その存在感はやっぱり特別、バカラのクリスタル。

Interiors 2024.09.22

王侯貴族たちから広まったフランスのテーブルウェアには長い歴史を誇るブランドがあり、現在も当時のモチーフが残る。その源泉を辿り、製法やデザイン、魅力を解き明かしてみよう。ずっしり重厚なフォルムから繊細で優美なデザインまで、バカラのグラスには他の追随を許さない存在感がある。特別な日にぴったりな、クリスタルの輝きを堪能したい。


Baccarat
バカラ

フランス東部ロレーヌ地方にあるバカラ村に、1764年、ルイ15世の認可のもと創設されたバカラ。完璧なまでのクオリティの高さ、時代の美を形にするという創造性が評価され、1855年のパリ万博でグランプリを受賞した。これを機に王侯貴族に愛されるメゾンとなり、「王者たちのクリスタル」としてその名を広く知られるようになる。フランスではいまでも大統領府であるエリゼ宮での晩餐には必ずバカラのグラスを使用。

フランスの優美な食卓を象徴する存在として、現在も美の追求を続け、世界中の王室から注文を受けている。その特徴は透明なクリスタルと洗練された美しいカットにあり、テーブルにひとつバカラ製品を置くだけで華やかな輝きが放たれる。グラスはもちろん、デカンタ、プレート、フラワーベース、シャンデリアなど、トータルコーディネートも可能だ。

HARCOURT

メゾンの代表作「アルクール」は1841年に国王ルイ・フィリップ1世(下)が発注したグラスを原型とし、フラットカットや六角形の台座など端正なデザインが特徴。今年発表の「アルクール チューリップ」コレクションは、マルセル・ワンダースとのコラボ。

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右上から時計回りに、「アルクール」チューリップ 脚付きプレート¥143,000、同 ワイングラス¥35,200、同 チューリップ ボウル¥121,000/以上バカラショップ 丸の内

MASSÉNA

1980年に発表された「マッセナ」は、ナポレオン1世に勝利の女神の申し子と称された仏陸軍元帥(下)の名が。丸みを帯びた斬新なフォルムに流れるようなカットが施され、世界的なベストセラーとなっている。

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「マッセナ」 シャンパンフルート¥27,500/バカラショップ 丸の内

ROHAN

継ぎ目なく描かれた蔓草模様は、1855年のパリ万博で金賞を取ったアシッドエッチングという装飾技法。

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「ローハン」タンブラー¥29,700/バカラショップ 丸の内

問い合わせ先:
バカラショップ 丸の内
03-5223-8868
https://www.baccarat.com/ja_jp

*「フィガロジャポン」2024年9月号より抜粋

text: Junko Kubodera

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