京都の魅力を体感する、最新ラグジュアリーホテル4軒。

Travel 2021.09.30

ここ数年、オープンラッシュが続く京都のホテル業界。コロナ禍のいま、静かな京都の旅を満喫しながら、建築やスタイル、規模など、それぞれの個性が際立つホテルを試してみるのも、新たな旅の楽しみ方。数寄屋建築の上質な空間、1年中楽しめる天然温泉のサーマルプールなど、この春から秋にかけてオープンした注目のホテル4軒を紹介する。


#01.スイートルーム4室のみの、上質を極めた高級ホテル。
眞松庵

南禅寺や平安神宮、京都市京セラ美術館などが集まり、伝統と文化を感じられる岡崎エリア。2021年10月14日、その一角に4室のみのラグジュアリーホテルがオープン。設計は自然との一体感や自然素材を大切にする京都在住の建築家、横内敏人と、施工を数寄屋建築の名工、中村外二工務店が担当。2階と3階に2室ずつ配された客室は、全国から取り寄せた貴重な原木を資材に使い、それぞれ意匠が異なる仕上がりに。たとえば、「暁 gyo」は丸太の柱や、へぎ板、蒲芯の天井で茶室のような野趣があふれ、「眞 shin」は庭園の緑を最大限に取り込んだ“市中の山居”といった趣き。いずれも数寄屋造りの内装に、北欧をはじめとする世界各国の家具や調度品がマッチする上質な空間となっている。1階には、京都を代表する高級日本料理店、緒方の初支店「東山 緒方」が登場。朝食に客室でその御膳をいただけるのもうれしいかぎり。本質を追求した和のホテルで、贅沢な非日常に身を浸したい。

210924-shinshoan-01.jpg

場所は平安神宮や京都市京セラ美術館の南に位置する高級住宅地の一角。ひっそりと隠れ家のように佇みながら、静謐なオーラを放つ。

210924-shinshoan-02.jpg

3階西の「洛 raku」は京都の山並みを望むことができる明るく開放的な部屋。夜には南側に設えたテラスから、月を眺めることができる。

210924-shinshoan-03.jpg

ホテル名の由来となっている、前庭に植えられた赤松の林を望む2階東の「松 sho」。床暖房付きの浴室には円形の高野槙の浴槽を設置。

眞松庵 
Shinsho-an

住所、tel:非公開
全4室
料金:¥176,000〜
※1室2名利用時の1室料金(朝食、サービス料込み)
※2022年4月1日より、完全紹介制
www.shinsho-an.com

---fadeinpager---

#02.通年利用できる天然温泉のサーマルプールが自慢。
ロク キョウト エルエックスアール ホテルズアンドリゾーツ

その土地の歴史や文化に根ざした上質で唯一無二の体験を提供する、ヒルトンのラグジュアリーブランド、LXR ホテルズ&リゾーツ。その9軒目でアジア初進出となるホテルが、京都の奥座敷、鷹峯三山の麓に誕生。知られざる京都の奥深い魅力に浸れるリゾートホテルを目指し、「Dive into Kyoto」をコンセプトに掲げる。敷地の中央に広がる、周囲の山々が映り込む大きな水盤。古くから芸術家に愛された琳派発祥の地にちなんで、ロビーは漆、レストランは竹、客室は唐紙……と館内を彩る約600点のアートワーク。そして、1年中利用可能な天然温泉の屋外サーマルプール。豊かな自然に抱かれたオープンな雰囲気の中、この地ならではの体験がそこここに。114室の客室は天井から床まで壁一面ガラス張りで、開放感もたっぷりだ。フレンチレストランTENJINは「自然・芸術・料理」がテーマ。シェフズテーブル、オールデイダイニング、ザ バーと3つのエリアに分かれ、使い勝手のよさが頼もしい。

210924-roku-01.jpg

大きな窓から四季折々の景観を楽しめる「デラックス」。壁紙に丸二の唐紙や西陣織のアートワークを飾る。他に天然温泉風呂付きの「ガーデンデラックス」、屋外サーマルプールへ直接アクセスできる「プールサイドデラックス」など全5タイプで、広さは50〜100㎡。ホテル内のインテリアデザインを手がけたのは、アジアを拠点とするBLINK Design Group。

210924-roku-02.jpg

ホテル北側に位置するサーマルプールは、隣接するしょうざんリゾート京都から湧き出る天然温泉を使用した京都唯一の屋外天然温泉プール。宿泊客以外でもスパやフィットネスとともに利用可能。

210924-roku-03.jpg

レストランTENJINのシェフズテーブルでは、ペアリング込みの「シグ二チャーメニュー」(¥35,420〜、サービス料込み)を用意。天神川に面するテラスや窓側席は、春は桜、秋は紅葉などを楽しめる特等席。ゲスト利用可能のため、ランチやアフタヌーンティーに足を伸ばしても。

ロク キョウト エルエックスアール ホテルズアンドリゾーツ
Roku Kyoto, LXR Hotels & Resorts

京都府京都市北区衣笠鏡石町44-1
tel:075-320-0111
全114室
料金:デラックス¥113,850〜、プレミアムデラックス¥132,825〜、ガーデンデラックス¥118,910〜、プールサイドデラックス¥125,235〜、スイート¥265,650〜 
※1室2名利用時の1室料金(朝食、サービス料・入湯税込み)
www.rokukyoto.com

---fadeinpager---

#03.ピザが自慢のレストランを併設した、嵐山の一軒家ホテル。
嵐山邸宅 MAMA

風光明媚な自然で知られる京都屈指の観光地、嵐山。阪急嵐山駅から徒歩3分という立地にある、阪急電鉄の元保養所をリノベーションした宿泊施設がこちら。「ありのまま」「わがまま」という意味を内包した「儘(まま)」の暖簾をくぐると、まずは吹き抜けの開放的なレストランがあり、その大きなカーテンの奥に10室の客室を用意。元の日本建築のよさを活かしているため、庭を眺める浴室や書斎がある部屋、高い天井と縁側でゆったり寛げる部屋など、それぞれ異なる趣きを楽しめる。廊下や客室へは靴を脱いで上がるので、まるで嵐山の別宅を訪れているようなくつろいだ心地に。館内着で街歩きも楽しめたり、アメニティは和紙に包まれていたりと、さりげない心配りにもまた気持ちが和んでいく。併設のレストランでピザに力を入れているのは、素材そのものを大胆に味わえるようにという思いから。朝食も地元の食材をふんだんに使ったやさしいメニューで、清々しい1日のスタートとなるはず。

210924-mana-01.jpg「嵐山を ありのままに 心ゆくまで」がコンセプト。嵐山のありのままを届けるローカルメディア「マママガジン」もぜひチェックして。

210924-mana-02.jpg

「ママ ガーデン」は、お茶や読書が楽しめるプライベートガーデン付きの部屋。庭に面した浴室では庭を眺めながら入浴も。室内の家具や道具は、京都の家具職人、片井意匠が担当。

210924-mana-03.jpg

レストラン儘は、国産小麦を使った、モチモチなのにさっくり香ばしいピザが看板メニュー。ほかにも地のものを使った、シンプルで毎日食べたくなるような一品料理がいろいろ揃う。

嵐山邸宅 MAMA
Arashiyama Teitaku Mama

京都府京都市西京区嵐山西一川町1-5
tel:075-406-1795
全10室
料金:スタンダード¥24,200〜、スタジオガーデンビュー¥30,800〜、スタンダード¥35,200、ガーデンビュー¥44,000〜、ジュニアスイート¥49,500〜、ガーデン¥55,000〜、ママプレミアムガーデン¥66,000〜
※1室2名利用時の1室料金(朝食、サービス料込み)
https://mama-arashiyama.jp

---fadeinpager---

#04.歴史ある庭園を受け継いだ、ふふシリーズの5店舗目。
ふふ 京都

明治時代以降、別荘地として開発された南禅寺界隈。近江の豪商、小林吟右衛門の別荘跡地を受け継いだのが、ふふ 京都。大切に保存されてきた池泉廻遊式庭園を抱くように、レストランや客室、離れが取り囲む。2007年に熱海で開業して以来、5店舗目のふふシリーズで、コンセプトは「こぼれる光 文化のかほり 佳麗幽雅な京のリゾート」。ロビーには白檀と桜のお香がほのかに香り、気鋭の花人が活ける季節の草花に迎えられる。全40室の客室は、格子や障子といった和の風情を取り入れたモダンな空間。庭園を流れる琵琶湖疏水や四季の花をモチーフにした絨毯、赤造杉の茶箱、宇治の煎茶をよりおいしく感じさせる鉄瓶など、この地の歴史や文化を感じさせるアイテムに彩られている。全室に芳しいひのき風呂が据えられ、お湯は肌触りがやわらかいアルカリ性単純温泉。庭園に溶け込むように造られた離れ「八重一重」でのお座敷体験や茶道、華道といったアクティビティにも注目を。

210924-fufu-01.jpg

「ふふラグジュアリープレミアムスイート」は全2室で、約100㎡。窓からは庭園や東山の山並みを眺められる。部屋は全6タイプ。

210924-fufu-02.jpg

「ふふラグジュアリープレミアムスイート」のベッドルーム。アメリカのシモンズ社とふふが共同開発したマットレスで、寝心地抜群。

210924-fufu-03.jpg

庭園のなかに佇む平屋造りの離れ「八重一重」。バーとして楽しめるのはもちろん、プライベートな空間で京都の文化を体験できる。

ふふ 京都
Fufu Kyoto

京都府京都市左京区南禅寺草川町41
tel:0570-0117-22
全40室
料金:スタイリッシュダブル¥77,000〜、コンフォートツイン¥88,000〜、プレシャススイート¥110,000〜、プレミアムスイート¥154,000〜、ふふラグジュアリーコーナースイート¥220,000〜、ふふラグジュアリープレミアムスイート¥275,000〜
※1室2名利用時の1室料金(2食付き、サ-ビス料込み、入湯税別)
https://fufukyoto.jp

 

text: Natsuko Konagaya

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories