都心からの小さな旅は、いばらきの古民家で。
Travel 2020.12.04
茨城県内には現在約32,000もの古民家が存在する。この古民家を活用して、ゲストハウスやレストラン、カフェ、コワーキングスペースが続々とオープンしている。今回紹介するのは2軒のゲストハウスと1軒のベーカリーカフェ。
霞ヶ浦湖畔に立つ「古民家 江口屋」は、明治後期に建てられた築100年以上の元造り酒屋をリノベーションしたゲストハウス。ナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ヶ浦りんりんロード」にも隣接しているため、サイクリングの拠点として、宿泊者は無料レンタルで自転車が楽しむことができる。朝日が昇る湖畔でサイクリングしたあとは、近隣の漁港で水揚げされた新鮮な魚と羽釜炊きのごはんで朝食を。湖畔の風が心地よく通り抜ける開放感あふれる空間は、家族との小旅行や、ワーケーション、または貸し切りで暮らすように過ごすなど、思い思いの使い方が可能だ。
梁や建具を生かした空間には、造り酒屋時代に使われていた看板や塀なども一部利用しており、建物の歴史を感じさせる。
炊きたての香りと甘味が贅沢な気分にさせてくれる羽釜炊きご飯のほか、茨城で採れた新鮮な食材を使ったおいしい朝食を楽しむことができる。
もうひとつ紹介するゲウトハウスは、旧つくば道沿い、筑波山の中腹に位置する「旧小林邸 ひととき」だ。こちらは江戸時代から続く米問屋として使われた築120年以上の商家造り。1,600坪の敷地には母屋、ハナレ、3つの蔵があり、庭には栗林や竹林、柿やビワの木などが目を楽しませてくれる。2階の窓からは筑波山や関東平野を一望するパノラマが広がり、おもわず深呼吸したくなる。Wi-Fiやプロジェクターが完備されたハナレは時間単位で貸し切りもでき、コワーキングスペースとしての利用が可能だ。業務用コンロや食洗機、製氷機などを備えた厨房は、料理系のワークショップにも対応できる。ワーケーションやイベント、家族での小旅行など、こちらも多様な使い方ができる。
筑波山からの絶景を見渡せるよう、快適にリノベーションされたコワーキングスペース。おいしいコーヒーのサービスまでセットになっている。
筑波山の中腹に立つ静かな環境。トレッキングの拠点としても利用できる。
国の有形文化財に指定されている築180年の米蔵を改装したのは、ベーカリーカフェ「蔵日和」。毎日夜明け前から焼き始めるパンは、小麦や米、麹を原料とした天然酵母の豊かな風味と繊細な甘みが特徴。メロンパンはつくばのコンテストで優勝した逸品だ。広い日本庭園を眺めるテラス席で焼きたてを味わいたい。また敷地内には、築190年の茅葺き古民家を改装したイタリアンレストラン「藤右ェ門」も併設されており、こちらも人気のスポットとなっている。都心からクルマで約1時間のショートトリップで、古民家の魅力を存分に味わってみてはいかが?
門をくぐると、広大な敷地にベーカリーカフェやイタリアンレストランがある。
人気のメロンパンほか、ごぼうチーズフランス、黒ごまのベーグルなど風味豊かなパンがたくさん揃う。
茨城県かすみがうら市坂895番地1
www.kasumigaura-kankou.jp/eguchiya/
旧小林邸 ひととき
茨城県つくば市筑波937
http://team-goup.com/hitotoki
茨城県つくば市金田(こんだ) 38-1
tel:029-857-4118
営)10時~18時
休)月曜、第1第3水曜(祝日との兼ね合いで変更もあり)
https://touemon.com/shop/kurabiyori
●問い合わせ先:
茨城県政策企画部地域振興課
tel:029-301-2732
texte : JUNKO KUBODERA