「最高のIKEAライフ」を楽しめる北欧のIKEAホテル。

Travel 2023.04.23

世界に約460店舗を展開する家具チェーンのIKEAが、世界で1軒しかないIKEAホテルを北欧で運営している。シンプルかつ洗練された北欧デザインのIKEA製家具に囲まれて1日を過ごし、名物のミートボールに舌鼓を打つという、ここだけの宿泊体験が人気だ。

 

 

ホテルはスウェーデン南部、森に囲まれた人口9000人ほどの小さなエルムフルトの町に佇む。ささやかな町だが、創業者が生まれ育ったIKEAの聖地として知られ、ホテルにも世界中から訪問者が訪れる。かつてIKEAの第1号店があった土地を、ホテルと博物館にリニューアルした。

IKEAホテルでデスティネーション・セールスを統括するイダ=マリア・リゴル氏は、米「トラベル+レジャー」誌に対し、「エルムフルトは森の中の小さな町なので想像しにくいのですが、ここは国際的で活気のある場所になっています」と語っている。ほかにホテルや大きなレストランがないため、地元の人々にも愛されているという。

ホテルの共用空間にはゲスト用のラウンジやサウナなど各種施設が揃い、ほかのゲストとの交流を楽しむことができる。

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北欧のシンプルデザインに浸るステイ。

客室はIKEAらしく、シンプルかつ機能的にコーディネートされている。ホワイトをベースに、木目を生かした北欧らしいナチュラルなトーンで統一され、明るく居心地の良い空間を演出する。室内の備品はデスクやスツールなど最低限に留め、素朴だが暮らしやすい空間となっている。

 

シンプルなインテリアでまとめられたホテル。

標準的な18平米のダブルルームのほか、2台の2段ベッドを備え、家族全員で同じ部屋に宿泊できるファミリールームなどが揃う。また、わずか4平米のスペースでベッドと居住空間を実現したキャビンルームも存在する。カプセルホテルとは異なり、天井高をフルに設けることで開放感が確保されている。

部屋のアイテムは、ほぼすべてがIKEA製品だ。アームチェアの「POANG/ポエング」やデスクの「LISABO/リーサボー」など、気に入った商品があったならば、IKEAに足を運べば同じ物が必ず手に入る。

 

ファミリールームには2段ベッドが備え付けられ、家族みんなで宿泊できる。

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「すべてが機能的」 良質なデザインを実感。

実際に宿泊したというドミノ誌は、「すべてが機能的」であり、「マットレス、枕からスコーンに至るまで、すべてがIKEAによるデザイン」だったと振り返っている。

客室は安らぎの空間であると同時に、実際に住めるショールームでもある。部屋のコーディネートは1年を通じて絶えず変化が加えられているという。

 

ホリデーシーズン時のインテリア。

ホテルの経営哲学は、安価で高品質なIKEAの家具と同様、いたずらに値段を上げないことだという。ホテルのリゴル氏は、トラベル+レジャー誌に対し、満室に近く最後の1室しか残っていない状況であっても決して室料を上げることはないと語っている。室料はダブルルームで115ユーロ(1万7000円)ほどと、物価の高い北欧としてはお値打ち感がある。

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ミートボールに白羽の矢…「なぜ?」からの大成功。

IKEAといえば家具のデザイン性もさることながら、併設のIKEAレストランで味わう各種の北欧料理も人気だ。トラベル+レジャー誌はホテルについて、「はい、メニューにはミートボールがあります。いいえ、室内の家具を組み立てる必要はありません」と紹介している。

米CNNによると、IKEAが店内に最初のカフェをオープンしたのは1953年のこと。当時はコーヒーとケーキだけを提供するシンプルなもので、想定ほど利用が進まなかったようだ。

広大なショールームを歩く間に、顧客は喉が渇き空腹になる。IKEA側は、人々が途中で店を去ることに課題意識を持っていた。魅力的なレストランメニューがあれば、もっとショールームを見てもらうことができるはずだ。

そこで1985年、レストランの見直し計画が持ち上がった際、スウェーデン名物のミートボールに白羽の矢が立った。CNNによると当時、ミートボールの納品を打診された製造業者は、「なぜ家具ディーラーが突然ミートボールを発注し、世界中に送らなければならないのか」と首を捻ったという。

だが、大人から子どもまでが楽しめるミートボールは大成功を収め、いまではIKEAレストランを代表する看板メニューとなっている。もちろんIKEAホテルでも提供されており、大型テーブルが並ぶ活気あるレストランにて楽しむことができる。

 

「ミートボールがないIKEAホテルなんて、恐怖以外の何ものでもない!」

ドミノ誌の記者は、レストランでの時間をホテルで最も楽しんだようだ。IKEA製の「FINSMAK/フィンスマーク」に置かれたキャンドルライトが揺らぐなか、「365+」シリーズのプレートに盛られたミートボールをほおばったという。宿泊料には朝食代が含まれており、翌朝はパンケーキやスクランブルエッグなどを楽しんだようだ。

朝食会場ももちろんIKEA製品でまとめられている。

スウェーデンの小さな町にひっそりと佇むIKEAホテルは、同社の独自の経営理念と洗練されたデザインをたっぷりと味わうことができる場所になっているようだ。北欧発の高いデザイン性を堪能しながら、次に我が家に迎えたいIKEA製品のインスピレーションを得るのに最適かもしれない。

 

text: Yamato Aoba

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