パリの「メゾン・エ・オブジェ2023」で見つけた、気になる5つのトレンド。

Interiors 2023.09.29

世界最大規模のインテリア&デザイン国際展示会「メゾン・エ・オブジェ」。1995年からスタートしたこの展示会は、1年に2回、パリ・ノール ・ヴィルパント見本市会場で開催されている。約3000のインテリアやライフスタイルブランドが出展し、ヨーロッパやアメリカ、アジアなどから、約8万人ものバイヤーやデザイナー、ジャーナリストが集結するため、世界の最新デザイン発信地としても注目だ。今回は、9月7日から11日まで開催された「メゾン・エ・オブジェ 2023」で見つけた、気になる5つのトレンドを紹介!

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今年のテーマ「エンジョイ」をもとに設置された「パターンファクトリー」では、カラフルで自由な柄を組み合わせた空間を提案。

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大胆な空間使いやモダンなコーディネートで、北欧やオランダブランドのブースが目立っていた。

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1. 有機的なオブジェが、モダンインテリアのカギ。

シンプルで洗練された部屋作りに欠かせないのは、丸みを帯びた有機的なデザインのオブジェ。モノクロやアースカラーの落ち着いた色調の部屋に遊び心を加えて、モダンな空間へと昇華させてくれる。インテリア業界を牽引する北欧やオランダのセレクトショップで、存在感溢れるユニークな花器や照明器具、アートピースが多く見られた。

●101 Copenhagen (ワンオーワン コペンハーゲン)

2017年、デンマーク・コペンハーゲンで誕生したライフスタイルブランド。伝統的な北欧デザインや日本のクラフトマンシップにインスピレーションを得た、美しい家具や照明、花器などを展開する。個性的なデザインながら、静謐でミニマルな佇まいを感じさせるプロダクトが揃う。

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●Urban Nature Culture(アーバン ネイチャー カルチャー)

オランダ・アムステルダム発のライフスタイルブランド。若くして世界中を旅したオランダ人女性デザイナーが自然界の美しさに感銘し、環境にも配慮したプロダクトを手がける。自然と調和した古代芸術や装飾品に魅せられて作り出した、アースカラーのプリミティブなアートピースが豊富。

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2. カラフル&キッチュなテーブウェアが気分!

今年の展覧会テーマ「エンジョイ」に代表されるように、日常生活を明るく活気づけてくれるようなインテリア雑貨がトレンド。なかでも、プレートやグラスなど、インテリアに取り入れやすいカラフルでキッチュなテーブルウェアが多く登場。ストライプやチェック、チェッカー柄など、柄×柄で遊び心溢れるテーブルコーディネートも目を惹いた。

●Denise(デニス)

2021年にベルギー・ブリュッセルで女性デザイナーが始めた、初出展のテーブルウェアブランド。おばあちゃんの食卓のような愛らしい素朴さと、モダンでキッチュな魅力を併せ持つ。クラフトマンシップにこだわり、すべてポルトガル・ナザレの職人によるハンドメイド。セラミックは10人の女性が手描きし、ガラスは1点ずつ口吹きで制作している。

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●&K Amsterdam(アンド ケー アムステルダム)

オランダ・アムステルダム発の人気ライフスタイルブランド。オリジナルラインでは、オランダのクラシックなデザインに捻りを加えた、テーブルウェアやミラーなど、カラフルでユニークなインテリア雑貨を展開。若手デザイナーとのコラボレーションにも注力し、いまのムードを捉えたデザインに定評がある。

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3. フランスの木工作家は、壁をキャンバスに仕立てて。

家の中にいても、自然と繋がった気持ちにさせてくれるナチュラルな素材もキーワード。ローカルで採れた木材をもとに、地産地消のものづくりに取り組むフランスの木工作家が目を惹いた。なかでも、写真や花を飾るオブジェやブックシェルフなど、壁を有効利用できる実用的なウォールディスプレイは、柔らかく自由なフォルムが空間を豊かに見せてくれる。

●Gllu.(グル)

フランス・ノルマンディーにアトリエを構える、若き木工職人チームが初出展。オークや栗など、地元の森で採れた木を使用し、無垢材のオブジェや家具を制作している。写真や花を飾る壁掛けオブジェシリーズは、シンプルで華奢なデザインが洗練された空間に仕上げてくれる。アトリエでは体験教室も開催中。

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●La Fabrique K(ラ ファブリック ケイ)

アルプス山脈シャルトルーズ山麓のアトリエで、一点ものの家具や木工雑貨を制作している女性木工作家。イゼール地方の製材所から届いたものや拾ったものなど、持続可能な視点でフランスの木材を厳選。ウォールナッツやオーク、アッシュの木材を使ったブックシェルフは、木の持つ個性を生かした自由で伸び伸びとしたデザインが特徴だ。

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4.テキスタイルは、サステイナブルが合言葉!

インテリアやライフスタイルにおけるサステナビリティは、もはや国際的なスタンダードになりつつあるが、特にテキスタイルにおいて重視される傾向が高まっている。小ロット生産のハンドメイドやデッドストック生地のアップサイクルなど、環境に配慮したものづくりを行いながら、遊び心溢れるデザインを生み出すテキスタイルブランドに注目だ。

●Homehagen(ホームハーゲン)

2018年、ファッション業界で経験を積んだ男性ふたりがスタートさせたデンマーク・コペンハーゲン発ファブリックブランド。暮らしを明るくするカラフルなデザインと100%オーガニックの上質な素材にこだわる。農家から消費者に至るまですべての工程に責任を持ち、ポルトガルの伝統的な職人技のもと、エシカルな生産を行う。

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●Ensemble(アンサンブル)

フレンチシックなライフスタイルブランド、マドレーヌ・エ・ギュスターヴの創業者パスカルと娘のカミーユが2022年6月にスタート。フランスで生産された不良品や余剰在庫によるデッドストックを再利用し、新たな命を吹き込むテキスタイルブランドだ。テーブルリネンやキッチングローブなど、伝統的な生地に捻りを加えた洒落たデザインが揃う。

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5.若手女性たちのミニマルなホームケア改革。

「メゾン・エ・オブジェ」では、新進気鋭のブランドも並ぶビューティ&ホームケアコーナーも見どころだ。この分野において、プラスチックゴミによる海洋汚染は避けられない問題。環境負荷を軽減するユニークなアイデアをもとに開発された、新しいプロダクトも目を惹いた。エコフレンドリー且つミニマルなライフスタイルにアップデートしたい。

●Kinfill(キンフィル)

2019年、オランダ・ロッテルダムでふたりの若き女性が立ち上げたホームケアブランド。洗練された香りとモダンなパッケージに、100%生分解性の洗浄液で身体や環境に優しいエコフレンドリーなプロダクトを開発。キッチンやバスルームなど、さまざまな洗剤を展開し、ボトルに水を入れて薄めて使う希釈液タイプのリフィルでミニマルな暮らしを提案する。

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Text: Momoko Suzuki

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