離島アクティビティで、沖縄の自然と向き合う。
Travel 2022.12.09
多くの天然記念物が棲む西表島、沖縄の離島には、島それぞれの個性豊かな自然が広がる。透明度の高いサンゴ礁の海と、特有の動植物がいる宮古島は、誰もが憧れる日本随一の島。大自然の美しさを体感して、比類ない環境を守り続けたい。
宮古島|下地島 カヤッファビーチ シュノーケル
サンゴを守る海遊びを通し、持続可能な社会へ。
2016年の大白化現象から回復した、宮古島周辺の元気なサンゴ礁。22年も浅瀬で白化現象が広がったが、白化耐性を身につけたサンゴなので、健全に回復することが期待されている。
宮古ブルーとも称されるこの島の海は、海を愛する世界中の人々の憧れの的だ。サンゴ礁が隆起してできた宮古島には山と川がないため、土砂が海に流れ込まず、海の透明度が特に高い。島を囲むように広がるサンゴ礁も宮古島の魅力で、エコガイドカフェでは、この海を舞台に体験ダイビングやシュノーケリングといったアクティビティを提供。カヤッファビーチは100種類以上のサンゴとそこに生息する小魚が群れ、人気スポットのひとつだ。
しかし、海面水温が高くなるエルニーニョ現象等により、多くのサンゴが死滅した時期があった。
「サンゴが光合成することで有機物が作られ、魚のエサになり、豊かな海が守られる。そのためさまざまな保全活動を行い、いまでは少しずつ復活しています」と、エコガイドカフェ代表、猪澤也寸志。シュノーケリングやダイビングのアクティビティ中に「ノータッチサンゴ」というマナーを呼びかける。サンゴやサンゴの赤ちゃんを守るため、海中で立たない、サンゴに触れない……など、アクティビティ前にゲストへ伝えている。今後は修学旅行生が実施しているような、事前学習を経てのプランも計画中。美しい海での体験や感動を通して人々の意識を変え、持続可能な環境づくりに繋げている。
カヤッファ(中の島)ビーチは、宮古島から伊良部大橋を渡った先の下地島にある。「ノータッチサンゴ」発祥のビーチ。エコガイドカフェが守り続けてきたサンゴや熱帯魚が迎える。日本にいる6種のクマノミのうち、4種類が見られるのも魅力。
島の南岸、ワイワイビーチでのシュノーケリング&スキンダイビングプランも用意。10匹以上の海ガメに遭遇することも!?
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島特有の動植物を五感で堪能する朝散歩。
「宮古島には大きな森はありませんが、小さな範囲に自然が凝縮されていて、動植物が身近に感じられます」と語るのは、プラネット・フォーの中村良三代表。「海だけでなく陸の魅力も知ってもらいたい」と始めたアクティビティが「うぷき(大きな木)の森探検」。天然記念物のリュウキュウキンバトなどレアな鳥を探したり、月桃の葉を嗅いだり、シダ科のオオタニワタリの新芽を食べたり。島の自然を五感で体験できるのが人気の理由だ。「竜の家」と呼ばれる巨大な洞窟に入って、島の地質や地形を学ぶ時間も。
左:宮古島~与那国島間に生息するリュウキュウキンバト。普段は「ホー」の鳴き声しか聞けず、姿をじっくり見られるのはレア。赤いくちばしと脚、光沢のある緑の羽が目印。 中:「キョロロー」という鳴き声と真っ赤な身体が特徴のアカショウビン。 右:石灰岩地の森林に生息する、準絶滅危惧種のアオミオカタニシ。薄緑色の巻貝が美しい。
熱帯植物園を経由して、うぷきの森へ。宮古島はハブがいないので軽装&気軽に散策できてうれしい。ガジュマルの幹や枝から伸びるヒゲのようなものが気根。地面に到達すると土から養分を吸って徐々に太くなる。
森散策のハイライトは「竜の家」というスポット。竜はいないが、島でアオダイショウと呼ばれるヘビが生息。
左:沖縄食材の定番、青パパイヤが食べ頃を迎えていた。中:島野菜のオオタニワタリはおひたしや天ぷらにして食べることが多い。葉の先の柔らかい部分をちぎって食べたらワカメのような粘り気が。右:パイナップルに似たアダンの実。アクが強く繊維質が多い。
プラネット・フォー
tel:0980-73-7311
ツアー時間:早起き鳥さんぽ7:00~、亜熱帯の花と生き物さんぽ10:00~(各90分)
一般¥4,000
www.plannet4.co.jp/hitotokisampo
*「フィガロジャポン」2022年12月号より抜粋
●掲載施設の開館・営業時間、閉館・定休日、価格、料理、商品などは、取材時から変更になる可能性があります。
●施設によって、別途サービス料や宿泊税、入湯税などがかかる場合があります。
●取材・撮影時はコロナ対策に十分配慮し、少人数で行っております。また、写真でマスクを外している場合がありますが、通常スタッフはマスク着用のうえ感染対策を行っております。
photography: Sodai Yokoyama