ゾエの家、侘び寂びの観念をフランス流にミックスしたら?
Interiors 2021.08.17
アールドゥヴィーヴルを体現するインテリアデコレーターのゾエ。 魅力的なスタイルミックスを提案する彼らのインスピレーション源や一目惚れしたインテリアを教えてもらった。
侘び寂びの観念を、随所にちりばめて。
ゾエ・ドゥ・ラス・カーズ
インテリアデコレーター・製作/ クリエイションエージェンシー創始者
私のいまの気分は侘び寂び。これは、孤独、シンプル、憂鬱、自然、悲しみ、不調和の“侘び”と、時間による変化、使い込まれること、古きものへの嗜好の“寂び”のふたつが結びついた観念。というわけで、いまの私のマストは、古い木製のスツール(1)。ベッドサイドに置いたり、飾りとして置いたり。ブーケを上に載せると、あっという間に表情が変わります。昔の農家のテーブル(2)も。 家の中でも庭でも、主役となるアイテムね。テーブルはさまざまなことが起こる舞台。食事をし、仕事をし、絵を描いたりパーティをしたり。とにかく木の素材が好き。特に、使い込まれて味が出て、物語を感じさせるものがいい。庭には竹製のロングチェア(3)を。リラックスしたり、夏には昼寝をするために。コロナ禍以来、たくさんのことが変わりました。私自身は12年前からテレワークですが、外で起きていることを考えると、家は避難小屋であり、コクーンであり、安心感をくれる場所。植物だらけのベランダ(4)もね。だから余計に心を配るのです。
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Zoé de las Cases
ゾエ・ドゥ・ラス・カーズ
インテリアデコレーター・製作/ クリエイションエージェンシー創始者
www.zoedelascases.com
イラストレーターとして活躍するゾエは、2007年、夫とふたりで、グラフィスム、デザイン、インテリアデコレーションを手がけるエージェントを設立。著書も多数。
photography: Yann Deret
*「フィガロジャポン」2021年9月号より抜粋
text: Marie-Sophie N’Diaye (Madame Figaro)