絶対泳ぎたくない、ロンドンの「空に浮かぶプール」。

Travel 2021.07.27

From Pen Online

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空に浮かぶ透明なプールでス~イスイと泳ぐ姿が気持ちよさそう…。Dezeen-YouTube

「これって映画のセットでしょ?」「CGなのでは?」と思いきや、いえいえ、これはロンドン南部にあるマルチ型集合住宅ユニット「エンバシー・ガーデンズ」に実在する居住者用のプール。地上35mの高さにある、ふたつの高層マンションの屋上が、まるで橋を架けるように25mのプールで繋がれている。


Embassy Gardens – Facebook

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スカイプールのオープンに対するひとつ目の「NO!」

この6月、ロンドンに熱波が到来した。スカイプールはその直前(5月26日)という絶妙のタイミングでオープン。気持ちよさそうに泳ぐ人たちの姿が大きく報道されたのだが、直後からふたつの「NO!」の声が大勃発したのだ。

ひとつめの「No!」は高所恐怖症の人たちからの声。「ハフィントンポスト」(イギリス版)では、スカイプールの動画に対し、世界中から「こんなプール、怖すぎる!」「一生入りたくない」との声が上がったことを紹介している。プールはアクリル製の透明な素材で作られている。そもそも35mという高さだけでも怖いのに、透明なプールの中で下を見たら……と想像するだけで、寒気が走るらしい。

アメリカの作家、ドン・ウィンズロウも「なんていうか……僕的には絶対『NO』だな」とコメント。@donwinslow -Twitte

アイルランドで活躍するコメディアン、ニール・デラメアもTwitterで「数百年後も絶対入りたくない」。@neildelamere -Twitter

コメディアン兼DJのロイ・ウッド・Jrは、音楽をつけてツイートした。「このビジュアルを見て、この曲を思い出した」@roywoodjr –Twitter

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ふたつ目の「NO!」は?

ふたつ目の「No」は、エンバシーガーデンズに住んでいるのにこのプールに入れない人がいる、という事実だ。この集合住宅はふたつのエリアに分かれている。ひとつは高級フラットとして分譲された個人所有エリア。もうひとつは現在政府が進めている「シェアード・オーナーシップ(Shared Ownership)」制度で分譲されたエリアだ。後者はフラット一軒を買うのではなく、一部(25%~)の権利のみを買い、残りの部分は住宅協会が所持する共同所有権制度。住宅協会所持ち分に毎月家賃を支払う必要があるが、比較的少ない頭金(といっても高いのだが)で持ち家が可能になる。恐ろしいほど高額で売買されているロンドンの不動産市場において、この制度は救世主となっている。この「シェアード・オーナーシップ分譲エリア」に住む住人は、スカイプールに入る権利がないのだ

個人所有フラットはモダンでラグジュアリー。アメニティ施設も充実。2寝室+1居間フラット(=マンション)で最低でも130万ポンド(約2億円)する。Embassy Gardens – Facebook

「メトロ」紙はこの件に関し、住宅協会側の言い分を掲載。シェアード・オーナーシップ分譲エリアをできるだけ安価に抑えるため、プールなどアメニティへのアクセス権を限定したと説明している。個人所有エリアとシェアード・オーナーシップエリアは入口も異なる。マルチ型集合住宅における後者側の入口を、イギリスでは「Poor Door(貧しいドア)」と呼ぶ。こうした分かりやすい格差が隣り合わせで存在することは「格差社会を助長するもの」と批判を呼び、議論に発展した。

エンバシーガーデンスの2つのエリアのエントランス写真を紹介した、「ガーディアン」紙の建築&デザイン批評家であるオリー・ウェインライト氏のツイッター。「ロンドン市長は『貧しいドア』をなくすことを公約したのに」とコメント。@ollywainwrエight – Twitter

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【動画】絶対泳ぎたくない⁉ 恐怖の空中プール。

ふたつの「NO!」を知った上でこの動画を見ると、また違う味わいがあるかもしれない。

世界最大のデザインウェブマガジン「Dezeen」が配信した動画。Dezeen - Youtube

 

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text: Hanako Miyata

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