クリーンで洗練されたセレクト。
オルネ ド フォイユ
青山から不動前に移転。「余白が空間作りのマイルール」と話すオーナーが監修する店内は、北欧ブランドのフラマなど解放感ある家具が並び、フェミニンで優しいムードが居心地よさを演出。ヨーロッパではややエスニックなもの、モロッコやインドでは土着色の強すぎないものと、デザインの個性があっても現代家屋になじみやすいセレクトが、長年のファンが多い理由。
定期開催する日本人作家の展示会に合わせて空間丸ごとチェンジする。中央には大人気のフランスブランド・フォレスティアの花形ランプ¥121,000
木の根で作られたベルギー製サイドテーブル小¥38,500、大¥82,400、モロッコ製ラダー¥1,980
花器やドライフラワーも豊富。
*『フィガロジャポン』2021年1月号より抜粋
photos : YU INOHARA