安藤忠雄が手がけた、京都の最新ホテル2軒。

Travel 2022.04.15

小長谷奈都子

続々と新しいホテルが誕生する京都では、さらにホテル選びの楽しみが広がっている。そのなかでも特に注目が、建築家・安藤忠雄が手がけたホテル。任天堂の旧本社社屋を改装した既存棟に、新たに増築した新築棟が融合する丸福樓、そして祇園の町並みに溶け込むように白川沿いに佇む隠れ家のようなザ・シンモンゼン。次の京都旅行のためにチェックして!
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安藤忠雄建築と細川亜衣の料理を目指して。

丸福樓

1899年より歴史を刻んできた任天堂の創業地である旧本社社屋が、ホテル丸福樓として生まれ変わった。1930年施工の南北に連なる3棟の改装と、新たに増築した新築棟の設計監修を安藤忠雄が担当。外観や内装のあちこちに当時の面影を感じさせる歴史的建造物と、コンクリート打ちっ放しのモダンな建築の融合が見どころ。ルーフトップ付き、露天風呂付きなど、7つのスイートを含む全18室はすべて異なる設えとなっている。もうひとつの目玉は料理家・細川亜衣が手がけるレストラン、カルタ。料理のみならず、器や内装などすべてを監修し、季節の食材を使った身体に優しい料理を夕食、朝食に提供。ラウンジでの軽食や飲物などもオールインクルーシブなので、我が家のようにくつろいだ滞在ができるはず。

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事務所棟と倉庫、創業者・山内家の住居だった棟に新築棟を加えた4棟が南北に連なる。各棟はエース、クラブ、ハート、ダイヤと命名。

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大理石の壁やタイル張りの床など当時の意匠が残る内観。ホテル名は1947年に設立された任天堂の前身である丸福に由来する。

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新築棟のレジデンシャルスイートは74㎡というゆったりした造り。前面ガラス張りの窓とミニキッチン付き。壁には安藤のサインが。

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夕食の一例。素材の風味を大切にした季節の料理をコース仕立てで提供。シーフードグラタンやカレーライスなど、ラウンジの軽食も細川の監修。

丸福樓
Marufukuro
京都府京都市下京区正面通加茂川西入ル鍵屋町342
tel: 075-353-3355
全18室
料金:¥100,000〜
※1室2名利用時の1室料金(朝食・夕食・飲物・軽食、サービス料、宿泊税込)
https://marufukuro.com

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祇園の白川沿いに佇む隠れ家で、現代アートを愛でる。

ザ・シンモンゼン

古美術の街として知られる新門前通の白川沿いに2021年12月に誕生。設計は安藤忠雄、内装はフランス人インテリアデザイナー、レミ・テシエが担当。風情ある町並みに溶け込むようなシックな格子の外観ながら、館内は明るくモダンな空間で、ダミアン・ハーストや杉本博司といった世界クラスの現代アートが壁を飾る。全9室のスイートルームはすべて白川沿いに面したバルコニー付き。ヒノキの浴槽や大理石の洗面台など天然素材がふんだんに使われ、居心地のよさは抜群だ。京都発祥のレイキを含むトリートメントが受けられるスパもあり、夏にはアルザス出身の有名シェフ、ジャン・ジョルジュ・ヴォンゲリスティンが手がけるレストランがオープン予定。京都らしいロケーションで、世界的なアートや食に触れられる、贅沢なステイを。

Exterior_1_a.jpgプロヴァンスにあるヴィラ・ラ・コストの姉妹ホテルとして、10年以上の歳月をかけて完成。正面から見ると2階建てのようだが、実際は4階建てという造りも京都の伝統的な建築様式にのっとったもの。


Suite_12.jpg3階の客室は畳のベッドルームが特徴。ベッドルームとリビングルームはどの部屋も仕切れるようになっている。

Suite_6.jpgテラスからは春には桜、秋には紅葉が楽しめる。部屋はいちばん広い部屋で97平米、もっとも小さな部屋でも44平米というゆったりした造り。

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朝食は白川沿いにあるリバーサイドラウンジでいただける。アボカドトーストやアーモンドパンケーキ、和食など、幅広いセレクションの中から選べる。

ザ・シンモンゼン
The Shinmonzen
京都府京都市東山区新門前通西之町235
tel: 075-533-6553
全9室
料金:¥120,000〜
※1室1名料金(朝食、サービス料、宿泊税込)
https://theshinmonzen.com

text: Natsuko Konagaya

小長谷奈都子

フィガロ編集部で約8年働いた後、結婚を機に京都へ移住。「フィガロジャポン」「ペン」の本誌やウェブサイトを中心に、フリーランスの編集・ライターとして活動中。夫の料理屋を手伝って、時々女将。1男2女の3児の母。出身は長崎県の壱岐の島。
連載「京都上ル下ル」は京都の楽しい、美味しいを大切な友人に紹介するような気持ちで制作。

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