日常を豊かにしてくれる、美しいもの8選。

Interiors 2021.09.02

アートオブジェや生活用品は、美しいと感じるものを身近に置きたい。スタイリスト清水奈緒美がセレクト、使って楽しい日常の逸品8選。


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[1]
エルメスのピクニックバスケット

柳のピクニックバスケットに収められたエルメスのピクニックセットは、まさにアールドゥヴィーヴルを象徴するアイテム。 私は無類のカゴ好きなので、カゴの網目をじっくりと微細に観察するのですが、職人技できっちりと几帳面に編まれたこのバ スケットは、全体を曲線でまとめ上げているのに表面にあたりがなくなめらかで美しい仕上げ。繊細に波打つ優雅なカーブからは、人の手のあたたかな温もりが感じられます。お客さまが 来た時に家の中でも楽しめるし、もちろん外でピクニックを嗜んでも。「楽しむためだけのアイテム」というのはすごく贅沢。こういう余白や遊びのあるアイテムこそ、エルメスならでは。 審美眼に長けたメゾンならではの趣味の良さに、思わずうっと りとため息が出てしまうのです。(清水)
¥1,683,000/ エルメス(エルメスジャポン)

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[2]
テッド・ミューリングのヘアクリップ

テッド・ミューリングはニューヨークのデザイナーで、ジュエリーからインテリアプロダクツまで、多岐にわたって作品を発表し続けています。自然の中にあるものからインスピレーションを受け、その美しさをそっと閉じ込めたような造形が特徴です。ジュエリーがフォーカスされがちですが、彼の作るオブジェも好きです。このヘアクリップは、鳥の嘴のような端正な佇まいと、スターリングシルバーのひんやりとした素材感に心惹かれました。クリップのばねもほどよい強さで、髪をしっかりと留めることができます。Tシャツとデニムのようなカジュアルな恰好にも合うし、夏の浴衣や和装にもよく似合う。無意識に使っていても、後ろ姿や横顔をエレガントに見せてくれます。(清水)
¥105,600/ テッド・ミューリング(ヤエカ ホーム ストア)

[3]
ビュリーのみねばりの櫛

仕上げの美しさに思わず息をのむみねばりの櫛。長野県に生育するみねばりの木は、きめ細やかでありながら、堅く丈夫な材質です。日本の職人が代々受け継いでいる樹齢300年のみねばりの木を加工し、その後100年間貯蔵庫に保管し、3年間かけてじっくりと椿油に浸漬させたというもの。日本の職人の匠技巧で繊細に刻まれた櫛は、無意識に使っても、髪を梳くその仕草そのものが美しく見えます。この櫛で髪を梳くと、まるで絹のようにすべらかに艶々になります。高価なものではありますが、使い込むほどに櫛そのものが艶を増して育っていくので、ひとつ持っていると一生使えるアイテムです。私自身も、ひとつの櫛を20年ほど愛用しています。(清水)
¥50,490/ オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

[4]
アルパンの手鏡

1892年創業、フランスの鏡の老舗であるアルパン。パリに行くと、どこの薬局でも見かけるくらい、パリジャンにとってなじみ深いミラーです。手のひらに収まるコンパクトなサイズなのに、精度が高く、鏡面が歪まない。この小ささでこの精度は、類を見ない作りです。女性用のミラーは大きくてさかばるものが多い気がしますが、私はこのアルパンのミラーを、毎朝洗面所でも使いますし、旅にも必ず連れていきます。特に外出先でちょっと鏡を見たい、という時に活躍します。鏡を見る仕草って大仰な気がして、どことなく気恥ずかしくて苦手だったのですが、これならさりげなく見ることができてスマート。鏡を持つ仕草も美しく見えるような気がします。(清水)
¥28,600/ アルパン(アメリカンファーマシー丸の内店)

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[5]
ガートルード・スタイン著『パリ フランス』
朝吹真理子著『だいちょうことばめぐり』

ガードルード・スタインはパリに住んでいたアメリカ人女流作家です。画家や詩人が集まるサロンを開いて、そこでピカソやマティスらと夜な夜な集い、若手の芸術家を支援したり。パリがいちばん良かった時代の華やかな生活ぶりや、アートとの触れ合い方を知ることができます。朝吹さんのエッセイは、「銀座百点」の連載をまとめたもので、時間をかけて丁寧に描かれた一冊。どちらも日々の生活のことを描いたエッセイなのですが、写実的というよりは情緒的な体験談として綴られていて、幻想的で柔らかな目線もあり、ふたりの視線がどこか似ていると感じました。ファンタジーのような現実がどちらにも詰まっていて、その目線こそがアールドゥヴィーヴルなのではないかと思います。(清水)
『パリ フランス』¥3,300(古書につき参考価格)/ カウブックス 『だいちょうことばめぐり』¥1,980/ 河出書房新社

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[6]
セルジオ・ロドリゲスのスツール

リオデジャネイロを拠点に活躍したブラジル人デザイナー、セルジオ・ロドリゲスのスツール。世界遺産に登録された ブラジリアの政府庁舎では、ロドリゲスの家具が多く使われています。ブラジルを代表するデザインプロダクトですが、フランスのヴィンテージ家具ともしっくりなじむ、そんな懐の深さがあります。椅子としてだけではなく、時にはサイドテーブルにもなる。ザ・ロウ ジャパンのショールームでこの椅子に出合って、惚れ惚れと眺めてしまいました。アイコニックなデザインのものより、アノニマスな美しさがある家具に惹かれます。家具が主張しすぎず調和していたほうが居心地もよいし、目にも優しい。どんな部屋にも寄り添う、さりげない美しさがある一脚です。(清水)
¥352,000/ アトリエ ギャラリー

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[7]
カール・オーボックのフロアランプ

オーストリアのモダニズムにおいて、大きな功績を残したカール・オーボック。金属工房を営む両親のもと、伝統的な銅工芸を習得した後、バウハウスで絵画を学び、1926年に工房を継ぎました。このフロアランプは、初代オーボックの孫にあたる3代目の作品。柔らかな輝きを放つ真鍮と竹のコンビネーションで作られる美しいフロアランプは、アートオブジェのような佇まいで空間を豊かにしてくれます。背が高すぎず、繊細な作りなので、小さなリビングや寝室に置いても圧迫感がないところも好きです。角度をつけて置くことで生まれる、ユニークなバランスも魅力。 簡素な造作で、一見どこの国のものかわからない。そんな受け皿があるところも気に入っています。(清水)
¥275,000/ プレイマウンテン

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[8]
中山久留美の精油

香りを持っていくことで旅先でもパーソナルスペースができる気がして、旅にも必ず何かしらの香りを持っていきます。訪れる場所や季節によって香りを替えたりして、楽しんでいます。創香家の中山久留美さんが生み出す香りは、オーガニック認証を受けた植物から抽出された天然の精油のみをブレンド。日本の四季をテーマにした陰影があり、湿度が高い日本の気候によく似合います。オイルなのに甘さがなくて、身に纏うことで気持ちが整う。そこも好きな理由のひとつ。ヒノキにニオイコブシやガルバニウムを重ねた、ふくよかな「京」の香りが特に気に入っています。カウンセリングでオリジナルのブレンドも作っていただけるので、いつか自分だけの香りを持つのが夢です。(清水)
左から、雫¥9,570、杜¥11,220、京¥14,850、茶室¥ 19,800、 沙羅 ¥9,570、 アロマトレイ ¥7,700/ 以上ギャラリー久我(クルミ アロマ)

●問い合わせ先:
エルメスジャポン(エルメス)    03-3569-3300
ヤエカ ホーム ストア(テッド・ミューリング)    03-6277-1371
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー    0120-09-1803
アメリカンファーマシー丸の内店(アルパン)    03-5220-7716
カウブックス     03-5459-1747
河出書房新社    03-3404-1201
アトリエ ギャラリー    03-6807-0554
プレイマウンテン     03-5775-6747
ギャラリー久我(クルミ アロマ)    info@gallerykuga.com
 

 

*「フィガロジャポン」2021年9月号より抜粋

photography: Ayumu Yoshida styling: Naomi Shimizu

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