新潟・南魚沼の歴史ある温泉宿が、モダンにリニューアル。
Travel 2020.02.16
米どころ、南魚沼で半世紀以上愛されてきた老舗旅館「温泉御宿 龍言」が、昨年秋にリニューアル。アクティビティや食を軸に、豊かな雪国文化を通年で体感できる宿「ryugon」へと生まれ変わった。
2万坪の敷地内に、豪農の館や武家屋敷など8つの古民家を移築してリノベーション。奥に見えるのは直江兼続ゆかりの坂戸山。山から敷地内の庭園につながるランドスケープの整備を進めており、希望者はプロジェクト見学ツアーに参加可能。
一戸建てのスイートルーム「ヴィラ スイート」が誕生したほか、新しく完成したラウンジやバーなどコモンスペースが充実。定評があった温泉には腰湯を新設し、庭園内の茶室は茶葉から抽出したトリートメントが受けられる「禅スパ」に変身。老舗の伝統を生かしながら、より多彩で上質な「寛ぐ」「癒やす」「磨く」体験が叶う場所へと変貌を遂げた。
部屋は大きく分けて「ヴィラ スイート」とスタンダードな「クラシック」の2タイプ。風景との繋がりを生かして設計された「ヴィラ スイート」(写真)は、各部屋とも庭園に面した露天風呂付き。photo:Satoshi Shigeta
新設された「囲炉裏ラウンジ」。壁際のブックシェルフには雪国文化にちなんだ本が並ぶ。このほか、坂戸山や庭園を望む「ガーデンラウンジ」も誕生。ドリンクやスナックとともにゆったりと過ごすことができる。photo:Satoshi Shigeta
料理のテーマは、地元の食材や伝統料理を生かした“雪国ガストロノミー”。夜は旬の地物を炭火でじっくり焼き上げる「立焼(たてやき)」を含む和のフルコース、朝は炊きたての魚沼産コシヒカリを味わう朝食御膳が楽しめる。
「立焼(たてやき)」は、旧「温泉御宿 龍言」時代に誕生した造語で、地元の魚や肉を炭火で焼く名物料理。レストラン中央に配した囲炉裏で焼いた食材がそのままテーブルにやってくる。photo:Tetsuya Ito
土間ではかまど炊きや保存食づくりの様子が見学できるほか、季節ごとの食材を使って雪国ならではの料理を作るワークショップも随時開催(有料)。たとえば秋には新米や裏山で採ったキノコを使うなど、土地の暮らしに根付いたアクティビティを実施する。
昔ながらのかまどを備えた土間。四季折々のワークショップに加え、雪国の伝統的な家庭料理を作るワークショップを通年で開催(3日前までに要予約。1人¥4,950/調理体験費用、食事代含む。当日11時から受け付けし、開催時間は11時30分〜13時)。photo:Tetsuya Ito
「ryugon」では、土地の魅力を体感できるアクティビティやプランを通年で用意。館内にとどまらず、山菜採りやキノコ狩りツアー、スノーダイビングなどを企画したり周辺エリアの過ごし方を案内したりと、南魚沼を土地ごと楽しめる提案がたっぷり。ぜひここで、記憶に残るとっておきの雪国体験を満喫しよう。
新潟県南魚沼市坂戸1-6
tel: 025-772-3470
客室数:全30室
クラシック・スタンダード¥32,000~(2名1室/朝食付、税別)、ヴィラスイート¥64,000(2名1室/朝食付、税別)など
夕食をご希望の場合は、¥8,000と¥13,000のコースから選択可能
www.ryugon.co.jp
texte:NAOKO MONZEN