まだ見ぬ台湾の風景を探しに、台東へ。 キーワードは滋味深さ。台東発の絶品郷土料理。

豊かな自然に抱かれた台湾東部の街、台東。先住民族が3分の1を占めるこの土地では、代々育まれてきたユニーク食文化を楽しむことができる。

原住民料理でおなじみの食材。奥の列左から月桃の葉、ローゼル、アワの穂。中央はカラスザンショウ、キヌア、馬告。手前の列、左からルリホオズキの葉、バタフライピー、樹豆、黒豆。

市内には原住民ならではの食材を扱う市場も。

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各部族独自の味わいを、現代風にツイストして。

マタ家屋

台湾原住民が属する南島文化（オーストロネシア系諸族の文化）を集めた施設で、レストラン、ホテル、工芸品を扱うショップを併設する。レストランでは日替わりで、モダンにツイストした原住民郷土料理を提供する。素材や調理法は部族によって異なるが、共通するのは素材の滋味を引き出すシンプルな味つけだ。原住民が好むスパイス、台湾山山椒（ザンショウ）の馬告（マカウ）と食材が醸す豊かな味わいを堪能して。

トマトとタイヤウリ、ゴーヤのアミ族風冷菜。

料理はすべてコース仕立てでランチ399元。この日のメインはコジュケイのグリルと、原住民風粽の「阿粨」。ルリホオズキの葉でアワご飯と豚肉を包み、さらに月桃の葉で包んで蒸したもの。

原住民の織り地やカゴ、木工品など伝統工芸品を効果的に飾ったインテリアも見どころ。

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アミ族の野草の知恵を、カレーのひと皿に。

薩哩咖咖居食屋

台湾人の夫とアミ族の妻による居酒屋では、アミ族ならではのハーブやスパイスをふんだんに使った名物カレーが食べられる。レモンのような香りのカラスザンショウ、馬告、栄養豊富な樹豆、黒豆などを3時間煮込んだカレーは日本人にもなじみやすい味つけで、箸が進むこと請け合い。こちらの「阿粨（アバイ）」はカラリと揚げてあるのが特徴で、定番のアワご飯のほか黒米の「阿粨」もあり、こちらも美味。

カレーは滋養強壮効果のある樹豆&野菜カレーとポークなど数種。こちらは野菜の「樹豆咖哩」160元。骨付き豚肉と樹豆のショウガスープがセットに。台東のローカルビール「紅藜啤酒」180元

台東名物の「阿粨」はフライにすることで一味違う食感に。「香酥吉納福」80元

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ルカイ族の文化を伝える、体験型レストラン。

達瓦娜家園

ルカイ族の文化の語り部であるリリーさんによる、カルチュラルツアーを体験できるレストラン。ツアーにはルカイ族の集落、大南の英語でのガイド付き散策、果樹園での季節の果物の収穫体験、ルカイ族の郷土料理体験などが含まれており、半日かけてルカイ族の営みに親しめる趣向だ。夕方以降は予約制レストランとしても利用できる。野趣あふれるインテリアや食卓の飾りつけも一見の価値あり！

ルカイ族の郷土料理の数々。伝統の燻製肉「ワカム」と、野菜とハーブの卵焼き、パパイアとパッションフルーツのサラダなど。予約制で食事のみは350元

セットのデザートは、アワの麹を使って仕込んだ自家製チーズのチーズケーキ。野生のトマト、サンザシの実と一緒にいただく。

亜熱帯の植物に彩られた山小屋風の建物。自然派志向のデコレーションも素敵。

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3つの民族の女性たちが営む、伝統料理の定食屋。

藍色愛情海之太平洋的風

この日の「水手套餐」はメインのトビウオのグリル、鰹節の出汁で炊いた米のおやき、海藻の寒天ゼリーなど6品とキヌアご飯、スープ付きで500元

ディナーはアラカルトが充実する。海に面したロケーションで、家族連れにも人気が高い。

※『フィガロジャポン』2019年8月号より抜粋