長崎県-五島列島- 五島列島・福江島で過ごす、穏やかでスローな一日。
Travel 2019.08.07
福江島は、大小約140の島からなる五島列島で最大の島。碧い海に囲まれた島で、美しい教会をじっくり眺めたり海の幸に舌鼓を打ったりと、のんびり時間を過ごそう。
海の幸とお粥で始める五島の朝。
金木犀
「生アオサのせ粥 刺し身セット」¥1,080。刺し身は日替わりで、ブリ、ヒラマサなどと、イサキ、メジナといった昆布締めの計2種がのる。粥に入れて、熱を加えて食べる。
東京から移住した女性フォトグラファーによる朝食専門店。地鶏のしまさざなみを使った出汁は、まさに澄んだ黄金色。この出汁をたっぷり含んだ粥はまさに滋味深い味。島で採れた生アオサや刺し身を沈めれば、さらに奥行きのある味になる。久賀島の車エビを使った小皿料理など、多種多様なサイドメニューも忘れずオーダーしたい。
福江島の北東にある久賀島で獲れた「車エビのあっさり老酒蒸し」¥700。甘くて濃厚。
夜はかきごや こんねこんねとして営業。上五島の岩牡蠣(取材時は1個¥680)が名物。
魚介メインの居酒屋を営むオーナーが「朝から五島の魚介を提供する店がなかったので」と開店。観光客からの評判も高い。
Kinmokusei
長崎県五島市東浜町1-9-17
tel:090-9959-0053
営)7時50分~10時L.O.
休)月~金 ※夏季は定休日が変動するためFBにて要確認
カード不可
www.facebook.com/kinmokuseigotokonnekonne
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“人生ベスト”が並ぶ、ユニークな空間。
さんごさん
かつてサンゴ漁で栄えた富江地区に立つ。外壁の色もサンゴを彷彿とさせる。
天井まで続く壁に、ブロックごとに並ぶ本。これらは、この施設に携わった人や島民、訪れた外国人などによりそれぞれのベスト3を提供してもらったもの。訪れた人が、淹れたてのコーヒーとともに自由に楽しめる小さな図書館としてスタートした。そば打ち体験といったイベントも開催し、地域のコミュニティスペースになりつつある。
現役のコピーライターなどクリエイターたちが立ち上げただけに、デザインも見どころ豊富。
本には、選者の名前とコメントが添えられている。「ドリップコーヒー」1杯¥350
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信仰復活を象徴する、始まりの地。
堂崎教会
1873年の解禁後、五島で初めてのクリスマスミサが教会の前の浜辺で行われた。
約260年にもわたる弾圧を終えた19世紀末。その後、宣教師が潜伏キリシタンの発見と指導を行い、解禁後、五島初となる天主堂完成に至った。いまでも月1回のミサを行いながら、普段はキリシタン資料館として開放。信仰偽装のため作られたマリア観音や踏み絵、日本人版画師が制作したド・ロ聖教木版画などが展示されている。
ゴシック様式で建てられた堂崎教会。入口のドア上には、カラフルな飾り窓が。
堂崎教会のレンガは、長い面をベースに合間に小口を入れていくアメリカ積みを採用。
Douzaki Church
長崎県五島市奥浦町堂崎2019
tel:0959-73-0705
館内見学時間:9時~15時45分(1/3~3/20、10/11~12/29)
9時~16時45分(3/21~10/10)
※夏季は17時45分閉館
閉)12/30~1/2
大人¥300 カード不可
●福江港から車で約20分。
●東京・羽田空港から長崎空港まで約2時間、長崎空港から五島つばき空港まで約30分。または、東京・羽田空港から福岡空港まで約2時間、福岡空港から五島つばき空港まで約40分、五島つばき空港から福江中心部(福江港)まで車で約15分。
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※『フィガロジャポン』2019年7月号より抜粋
photos : YUICHIRO HIRAKAWA