坂本龍一の好みに合わせて、緒方慎一郎がつくりあげた香り「YOKA SAKAMOTO」とは?
Interiors 2024.12.20
和食店「八雲茶寮」や和菓子屋「HIGASHIYA」などを手がけるデザイナー、緒方慎一郎が創業した「OGATA(オガタ)」による「KAORI(カオリ)」が展開する「YOKA(ヨカ)」から、坂本龍一のために調合した「YOKA SAKAMOTO(ヨカ サカモト)」が12月21日に発売。
オガタは、自然との共生により受け継がれてきた日本の伝統文化に基づく、現代における暮らしの作法を提唱すべく創業。カオリは、東洋の香り文化を現代に再解釈し、時の移ろいとともに変化するほのかな天然の香りを身にまとう、香りの新たな愉しみ方を提案する。そのカオリが提案するヨカは、「余香(よこう)」との意味で、伝統的なお香に使われてきた高品質な天然由来の原料を細かく砕き、丁寧に調合したもの。森や大地を想起させる「ヨカ オガタ」をはじめ、囲炉裏の燻香を表現した「ヨカ イロリ」など、5種類のヨカを展開中。そこに新たに加わるのが「ヨカ サカモト」となる。
ヨカ サカモトは、2022年8月に坂本龍一と緒方慎一郎がヨカを協働製作している京都の香老舗 松栄堂を訪れ、坂本の好みに合わせて選んだ天然由来の原料を丁寧に調合してつくりあげて生まれたもの。生前、坂本は気持ちを整えるために、この香りをつねに傍らに置いていた。パッケージには彼による手書きの譜面があしらわれ、小分けにした香り10袋と携帯用のリネン香袋がひとつ収められている。天然由来のため、やがて土に還るこの香りは数ヶ月持続し、火を使うことなくそのまま香るので、中身を器にのせ、部屋に置いて香りを漂わせるのはもちろん、付属の香袋に入れて携帯し、持ち歩いて愉しむこともできる。
東京都現代美術館にて12月21日より開催される展覧会「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」にあわせて、会場内の特設ショップのほか、緒方が経営する「SABOE TOKYO」「HGASHIYA GINZA」「八雲茶寮」「OGATA at The Shinmonzen」とオガタの公式オンラインショップで発売される。坂本龍一の旋律のようにずっと心に残る香りを、毎日の暮らしに取り入れてみたい。
text: Natsuko Kadokura